PEOPLE テクノロジー職 × 顧客接点職社員インタビュー
強固な顧客接点とテクノロジーの掛け合わせが
クライアントの真の課題を解決するプロダクトを生み出し、業界を変える。
テクノロジー職
データ推進室 販促領域データソリューション2ユニット(マリッジ&ファミリー・自動車・旅行)
マリッジ&ファミリー・自動車・旅行データソリューション部
旅行データソリューション2グループ
酒井悠亮
Yusuke Sakai
顧客接点職
旅行Division 営業1部 本部営業グループ 1チーム
増田千草
Chigusa Masuda
幅広い接点機会を活かすことで多方面から声を取り入れ、「三方よし」のプロダクトを作る。
ーふたりの業務内容と、仕事を通じて感じるリクルートらしさを教えてください。まずは営業職の増田さん、お願いします。
増田:入社をしてから、一貫してホテル・旅館への提案営業を担当しており、現在は主に大手ホテルチェーンを運営しているクライアントに対して、『じゃらんnet』を活用した集客最大化の提案をしています。広告だけではなく、クライアントの中長期計画達成に向けた業務サポートツールの導入や、人材課題への提案など幅広く伴走しています。
リクルートで営業を行う醍醐味の一つは、これまで構築してきた関係性を活かし、担当クライアントの経営陣から現場で働く方々まで、幅広い方と接点を持てることでしょうか。それぞれのプレイヤーが抱える課題感や働く喜びについて、第三者だからこそ教えてもらえることがあります。そういった多方面からの声を取り入れて、クライアントに提案ができるのは楽しいですね。
ーでは、酒井さんはいかがでしょうか。
酒井:僕は、入社して最初の1年間は美容事業でデータ活用施策やデータプロダクトのプロジェクトマネジメントを行っていました。その後、2022年から宿泊事業者向けSaaSプロダクトの新規開発を担当しています。
リクルートでは、プロダクトやサービスをつくるときに「三方よし」の観点を問われる場面が多いと思います。例えば、クライアントからの受注だけを見据えるのであれば、クライアントごとに異なる要望に対応するサービスを、クライアントの数だけつくればいいのかもしれません。けれども、果たしてそれはリクルートにとって、業界にとって最大価値を生むものなのか。個別最適化されたシステムが乱立し、将来的に技術的な負債にならないか、そもそも本当にやるべきなのかを意識し行動することを日常業務の中で問われる機会は多いですね。
部署を越え、お互いの強みを活かした。「One チーム」で難易度の高い課題に挑む。
ーふたりが協働したホテル業界へのDX推進について聞かせてください。取り組みが始まったきっかけは何でしょうか。
増田:始まりは2020年7月。某大手ホテルチェーンのクライアントとの雑談がきっかけでした。「社内で新しい取り組みが始まっているものの、何から進めていいのか分からない」とのこと。深くお話を伺うと、ホテルのDXを推進するプロジェクトであると分かりました。
お話を伺っていくうちに、当時社内でチャレンジしたいと会話していた、『レベニューアシスタント』の取り組みの一つに近いと感じ、サービス開発を担う酒井さんや関連する部署のメンバーに同席を依頼しました。
酒井:そうでしたね。クライアントの話を伺うと、ホテルの経営に関する意思決定のデータ化・デジタル化への課題感があると分かりました。我々としても『じゃらん』を通じた集客支援はもちろん、それを超えた価値提供をしたいと考えていましたから、なにか介在することでできることがあるのではないか、クライアントの期待に応えたい。そんな思いから、プロダクトの開発を一から行うことになりました。
増田:大手のホテルチェーン業界では、親会社、ホテル運営会社の経営層、チェーン本部、各ホテルの支配人・スタッフといったさまざまなステークホルダーが存在します。それぞれが叶えたいことや課題感を丁寧にヒアリングしていくと、ホテルの最重要指標であるレベニューマネジメント(ホテルの価格決定)をDXしたいということが分かりました。この業務はホテルの中でも、非常に難易度が高く、属人化しやすい業務の一つです。目的達成のために必要なのは、ホテルの価格決定の指標とプロセスを統一することと私たちは整理しました。
開発組織と営業組織の両方を持っているリクルートだからこそ、"システム"で"ホテル業界の不"にアプローチし、一気通貫してソリューションを提供できるのではないかと思ったんです。
ーエンジニアと営業の連携がスタート。お互いの役割や具体的な取り組み、苦労した点を教えてください。
増田:私の主な役割は、クライアントのさまざまなステークホルダーと接点を持ち、徹底した現場目線でまずは課題を知ること。そこから出てきた「こんなことをしたい」という声に対して、具体的なプロダクト開発を酒井さんが担当しました。
酒井:当時の僕は、美容事業の部署も兼務しており、旅行事業にアサインされて日も浅く知見が殆どなかったので、まずはホテルに常駐してクライアントを知ることから始めました。清掃、配膳、価格決定など現場で実際に業務を見学したり自分でも体験してみることで、クライアントの課題は何で、どんな機能があれば解決できそうかを、クライアントとしっかり擦り合わせながらかたちにしていきました。
このように、クライアント先に常駐し密にコミュニケーションをとり状況を把握することで、より良いプロダクト開発を行うための機会を得られたのも、良い関係性を構築していた増田さんのおかげです。
増田:クライアントはもちろん、今回のプロジェクトは複数部署合同で進行していたので、社内でのコミュニケーションも活発に行っていました。組織ごとに文化や価値観が異なる部分もありますから、目指すべき状態を擦り合わせながらチームが同じ視点を持って取り組んでいけるよう、組織間の相互理解に時間を費やしました。「誰に、何を、どのように」対応してほしいのかを明確にすることで、社内の関係部署とクライアントをスムーズに連携できたように思います。
また新しい取り組みなので、「開発したシステムにデータがうまく連携されない」「システム導入後にクライアント側で上手く活用ができない」といった予期せぬ問題も発生しましたが、関係部署や関連会社との密な連携を通じて解決方法を一緒に模索し、価値提供していくことができました。
酒井:一筋縄ではいかないことも多かったですが、クライアントからの反応をすぐに得られる環境だったので、介在価値を実感できましたね。特に、宿泊業界はまだIT化の白地が大きく、 宿泊事業者向けのSaaSは相性が良いと感じました。自分たちが社内で日常的に使っているツールやプロダクトを宿泊事業者向けに改良し、まだプロトタイプの段階でも大きな価値が出たのは良い発見でした。
増田:ホテル業界を長く担当しているからこそ、IT化が進まない状態に私自身も課題感を持っていました。例えば、ホテルの価格決定や報告レポートを作成するために、Excelによる集計作業に時間を割かれ、本来やりたいおもてなしに時間を使えない状況も伺っていました。ですが、今回の取り組みによって、新たに作ったプロダクトを活用していただくことで、属人化し工数を要していた価格決定の業務プロセスを進化させることができました。 価格決定は売上に直結しますので売上の向上に繋がりましたし、これまで価格決定に費やしていた時間を宿泊者に向き合う時間に転換させることも実現できました。
酒井:先方の部長から「早く帰れるようになったから、息子とゲームができるよ」と言葉をいただいたときは本当に嬉しかったですね。また、普段行う業務が効率化できただけではなく、浮いた工数をよりクリエイティブな仕事に投資できることができるようになったと伺っています。
増田:大変なこともありましたが、クライアントのゴールに向かってリクルート一丸となり、同じ目標に向かって進んでいく過程が何よりも楽しかったです。まるで毎日が、学生時代に仲間と文化祭を作り上げていった時のような気持ちを味わうかのようでした。
社会へ影響を与えられるリクルートだからこそ、ダイナミックな仕事を実現できる。
ー今回の取り組みを通じて、成長を感じたことや新たな気づきは何でしょうか。
酒井:社内の協働を促すために、自分自身の確固たる意志「WILL」を持って行動するのが重要であるということです。 リクルートはどの組織も核となる部分は同じですが、ユニットや部ごとに意思決定する上で重視していることが異なります。全組織の意見を最大公約数的に強引に取り入れたとしても、良いプロダクト・サービスにはならず中途半端で自己満足なものにしかならないと思います。
それは、クライアントとの協働においても同様です。単にユーザーの要望をそのまま全て取り入れるのではなく、業界全体により高い価値を提供する為に必要なものは何か、それによりリクルートにとってどのような価値をもたらすのか。クライアント、業界、リクルートの全てに対しての価値最大化を目指す観点を重視し、考えがブレなくなったと思っています。
増田:私はこれまで自分で解決できる幅において、クライアントの不の解消に向けて最大限提案をしてきました。しかし、今回の取り組みは、新たなプロダクトをさまざまなステークホルダーと作り上げていくもの。特に、プロジェクトが始まった2020年はコロナ禍によりホテル業界が大打撃を受けた時期。大変な状況下で変化することを意思決定したクライアントとともに、私も酒井さんはじめプロダクト作りに携わるみなさんと協働し、これまでの枠にとらわれずにクライアント課題を解決する必要があると強く実感しました。
ーリクルートだからこそできる、部署を横断した仕事の魅力は何でしょうか。
酒井:プロダクトへのフィードバックを豊富に得られることでしょうか。所属組織内はもちろんですが、それに閉じず、関連部署やクライアントからも頻度高くフィードバックを得られると思います。また、リクルートが保有する圧倒的な顧客接点力を活かし、クライアントの経営層からメンバー層までの幅広い声を取り入れながら、絶えず機能開発をできると感じています。エンジニアにとって、自分たちのアウトプットが本当に価値提供できているかの実感を持ちやすい環境だと思います。
増田:私も今回の取り組みを通じ、部署を超えた仕事をすることによりクライアントの経営課題に寄与できる機会が増えると強く感じました。
リクルートにはさまざまな分野に強みを持った部署が多く存在しています。自分の部署だけで解決が難しい事象も、他の部署と連携することで解決できたり、相乗効果でより良い施策を生み出していくこともできます。そのような取り組みが実現できるのも、さまざまな領域で専門性やマーケットシェアを持つリクルートだからこそだと思います。
酒井:リクルートが課題に対して、既存の枠に捉われず、「そもそも何を本当にやるべきなのか?」を徹底的に考えることを当たり前とする風土であるのも後押ししていると思います。数字やデータ、ロジックでは表現できない部分にも注意を払い、現場に足を運んで実際に自分も体験をしてみたり、腹を割ってユーザーと話してみたり、プロダクトを使う人のエモーショナルな側面にも触れるアプローチを大切にしています。
増田:そうですね。だからといって、自分ひとりで課題を解決することを求められるわけではありません。組織全体が自分ごととして向き合ってくれるいい意味で「お節介」な文化が根付いているので、安心して相談ができ取り組める環境があります。
ー今後、どのような挑戦をしていきたいですか。
酒井:旅行業界をより良くするためには、宿泊業務における課題だけではなく、人材採用・育成、施設開業の為の不動産選定など、多岐にわたる課題を解決していく必要があります。そして、さまざまな領域の事業を有するリクルート内で越境をすると、多くの課題解決のお手伝いができるはず。その環境の中で、自身の部署・業務に捉われず役割を超えた仕事をして最高のプロダクトを作ってきたいと思っています。
究極的には、社外のクライアントさえも巻き込んで、クライアントにとっても、リクルートにとっても、業界にとっても価値を発揮できるようなことにチャレンジしていきたいです。
増田:私も「営業」という役割に捉われずに、クライアントのあらゆるニーズを受け止められるようになりたいですね。そのために、さらに視野を広く、視座を高く持てるように成長していきたいです。振り返ると、旅行業界に携わってから9年が経ちました。これまで、クライアントから旅行業界について沢山教えていただき、それに向き合うことで提案力や課題解決力を高めてこられたと考えています。
コロナ禍を経て、旅行業界も転換期を迎えています。世の中の変化に合わせて挑戦を続けるクライアントと共に伴走していけるよう、これからも努力を重ねていきたいと思っています。
記載内容は取材当時のものです。