人材紹介事業を展開するリクルートHRエージェント事業、鹿児島県薩摩國地域と連携し、就労支援セミナーを実施

厚生労働省は、雇用機会が不足している地域や過疎化が進んでいる地域などに対して、雇用や人材確保に関する地域の特性を活かした取り組みを支援するために、「地域雇用活性化推進事業」に取り組んでいます。具体的には、地域の市町村や経済団体などの関係者で構成される地域雇用創造協議会が提案した事業構想の中から、雇用や人材確保の効果が高いと認められるものや地域の活性化につながると期待できるものをコンテスト方式で選抜して、その取り組みを支援するというものです。2022年度は採択地域として10地域が決定しました。

そのひとつとして選ばれたのが、阿久根市、薩摩川内市、さつま町で構成される鹿児島県薩摩國地域による、『仕事×ライフスタイル×キャリア』夢・未来応援プロジェクトです。リクルートは、3市町および経済団体などで組織する薩摩國雇用創造協議会と協働でこのプロジェクトに取り組んでいます。魅力を向上させる事業所向けのセミナーや人材育成を目的とした求職者向けセミナーを開催しているほか、双方をつなぐためのマッチング事業を実施しています。2023年2月には、求職者の就職増を目指して「夢応援 キャリア形成支援セミナー」を開催し、リクルートがこれまで培ってきたノウハウを活かして、適職診断、ポータブルスキル発掘、自己PR作成などのレクチャーを実施しました。そのセミナーの様子をレポートします。

第1部:自己理解を深め、自分に合った環境・仕事の進め方を知る「適職診断」

セミナーは「ジブンを知ると輝きが見つかる」をテーマに、自分の強み・適職を認識し、転職活動へ踏み出す一歩を支援することを目的に2日かけて行われました。講座は3部構成で、会場参加かオンライン参加を選択でき、自分の適職や異業種への挑戦を検討されている方など、さまざまな方々が参加しました。

第1部は「適職診断」です。講師には、リクルートが運営する仕事紹介カウンター「就職Shop」 の担当者が登壇し、「多くの方が今の仕事や環境に対して漠然とした不安を抱え、ひとりで悩んでしまっている。自分の特徴や自分に合った環境について一緒に考えていきましょう」というメッセージからスタートしました。

最初に鹿児島をはじめとする全国の求人状況の説明後、具体的な転職事例を幾つか紹介。納得感のある転職を実現するためにポイントとして、キャリアは「点」ではなく、過去・現在・未来の「線」で捉えることの重要性が伝えられました。

その後、過去・現在・未来の自分を理解するタイプ診断では、セルフチェックによって6つのタイプに分けられ、それぞれのタイプの方が好む環境や仕事の進め方、向いている仕事などについて深く掘り下げた解説が行われました。その後、ディスカッションを基に「自分がどう感じたのか」「特に優先順位の高いことは何なのか」といった理解を深め、多方面から自分自身や適職について考えるきっかけとなりました。

過去・現在・未来の自分を理解するタイプ診断

プログラムの参加者の満足度は非常に高く、「仕事選びに対するジレンマやモヤモヤが晴れてきた」「自己理解を深められた」「周りの話を聞けたことで参考になった」といった声が寄せられました。

第2部:キャリアを棚卸しし、自分の強みを見い出す「ポータブルスキル発掘」

第2部は「ポータブルスキル発掘」です。「ポータブルスキル」とは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキルのこと。セミナーは、リクルートで1,000人以上の転職実現をサポートしてきた実績のある講師が担当しました。

最初に行ったのが、「働く・生活するにあたって自分が大事にしていること」を考える個人ワーク。収入、働きがい、安定性、労働時間、家族、趣味など、自分にとっての大事にしたい価値観を知ることから始まりました。

続いて「ポータブルスキル」の詳しい説明が行われ、専門性や知識だけが大事なスキルではないこと、人との関わり方や仕事の仕方が業界・職種が変わっても通用するポータブルスキルになることを説明。段取り力、柔軟対応力、信頼獲得力などのポータブルスキルを活用することで、販売職から介護施設の施設長、主婦から社員育成のスーパーバイザーにキャリアチェンジした転職事例なども紹介されました。

その後、自分のポータルブルスキルを考える個人ワークと、さらに、そのポータルスキルを用いて面接の練習を行うグループワークを実施。自分の強みを言葉にしてみること、それを他の人に認めてもらえることで自信になり、自己肯定感が上がったという参加者もいました。

自分の強みを見い出す「ポータブルスキル発掘」

第3部:自己PR作成と薩摩國地域の求人検索を行う「転職活動の進め方・求人を知る」

2日目に行われた第3部では、適職診断とポータブルスキルの把握を踏まえた面接で使える自己PR 作成ワークと、さらに薩摩國地域の求人検索ワークも実施。セミナー終了後に転職活動へ第一歩を踏み出せる状態になることを目的とした内容になっています。講師はリクルートが運営する地方創生プロジェクト『マチリク』のメンバーです。

最初は、参加者自身が面接官の立場に立って、具体的な募集を基にどんな経験やポータブルスキルを持った人材がふさわしいと思うのかを考えることからスタート。面接官の視点を持つことで、企業はどんな人材を求めているのかを知り、さらに、企業と自分の接点を見いだしてアピールすることの大切さが理解できたようです。参加者からも「自己PRが難しいと思っていたが、ひっくり返して考えてみることで伝え方のヒントになり、目からうろこだった」という声が上がっていました。

自己PR作成と薩摩國地域の求人検索を行う「転職活動の進め方・求人を知る」

その後は、履歴書や職務経歴書の書き方についての説明が行われ、先ほどと同様に読み手である面接官の目線に立って作成することの大切さが伝えられました。さらに具体的にどんなことを書けば良いのか、書く上での大切なポイントなども紹介。転職理由を整理して書いてみる個人ワークも行われ、自分を見つめ直す時間になったようです。

面接で面接官の心を引きつける企業研究の仕方を学んだ後、薩摩國地域の求人検索を実際に行ってみるワークへ。気になる求人があった方は、適職診断やポータブルスキル診断で見つけた自身の強みが活かせそうかを考え、自己PRを作成してみるところまで実施。悩んでいる方には講師がアドバイスをしていく時間もあり、「講師の温かい支えが背中を押してくれた」「とても勉強になり、今後に活かしたい」という感想が聞かれました。

2日間かけて行われた「夢応援 キャリア形成支援セミナー」。終了後のアンケートでは約9割の参加者から満足をいただける結果となり、自身のキャリアについてひとりで悩みがちな方も多い中で、同じ想いや願いを持つ方々と一緒に学ぶことで理解を深めることができただけでなく、「励まされた気持ちになった」という声もいただきました。このような活動を通して、リクルートでは、今後も地域雇用活性化の推進に向けて、地域と連携したさまざまな取り組みや支援を続けてまいります。

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