<マネジメント層向け>
コミュニケーションを活性化するビジネスチャットツールの使い方3Step
2020.7.28
緊急事態宣言をきっかけに、多くの企業でテレワークへの注目が集まりました。テレワークを段階的に導入しているリクルートキャリアの転職支援サービス『リクルートエージェント』に携わるエージェント事業本部で、従業員の働き方に関する意識調査をしたところ、多くのマネジメント層から「組織内コミュニケーションの取りづらさ」を挙げる声が寄せられました。
そこでリクルートエージェントでは、社内の約800のチーム(※1)の中から、特にコミュニケーションが活性化しているチームへヒアリング。マネジメント層の方向けにビジネスチャットツールの使い方の3Stepをリクルートエージェント組織活性チームがまとめましたのでご紹介します。
※1 リクルートキャリアが利用するビジネスチャットツールの、所属部門やプロジェクトなど大きなグループのまとまり
Step1 勤怠チャネルをつくり、全員で書き込む
テレワークの普及に伴い社内コミュニケーションツールとしてビジネスチャットを活用する企業も増えていることから、ツール上でのコミュニケーションを活性化させたいと考えるマネジメント層も多いと思います。エージェント事業本部では、いきなりコミュニケーションの活性化を目指すのではなく、まずはチャットツールを毎日見てもらう習慣をつけることを大事にしています。その入口として、まずは「勤怠」チャネル(※2)をつくる方法がお勧めです。
※2 チーム内で特定の目的ごとに分けた最小単位のまとまり
出社する人と在宅勤務する人が混在する職場では、誰が、いつ、どこで勤務しているのかが分かりづらくなります。全員がチャネルを表示するように設定し、「業務および休憩の開始と終了」と「勤務場所」を都度報告してもらいましょう。勤怠チャネルの使い方は2つのパターンがありますので、チームに合ったやり方を選ぶとよいようです。
Step2 「業務情報」「組織活性」の2つの目的でチャネル設計をする
ビジネスチャットを利用するとチャネルは数多く生成することができるが故に、乱立しがちになります。上手にツールを活用しているチームでは、チャネルを「業務情報」と「組織活性」の2つの目的で設計している場合が多いと分かりました。
まずは「業務情報」のためのチャネル。勤怠報告・全員へのお知らせ・ツール使用ルール・チーム会アジェンダ・プロジェクト単位の共有などがそれにあたります。チームの仕事内容を網羅するチャネル設計は情報共有のスピードを速め、業務効率化を促しています。
そしてもう1つ大切なのが「組織活性」のためのチャネル。自己紹介・雑談部屋・よい仕事の共有などを指します。特に新しいチームではお互いの人となりを知るためのコンテンツがあると交流が生まれ、業務でも質問や意見を出しやすくなり、心理的安全性の向上に繋がっていました。
どちらも組織方針や業務内容を把握しているマネジメント層を中心に設計し、投稿する人が迷わないように目的が一目で分かりやすいチャネル名をつけることがポイントです。
ヒアリングした組織のチームにおけるチャネル数の平均は約60でしたが、少なくとも、20~25チャネルの作成を推奨します。また、一度チャネルを設計してからも、メンバーや業務が変われば必要なチャネルは変化します。「最近の投稿が少なくないか」「複数のチャネルで同内容が投稿されていないか」などの観点で、定期的(3ヶ月に1回程度)にチャネル設計を見直す機会を持つよう心掛けてみてください。
Step3 チームみんなを巻き込むコミュニケーション設計をする
コミュニケーション活性で特に大事なポイントは「チームみんなが主体的に参加していること」。マネジメント層が設計したあとは、メンバーと協力してチームを盛り上げていきます。まずは重要なお知らせを見たら確認の意味を込めて「いいね」を押してもらうように呼び掛けるなど、全員が参加しやすいところから運用を始めてみましょう。慣れてきたメンバーから使い方の提案があったときには、積極的に取り入れてみることで、さらなる活性化に繋がるようです。
エージェント事業本部でも、緊急事態宣言下では様々な活用方法を試していました。例えばチーム会のファシリテーションや自己紹介の投稿などを、持ち回りで全員にやってもらうチームがありました。コミュニケーション活性の取り組みには、できる限り全員が参加できるような仕立ての工夫が必要かもしれません。
ビジネスチャットツールの良さは「隣の先輩だけに聞いていた」これまでの状態を、「チームのみんなに聞ける」に変えられることです。1対1のコミュニケーションと違い、複数の人から素早く意見を収集できるため、相談案件がある場合には、様々な見解を参考に解を見出せます。
さらに参加者の範囲を広げたチームを作成すれば、グループや部を超えて他の従業員の人となりや業務内容を知ることもでき、今までよりも自組織を超えた連携が進むチャンスにもなります。
ぜひチームにあった使い方を、楽しみながらいろいろと試してみてください。