経理推進 ファイナンス統括室
経理推進部
SaaS経理グループ
仲本 圭吾 Keigo Nakamoto

若手にも積極的に任せる文化の中で、
未経験からファイナンスのプロフェッショナルを目指した。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか?

リクルートの前は金融機関で働いていました。そこで多くの企業の財務諸表を見て評価をするうちに、経営と会計のつながりに興味を持ちはじめ、「自分自身が会計を通じて会社の評価を高める仕事をしてみたい」と考えるようになったことが転職のきっかけです。
その中で出会ったのが、統合前のリクルートエージェントの事業統括で業績管理を行う、FP&Aの求人です。面接では、事業を伸ばすための数字を学べるポジションであることや、組織全体が若いメンバーで構成されていてこれから組織をつくっていくフェーズであること、ボトムアップな社風で年齢に関係なく活躍できるという話を聞きました。元々希望していた財務会計の求人ではありませんでしたが、「未経験から、ファイナンスのプロフェッショナルを目指したい」「そのために、若いうちから仕事を任され早く成長したい」という思いから、2006年3月にリクルートエージェントへの入社を決意しました。
入社後は、業績管理や予算管理を中心に業務を担当しました。2012年にはリクルートエージェントとリクルートのHR事業部の統合にも携わりました。2社の管理会計のルールが大きく異なったことから、新たに事業利益を追求するために、細かい単位での利益管理のルールメイクを行ったことは、大きな経験になっています。その仕事を通じて初めて管理会計の世界を見ることになり、ビジネスと会計のつながりの重要性を体感しました。

期待される社会的責任の大きいリクルートだからこそ、
世の中の変化に応じた社会貢献の一翼を担える。

仕事内容とミッションについて教えてください。

ファイナンス統括室は一般的には経理と呼ばれる部門ですので、会社の決算数値を正しく早く、経営に対して、そして、上場企業でありますから、世の中に対しても開示していくことが求められるセクションです。
また、リクルートには多種多様なサービスがあり、さまざまな領域で新しいサービスを生み出しています。それらは既存のオペレーションで対応できないケースも多いため、経理推進部では会計知識を持った専門家として、事業部門と伴走しながら、会計処理のオペレーションを設計しています。
私は2019年にファイナンス統括室へ異動してきて、最初の1年はリクルートホールディングスの経理を担当していました。当時の私にとってはまだ経験のない領域でしたが、上場企業に求められる開示のレベルを満たす会計処理を、監査人と協議しながら仕立てていく仕事を経験しました。
2年目には室内で異動になり、ライフスタイル領域を担当しました。ちょうど新型コロナに見舞われた最初の年で、政府の施策である「Go To トラベルキャンペーン」と「Go To Eatキャンペーン」の対応をしました。これは『じゃらん』など既存のサービスに対して追加的なオペレーションや国への提出物・証憑などの管理、会計処理を適用していく仕事を、事業側と連携しながら組み上げていきました。
同じ時期に、コロナ対策として創設された家賃支援給付金の支給事務をリクルートが受託したため、その業務の会計処理や国への報告資料の仕立てを含めて、組み上げる仕事も担当しました。
これらの仕事は、われわれから新しい事業やサービスを仕掛けたわけではなく、どちらかというと受け身的な側面を持つ仕事と言えるかもしれません。ただ、リクルートは創業時から一貫して、世の中の大きな変動に応じて「社会に貢献するために何ができるか」を考えて俊敏に行動しています。もちろんそれは、直近のコロナ禍においても同様でした。こういった未曽有な状況だからこそ、出来ることがある。われわれもファイナンスのプロとしてそこに伴走し、事業だけでは解決できない体系的な部分や実務的な部分を、1件1件連携しながら組み上げていった経験は、変革を続けるリクルートならではの経験だったと思います。

今後拡大していくSaaSビジネスの立ち上げに伴走。
正解がない中で、守りと攻めを両立する仕組みを作る。

SaaS経理グループとしてはどのような仕事をされているのですか?

SaaS経理グループは、2021年4月に新設されたグループになります。リクルートとして今後はSaaS領域に注力していく姿勢が2020年の下半期辺りから明確になっていき、会社の統合を機にグループとして切り出した形です。
グループの役割は、SaaS領域の新規サービスに対応できるような会計処理やオペレーションを設計し、組み上げ、サービスのリリースまで伴走することです。最初は事業部門から新しいサービスの構想があがってきますので、そのビジネスにおいてリクルートの介在価値は何にあたり、どういうことを価値として提供するのか、その対価をどのような形で頂くのかというビジネスの基本スキームじっくりヒアリングします。その後、出来ることと出来ないことを検討の上、既存のフローやオペレーションで生かせる部分は生かしつつ、会計上の要件を満たしながら、新規サービスに対応できるようアジャストさせていくという仕事です。
これまでリクルートは広告ビジネスを中心に成長してきました。したがって、基本的なインフラやサービス管理のシステムもそれに応じた仕様になっています。これがSaaSビジネスになると、お金の流れがより複雑になりますし、提供するサービスが今まで会社として経験してこなかった金融・決済系であるという意味でも、既存のシステムでは対応できず、ノウハウもありません。
しかし、既存のシステムや運用では対応できなくても、ノウハウがなくても、それが理由で諦めることはありません。どうやったら事業のやりたいことが安全に実現できるのか、税務・財務・会計すべての観点でリスクがないか、上場企業として担保しなければいけない会計水準を常に意識しながら会計処理を作り上げていきます。
このように常に事業部門と密に関わり、伴走していくため、一緒に新しいビジネスをつくっている感覚が強いです。サービスが世の中にリリースされる際にも、当事者としての達成感を感じられます。大企業にもかかわらずこのような実感が得られることは、リクルートの大きな魅力だと思いますね。

ビジネスの多様性とスピード感が魅力。
様々な環境の変化に、挑戦する姿勢で臨む。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

新しいビジネスに則した会計処理をゼロから作っていく仕事は、決まったことをやればいいという単純な仕事ではありません。でも、リクルートには新しいことに取り組む時に「難しい」といって諦めるのではなく「どうやったらできるか」と考える風土が根付いていますから、周囲の関係者や専門的な知見を有する人たちの協力を得ながら、抽象度の高い仕事も推進していけるのです。
また、リクルートが新しいビジネスを次々に創出していくスピード感は目覚ましいものがあります。その中で、多様なビジネスモデルを経理・会計の立場から経験できることは、リクルートならではだと思います。
私たちが担当している新しいビジネスへの対応は、今後のリクルートの会計方針や経理業務をつくる上でベースとなる、重要な部分だと思っています。私自身、若手に仕事をどんどん任せる環境に期待して入社しましたし、今のSaaS経理グループでは20代の若手が中心となって事業との連携を推進しています。この経理推進部が担う役割を、中途入社の方にも積極的に任せていきたいと考えています。
現在リクルートは大きく変革していこうとするフェーズにあります。同時に産業界においてはDXの大きな潮流があり、新型コロナなど予見できない社会の変化や、インボイス制度の導入など、経理業務における環境も大きく変わっていきます。
そうした中では既存の仕組みやルール、オペレーションをそのまま続けていくわけにはいきません。変化を受け入れながら、どうすれば自分たちに合うものにしていくかが常に求められています。経理推進部として「守り」と「攻め」のバランスを徹底的に見極めたうえで、環境の変化にどう寄り添っていくのかを考え、私たち自身も常に挑戦する姿勢で業務に取り組んでいきたいです。

記載内容は取材当時のものです。

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