機械学習エンジニア 販促領域データソリューション1ユニット(住まい)
住まいデータソリューション部
住まいデータサイエンス1グループ
山畠 祥子 Shoko Yamahata

スピーディにサービス化できる体験を求め転職。
自分で決められるボトムアップの文化にも魅力を感じた。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか?

新卒で大手IT企業の研究所に入社し、機械学習(ML)に携わっていました。そこにも研究成果を事業側に提供し、商品に実装するスキームはあったものの、研究所と事業側が離れていたこともあり実現までに時間がかかっていました。自分が開発した技術をもっとスピーディーに商品に実装し、手触り感を持って世の中に出していく体験がしたいと考えるようになったのが、転職を考え始めたきっかけです。そこで、自社で技術開発からリリースまでスピード感を持って実現でき、しかもMLの開発に必須である、豊富なデータを持っていることを条件に転職活動をしていました。
その中でもリクルートに決めた理由は、一緒に仕事をすることになるマネージャーや更にその上長と面談を重ねる中で、いろいろなチャレンジができる環境だということを聞いたたためです。大規模な企業としては珍しくボトムアップ風土が根付いており、自分で決められる範囲が広いところが面白そうだと感じ、入社の決め手となりました。

MLを生かしたレコメンドでよりよい選択肢を提供。
ロジックだけでなくAPI実装、テストまで自らの手で行う。

現在の業務内容を教えてください。

私のチームは、ML技術を活用して『SUUMO』のレコメンデーションサービスを開発しています。『SUUMO』には数多くの物件情報が登録されています。単純に最寄り駅や家賃といった条件で検索すると、特に首都圏の場合は数千以上の大量の候補が出てきてしまいます。ユーザーがそのすべてをしらみつぶしに見ることはまずありませんし、最初の1ページ目に適切なものが出てこなければ離脱してしまう可能性もあります。
そこを補っているのがレコメンデーションです。『SUUMO』には「どんな条件で検索を行ったユーザーが、実際にどんな物件に問い合わせを行ったか」といった大量のデータが蓄積されています。その関係性をMLを用いて導き出し、新規ユーザーが物件を検索した時に「この物件を見た人は、こんな物件も見ています」と提案し、よりよい物件に出会えるよう選択肢を広げています。 これを実現するには単純な検索クエリだけでは不十分で、MLを用いて「いい感じ」のものを提案するロジックが必須です。実際、かなり多くのユーザーがレコメンドをきっかけに物件を問い合わせてくれており、万一でもレコメンデーションシステムが止まってしまうと、事業に与える影響は甚大です。そのため責任重大ですが、その分やりがいも大きいです。
その中で私たちは、ユーザー自身もまだ気づいていないニーズをとらえ、ロジックの改善を日々検討しています。いくつかの仮説に基づいてデータ分析を行い、評価と改善を経て十分な結果が得られるロジックが完成すれば、APIの形でサービスに実装し、ABテストまで自らの手で行います。つまり、上流から下流までを一貫して担当している形です。
また、MLのロジックそのものの開発に加え、MLプログラムをより効率的に開発し、実装するための環境も自分たちの手で整備してきました。私たちの開発するMLシステムはAWS上で動作しており、コードはGitLabで管理しています。新たなコードを書いたら自動的にテストが走るCIも取り入れ、モダンなの開発環境を整えてきました。これらの積み重ねによりどんどん短いサイクルで新たなロジックをリリースできるようになっており、「開発した技術をスピーディに世の中に出したい」という転職当初の思いも実現できています。

改善の積み重ねがユーザーからの反響につながる。
日々のプロセス改善も相まって、事業の成長を実感。

仕事の醍醐味ややりがいをどこに感じますか?

『SUUMO』ではユーザーが望む物件と出会えるよう、複数のチームがさまざまな側面からUI/UXの改善に日々取り組んでいます。私たちMLチームもその一つですが、事業インパクトの大きさを目の当たりにして、事業側からの期待も年々高まっており、それに応えるため業務の効率化にも取り組んでいます。
具体的には、チーム全体を見渡してプロセスに冗長なところがないか、案件を進めづらいところがないかを洗い出して改善してきました。そして、メンバーと話し合いながら新しい仕組みをスモールスタートで試し、改善効果があったものを全体に展開していく形で、開発・デプロイ環境や手順、ルールを徐々に整備してきました。この結果、改善のプロセスをより早く回せるようになり、入社した頃に比べて多くの案件に対応できるようになりました。自ら課題感を感じて改善していき、それがダイレクトに事業の成長につながっていることが一番うれしく、やりがいを感じている部分です。
リクルートは自由度が高い職場で、誰かが「こうしなさい」と指示をくれるわけではありません。そのため、入社直後は自分のミッションをどうこなしていけばいいかわからず、悩んだこともありました。
ですが、このスタイルに慣れていくと、その自由度がだんだんと面白みに変わっていきました。任された案件に対し、特定のやり方を押しつけられるのではなく、自分が「これだ!」と思ったやり方で進められるからです。
ボトムアップでアイディアを提案するので、反対意見にぶつかることもあります。しかし、「どうすればよりよくなるのか」と互いの意見をフラットに出し合いながら推進していくことで、自分自身も、チームのメンバーも納得感を得ながら仕事を進めることができています。「こうすればもっとよくなるのに」というもやもやを抱えながら業務に取り組むのではなく、自らの意見を発信し、周りを巻き込みながらも自分の力でどんどん現状を変えていけるのも、この職場の素晴らしいところだと思っています。

周囲の人に恵まれ、新たな自分へ一歩を踏み出す。
育児と両立しながら働ける環境も魅力。

リクルートで働く魅力はどんなところですか?

1つは、人に非常に恵まれていることです。リクルート社内にはML分野のエキスパートも多く、中にはKaggle GrandmasterやKaggle Masterも複数人在籍しています。過去、そのKaggle Masterも参加する分析レビュー会に参加した時には、私たちMLチームが作成したレコメンドロジックの癖をレビューしてもらい、さらに改善のためにパラメータチューニングのコツも教えてもらうことができ、非常に参考になりました。
もちろんチームのメンバーも非常に優秀です。新しい技術に対する感度が高く、私の知らない技術や知らないロジックを試し、成果を出していく姿を目の当たりにして私の方が勉強させてもらう場面が多々あります。こうした出会いを通じて、私自身も変化したように思います。元々は、私はどちらかというと保守的な人間で、全く新しいことをやるのは苦手なタイプでした。しかし、ある仲間の姿を間近で見て感銘を受けたんです。彼女は「技術的なハードルが高く、工数もかかるが、絶対に良くなるからやるべきだ」という強い意志を持ってさまざまな部署の関係者を巻き込み、新しい企画を実現していきました。その姿を見て、よりよい価値提供につながることであれば、初めから無理だと決めつけることなく追求すべきだと考えるようになりました。
もう1つ、制度面でも恵まれていると思います。私は一昨年から育児休暇を取り、昨年復帰してきたところです。自分の裁量に任されている部分が多々ある上に、働き方はほぼ完全にリモートワークなので、急な発熱などがあっても、柔軟に対応することができます。他にも育児と両立しながら働いている方がたくさんいるので、制度面でも、気持ちの面でもやりやすい環境ですね。

ますます高まるMLチームへの期待。
一定の品質で、素早くデリバリーできる体制作りを継続。

これから挑戦したいことを教えてください。

『SUUMO』というプロダクトの中でMLを生かしたレコメンデーションが寄与する部分は非常に大きく、さまざまな相談を受けるようになっています。こうした声に応えていくには、まだまだチームの中に非効率な部分があると考えています。これまでやってきたことを継続しつつも、そうした非効率な部分をどんどん撲滅し、誰もが品質を保ちながらなるべく速く新たなMLロジックをデリバリーできるようにしていきたいと考えています。それがより多くの案件を進め、ユーザーに届ける価値につながると考えています。

記載内容は取材当時のものです。

データ推進室の
特設ページはこちら

データとテクノロジーで社会価値を最大化せよ。

おすすめのインタビュー記事

to top