ビジネス企画職 Division統括本部 飲食Division
飲食カスタマーサクセス推進部
カスタマーサクセス法人グループ
荒井 恒平 Kohei Arai
プロダクト企画職 プロダクト統括本部 プロダクトマネジメント統括室 販促領域プロダクトマネジメント室(旅行・飲食・ビューティー)
飲食プロダクトマネジメントユニット
飲食プロダクトマネジメント2グループ
上大迫 真隆 Masataka Kamiosako

―ふたりのこれまでの略歴と今の役割について教えてください。まずはビジネス企画職の荒井さん、お願いします。

荒井:前職は飲食店で店舗運営の仕事をしていました。そのときの知見を活かし、リクルートに入社してからも『ホットペッパーグルメ』などを有する飲食領域に所属しています。入社から5年ほどは飲食店・レストラン向けの予約管理・台帳システム『レストランボード』の営業として、大手法人クライアントを担当。その後、『レストランボード』や『Airレジ』といったSaaSプロダクトを本格的に推進していくべく、SaaSプロダクトのカスタマーサクセスを担当するように。現在はリーダー職としてメンバー7名と共に、大手法人60社、約5,000店舗に向き合っています。

―では、プロダクト企画職の上大迫さんはいかがでしょうか。

上大迫:私の場合は、新卒でWebサービスのスタートアップ企業に入社。マーケティングやグロースハックを担いました。そこからリクルートに転職したのは、大規模組織ならではのプロダクト企画にも挑戦してみたかったからです。入社後2年は、プロダクトデザイン組織で『ホットペッパーグルメ』のアクション改善やクライアント管理画面の改善などを担当。その後、プロダクトマネジメント組織に異動し、『ホットペッパーグルメ』の中期計画策定や、キャンペーン・新商品のプロジェクトマネジメントを経験しました。そして2022年から飲食店向けの業務支援プロダクト『Airレジ オーダー』を担当しています。

―リクルートでプロダクト企画職、ビジネス企画職を手掛ける醍醐味をそれぞれ教えてください。

上大迫:プロダクト企画職として感じるのは、『ホットペッパーグルメ』のような多くのユーザーを抱える大規模プロダクトに携わることができるため、自分のアイデアが日本中の飲食店や何百万ものユーザーに影響するところですね。それを自分ひとりで実現するのは大変ですが、様々な専門知識・スキルを持つ仲間との協働で形にしていくのがリクルートらしいやり方。デザイン、テクノロジー、データなど多様な専門職の仲間が、より良い価値を世に届けたいという共通の志や思いを持って集い、立場を超えてフラットに議論しながらプロダクトに携わっていけることが私には魅力です。また、現在担当している『Airレジ オーダー』のように、世の中の変化を捉えた新たなプロダクトも続々と生まれている。「大規模プロダクトの開発・運用」と「新規プロダクトの立ち上げ・推進」、どちらも経験する機会に恵まれた会社だと思います。

荒井:ビジネス企画職としても、既存のプロダクトを日本中の多くの人に利用いただいていることは、アドバンテージだと感じます。入社以来、私は『レストランボード』『Air ビジネスツールズ』などの新しいプロダクトをクライアントに導入し、継続的に活用いただく支援をしていますが、先輩たちが『ホットペッパーグルメ』を通じて築いてきた信頼があるからこそ、クライアントのみなさんはSaaSプロダクトにも期待してくれるのだと感じた瞬間が何度もありました。そうしたクライアントとの信頼関係が土台となって、私たちも一歩踏み込んだ新たなソリューションにチャレンジしやすい環境だと思います。

クライアント視点、マーケット視点で事業のセオリーを疑い、前例のない新たなソリューション開発に挑む。

―ふたりは役割の違いをこえて協働し、飲食大手クライアント向けのソリューションとして「他社POSレジと『Airレジ オーダー』の連携」を実現しています。この取り組みはどうしてはじまったのですか。

荒井:カスタマーサクセス側の一番のきっかけは、目の前のお客様が苦しんでいたことです。コロナ禍を経て、多くの飲食店が深刻な人手不足に陥っています。需要は戻ってきているのにスタッフがなかなか採用できず、あるお店ではこれまで5~6名体制で営業していたところを3~4名で運営するような状況。業務がまわらず売上機会を逃し、サービスの質を維持することが難しい状況にありました。

そこで、解決の糸口を探すためにクライアントの店舗運営業務を観察してみると、ボトルネックになっていたのが、スタッフがお客様から注文をとるオーダー業務。ここに私たちが展開する『Airレジ オーダー』を導入すれば、お客様にスマホで直接注文してもらうことで、オーダー業務を大きく効率化することができます。しかし、『Airレジ オーダー』は同じリクルートのPOSレジアプリ『Airレジ』を活用いただくことが前提のプロダクト。私が担当する大手の飲食クライアントでは、すでに他社のPOSレジを導入していることがほとんどです。POSレジは売上管理や在庫管理など他のシステムとも連携していることが多く、『Airレジ』への乗り換えから提案するとなると、導入のハードルはかなり高いのが実態。もっとお客様の課題感にフィットしたソリューションにできないのか。そう考えプロダクト側に相談したのがはじまりでした。

上大迫:荒井さんから相談をもらったとき、実はプロダクト側でも近いことを考えていたんです。というのも、『Airレジ オーダー』をはじめとした『Air ビジネスツールズ』は、もともと中小事業者に向けてつくられたプロダクト。小規模のお店では業務のDXが進んでおらず、アナログで手間のかかる業務を多数抱えるお店が多かったからこそ、中小事業者向けにはまずは『Airレジ』を軸にしながら他の業務支援機能を追加していくようなソリューション提案がフィットしていました。

しかし、荒井さんが担当しているような大手クライアントではある程度DXが進んでいる。そのため、オーダー業務に課題感のあるクライアントにはピンポイントで『Airレジ オーダー』を導入してもらう選択肢もあって良いのではないかと検討していたところでした。荒井さんのようなクライアント接点のある現場から同じような声を上げてくれたことが後押しになり、ぜひ一緒に実現させましょうとプロジェクトを立ち上げました。

役割を超え、異なる強みを掛け合わるからこそ 、一人では乗り越えられないハードルを突破できる。

―プロジェクトにおけるそれぞれの役割を教えてください。

荒井:普段から飲食店の実際の業務を間近に見ている私は、『Airレジ オーダー』を単体で導入した場合にクライアントの業務全体がスムーズに進むようなオペレーションの設計を担当。加えて今回はクライアントの声を直接聞いてきた立場から、通常ならプロダクトのみなさんが担当している仕様検討まで自らの役割を染み出して、一緒におこないました。

上大迫:私はプロマネとして社内のプロダクト担当やビジネスサイドのみなさんとの各種調整や合意形成を担当。また、今回はPOSレジを展開する社外パートナーとの交渉や合意形成を担当したのが、新たなチャレンジでした。

―この取り組みにおいて、お互いがいたからこそ助かった、上手くいったポイントはありますか。

荒井:いつものカスタマーサクセスの仕事に比べて関係者が非常に多く、私が自分で関係各所と調整しようとすれば、かなり大変だったと思います。上大迫さんはプロダクトの開発・運用をマネジメントする立場として、普段からディレクターやエンジニアや営業、それぞれの上司にいたるまで、社内の様々な役割の人たちと接点を持ち意見をまとめているので、関係者の多いプロジェクトでもスピード感を持ってものごとが進んでいった印象。かつ、私たちカスタマーサクセスや営業が日頃のクライアント接点から得た情報やアイデアに熱心に耳を傾けてくれ、クライアントの課題解決に一緒に向き合ってくれたからこそ、ソリューションの細部についても、私たちにとっても納得感のあるものに磨いていくことができたと思います。

上大迫:プロダクト側の視点では、『Airレジ オーダー』単体でも導入可能だと言えそうだったのですが、それはあくまでも理論上の話。実際に現場で問題なく運用できるとは限りません。今回、荒井さんが店舗への訪問とヒアリングを重ね、現場で実際に何が起きているのかをリアルに把握したうえで、開発担当と協働してくれたので、単体導入の際起きそうな不具合や懸念点を早期に発見し、解消することができたため、クライアントの現場感によりフィットしたものに仕上げることができました。

また、今回の最大のハードルは、他社POSレジとのデータ連携を実現することでした。普段は『Airレジ』と競合関係にある会社ですから、リクルートのプロダクト担当の私が単独で交渉しても難航していたかもしれません。しかし今回は、荒井さんがクライアントに向き合うなかでオーダー業務の効率化ニーズを顕在化させてくれた。クライアントからもPOSレジの会社へ「『Airレジ オーダー』との連携を前向きに検討してほしい」と要望をお伝えいただいたことで、競合だった彼らとパートナー関係を築くことができました。結果的に、社内だけの協働ではなく、リクルート・クライアント・パートナーが三位一体で飲食マーケットの生産性向上やユーザー体験向上を目指す取り組みになっています。

―この取り組みによって、どんな価値が生まれていますか。

上大迫:プロダクト視点でいうと、中小事業向けにはじまったリクルートのSaaSプロダクトが大手クライアントでも価値を発揮しやすくなったことが大きいですね。複数の店舗を展開している企業で活用いただければ、業界全体の生産性やサービスの向上にも大きく寄与することになりますから、マーケットへの介在価値が広がっていると思います。

荒井:きっかけとなったクライアントへの導入を経て、現在は、他の大手クライアントにも『Airレジ オーダー』の試験導入が進んでいます。やはり、人手不足はどこのクライアントにも共通する深刻な問題。オーダー業務を『Airレジ オーダー』で効率化する提案は、業界全体の生産性改善にも影響するものであり、今や飲食大手クライアントに向き合う私たちの組織のメインテーマになっています。

個人のやりたいことを応援し、協力を惜しまない環境。 “協働の連鎖”で新しい価値が生まれる。

―リクルートで働くことは、ご自身のキャリアにとってどんな機会だと捉えていますか。

荒井:激しい変化の波に身を置きながら、次々に新しいチャレンジができる機会だと思っています。私のリクルートでの10年を振り返ってみても、変化の連続。例えば入社当時の飲食業界はまだ「ネット予約」が主流ではなく、電話で受付をして紙の予約台帳で管理をするのが一般的でしたが、『レストランボード』を推進したことがマーケット全体の変革にも一役買い、今やネット予約は当たり前に。そして現在は『Airレジ オーダー』でオーダー業務の当たり前も変わろうとしています。また、自分たちのビジネス自体も集客メディアによる販促支援だけでなく、今私が担当しているような業務支援も大きなテーマになっている。クライアントはもちろん、その先にある社会のあらゆる変化に柔軟に対応し価値提供していくことを大切にする環境だからこそ、個人としての成長機会が豊富だと思います。

上大迫:私も荒井さんの意見に近いですね。加えて、こうした大きな変革がボトムアップで起きているのもリクルートならでは。立場や組織の垣根を気にすることなく、「何をなすべきか」を最優先に考えられる環境だからこそ、現場で働く個人の意思やアイデアが尊重され、事業やマーケットに大きく影響するようなチャレンジへと発展しやすい環境なのだと感じます。

荒井:それは自分自身も感じていました。実は私、リクルートで働きはじめた当初は派遣社員だったのですが、その時代から上司は私の意見や提案に対して、「それいいね、どんどんやってみよう!」と応援してくれました。役職も役割も関係なく、新しいことにチャレンジする人を否定しない文化が私には面白く、私は正社員としてここで働き続けることを選びました。変化への耐性が強く、新しいことに前向きな人が集まっている会社だからこそ、私も上大迫さんや他のメンバーと一緒になって挑戦できている気がします。

上大迫:誰かの挑戦に対して、周囲が協力を惜しまないですよね。それは、みんなが誰かに助けられた経験をしていて、協力の連鎖反応が起きているからだとも思います。面識がない人でも相談を持ち掛ければ可能な限り時間を割いてくれるし、私自身もマーケットで起きている事実を知りたいときは、営業のみなさんがいつも快くヒアリングに協力してくれることに助けられています。だからこそ、誰かが自分を頼ってくれたときは相手の期待にちゃんと応えたい。仲間と協力しあう良い循環が生まれているからこそ、一人の力ではなく多様な個性を持つ仲間と一緒に大きなチャレンジができる。そんなチャンスが多い環境だと思います。

記載内容は取材当時のものです。

おすすめのインタビュー記事

to top