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小久保 彰博
ネイティブアプリエンジニア
関田 陸
ネイティブアプリエンジニア
小久保
『ホットペッパービューティー』のiOSエンジニアとして、アプリ開発をしています。最近までヘアカタログの検索導線を改善するという大型案件を、リーダーとして実施していました。現在は開発スピードを上げるための技術的な改善案件をふたつ進めています(技術的な改善案件についてはこちら)。
関田
同じく『ホットペッパービューティー』のiOSエンジニアです。入社2年目で、小久保さんと同じチームに所属しています。
小久保
僕は入社3年目で、昨年まで関田くんのメンターをしていました。
関田
現在はXcode16のアップデート対応を終え、Swift6のアップデートを主担当として行っています。この案件が終わり次第、小久保さん主担当のSwiftUI移行の案件にも参画する予定です。
小久保
僕はiOSエンジニアとして複数社の就業型インターンシップに参加したのですが、リクルートで配属されたチームの構成がすごく好印象で。まさに今と同じ『ホットペッパービューティー』のアプリチームなのですが、プロダクトマネジャー・デザイナー・エンジニア・QA(Quality Assurance/品質保証エンジニア)などの各職種が同じチームに在籍していて、縦割りの組織に比べサービスを磨き込みやすい環境でした。また、質問したら明瞭な答えが返ってくるという社風や、学生だからといって期待する水準を下げずにフィードバックをするところも肌に合いました。
関田
僕は小久保さんと違ってプログラミングは未経験ですが、パソコン1台でできる手軽さを魅力的に感じたことや、機械系の専攻出身でモノ作りに興味があったことから、ITエンジニアを志すようになりました。そこで未経験OKだったリクルートに応募したのですが、面接などを通じてボトムアップの文化に惹かれていき、入社を決めました。
関田
めちゃくちゃ大変でした(笑)。いろんな会議に招集されたものの、みんなの話が外国語みたいに聞こえて。時間が解決してくれるかと思いきや、時間はただいたずらに過ぎて。僕はチームメンバーの話が分からず、チームメンバーも「僕がちゃんとついてきているのか」が分からないという不透明な状態が、自分とチーム双方の生産性を奪っていると気がつきました。そこで「このままではいけない」と、会議を止めてでも不明点を聞くなどのアクションを起こすようになりました。
小久保
メンターとして見ていると、はじめ関田くんは自分ができていないことを隠しちゃうところがありました。だから「調子どう?」「今どんな感じ?」と積極的に声をかけていましたね。また、僕だけでなくチーム全体でサポートできるように、Working Out Loud(大声作業)を推奨していました(Working Out Loudについてはこちら)。 Slackチャンネルで「今日はこの作業をします」「ここで詰まっています」とスレッドにどんどん状況を出していくんです。すると僕以外のメンバーも、関田くんが困っていることに気づき次第サポートに入れるので。
関田
「分からない」ことを「分からない」と言うのは勇気が要りましたが、小久保さんをはじめチームメンバーに頼ってみると、嫌な顔をされるどころかむしろ歓迎されました。
小久保
ご機嫌な人と一緒に仕事をする方が楽しいですからね。それに、僕も入社したての頃、iOSには詳しくても、チームでの開発プロセスや美容業界のドメイン知識は分からないことだらけだったので。でも、どのSlackチャンネルで質問してもすぐに返信をもらえたり、プルリクエスト内のやりとりで周辺内容や背景知識を丁寧に教えてもらえたりと、手厚いサポートを受けました。助け合うことが文化になっているというか、世話焼きが多いんですよね(笑)。
関田
「聞かれると嬉しいよ」と言われたことさえありました(笑)。実際、分かりづらい点を共有すると、新規参画者にとって不親切なポイントを解消できるので、チームのためにもなります。そうしたことから「もっと等身大の自分を見せるべきだ」と感じて、自分を変えていくことができました。
小久保
僕だって未知の領域や苦手な分野で新しい技術を身につけるとなると、「分からない」状況を隠しちゃうような気もして。でも、そういうときこそ積極的に開示した方が、周囲のサポートやフィードバックを受けやすい。オープンで居続けようと改めて実感しました。
関田
毎日、日報を書いて内省していました。それから、小久保さんに毎日よもやま(テーマを決めずにざっくばらんに雑談する会)に付き合ってもらっていました(よもやまについてはこちら)。そこで1日の報告をしていると、「あれ、今日は何も進んでいないな」と気づくことが結構ありました。
小久保
そういうタイミングで、質問を投げかけていました。「どういうプロセスで作業を進めたのか?」 「どんな仮説に基づいてその作業をしたのか?」といった、振り返りの材料を探す問いですね。そうした「問いを立てる」という動作を見せることで、だんだん関田くんも内省するための問いを自分で立てられるようになっていったんじゃないかな。
関田
当時は「問い」よりも「答え」が欲しかったんですが、今にして思えば、自分で気づける人になれるようなアプローチを取ってもらえて良かったです。
小久保
「こうすればいいよ」と答えを教えてしまうと、その場では解決するものの成長がなく、 同じ問題にぶつかったとき、また同じ苦境に陥ってしまうかもしれません。関田くんが困っているとつい答えを教えてあげたくなるんですが、「魚をあげるのではなく、釣り方を教えるんだ」と常に自分に言い聞かせていました。
小久保
自分が何もできなかった時代に、想いを馳せることですね。僕だってアプリ開発を始めたばかりの頃は、Gitの初歩すらよく分かっていませんでした。プロジェクトファイル(project.pbxproj)のコンフリクトが起きたときなんて、試行錯誤するも解消できず、終いには勢いでファイルごと削除してしまって。そういう、いま考えればありえないことをたくさんしていたんです。でも、何も分かっていなかっただけで、あの頃の自分は最善を尽くしていた。だから関田くんと接するときも、「自分も通ってきた道なんだな」と共感するようにしていました。
関田
今の話を聞いて思い出したのは、「僕ってエンジニアに向いていないのでは」と悩んでいたときも、小久保さんは僕に期待してくれていたな、ということです。
小久保
高く期待をかける、勝手に限界を作らず背伸びをしてもらう、というのは心がけていました。そのうえで関田くんがストレッチゾーンとコンフォートゾーンのどちらにいるのか見極めつつ、成長につながる時間の過ごし方ができるようにサポートしていました。僕自身もそうやってチームのみんなに引っ張ってもらったので、今度は僕が関田くんを引っ張って、その成長を通じてチームにお返ししていけたらなと考えていました。
小久保
成長の速度には関与できても、成長の方向性は、僕がどうこう決めることではない気がするんです。関田くんの望むように成長してほしい。それに対して僕にできることがあれば何でもするよ、というスタンスですね。
関田
日々のなかで成長を実感するのは難しいですが、中長期のスパンで振り返ってみると、できることが着実に増えていると気づけます。成長を焦らず、あきらめないことが大事ですね。
小久保
僕も成長に関しては、短期ではなく中長期で捉えてほしくて。毎日「自分って成長できていないのでは?」と悶々とするよりは、いま目の前にある仕事を全力でやっていってほしいですね。
小久保
なんといっても関田くんにとって、エンジニアとしてスタートラインに立てたことは大きいですよね。
関田
例えばプルリクエストでいうと、レビュー内容を自力で理解できるようになりましたし、レビュアーも務められるようになりました。視野が広がり、チームメンバーのために可読性やメンテナンス性を意識してコードを書いたり、ユーザーへの影響範囲を考えながらコーディングやレビューをしたりもできるようになりました。『スマート支払い』の案件では十万人以上のユーザーが使うコードを書いたと知り、世の中に対するインパクトの大きさを実感しましたね(『スマート支払い』についてはこちら)。
小久保
スキルだけでなく、スタンスの面も成長しましたよね。チームに相談して頼る方法とか、行き詰まったとき自分で調べて突破する力とか。
関田
「どんな情報が必要か」「そのためにどんな調査をするべきか」が分かってきて、質問の仕方が格段に上手くなりました。そのおかげでXcode16のアップデート対応も、新たにビルド関連の知識が必要だったにもかかわらず、意外とできちゃいました(笑)。主担当にアサインしてもらえて、嬉しかったし有難かったです。リリース時の懸念点を考慮してリリース日程を調整するなど、ディレクターのような動きも体験できて、大きな学びになりました。これから行うSwift6のアップデート対応も工数の大きい重要な案件ですし、内容もホットなので、本当にワクワクしています!
関田
会社に費用を負担してもらって、iOSDCというカンファレンスに参加しました。他社のiOSエンジニアと技術スタックについて会話をすることで、改めて自社サービスの長所・短所を実感できました。他社の同期エンジニアと出会うきっかけにもなって、それから毎月ご飯を食べたり勉強会をしたりと、モチベーションやスキルの向上につながっています。
小久保
iOSDCには僕も参加して、ライトニングトークをしたりパネルを出したりしました。当日に社外の方々と交流するだけでなく、その準備を通じて社内の人からもたくさんのフィードバックをもらい、とても良い機会になりました(ライトニングトークの内容はこちら)。
関田
社内だと、横のつながりも有難いですよね。僕の代だとエンジニア同期は30人ほどいるんですが、みんな技術力が高いですし、それぞれ得意分野を持っています。
小久保
エンジニアだけでなく他の職種の同期もいて、みんな活動的にそれぞれの場所で挑戦していて刺激になりますよね。また同期に限らず、さまざまなキャリアの人がいますし、プロダクトも多種多様なので、ひとつの会社のなかでも自分の知らない世界が広がっている感じがします。
関田
プライベートでアプリを作ったり、技術力のある人ともくもく会(複数人で黙々とプログラミングをする会)をしたりしています。
小久保
まずは場所を問わずコードを書くのが大事ですよね。
関田
業務とは違った学びを得られることもありますよね。『ホットペッパービューティー』では既存サービスをいっそう成長させることを学びつつ、個人開発では新規サービスの立ち上げを体感するというふうに。
小久保
たしかに、個人開発の経験が業務にも活きることは多いですね。僕が今やっているSwiftUI移行案件も、個人開発でSwiftUIを使っていたおかげで、スムーズに軌道に乗せることができました。でもやっぱり個人開発は、スキルアップのためというよりは、ただもう楽しいからやっている。趣味というか、もはやライフワークですね。
関田
自分の意志を常に持っている人。リクルートは「やりたいこと」を尊重してくれる会社なので、おすすめです。
小久保
そうした自分の「やりたい」という想いとセットで、「なぜやりたいのか」も説明できると仕事しやすいです。目的や理由を重視する組織風土なので。それに、「なぜこの案件をするんだろう」「なぜこういう戦略を取るんだろう」といったチームの意思決定の理由を理解できると、プロダクトの方向性に合ったアイデアが出てきて周りの協力も得やすくなります。だから、「なぜ」という問いに真摯に向き合える人には合っているんじゃないかな。
小久保
できない理由を探すより、どうすればできるのかを考える。 そういうガッツや勢いのある人だと素敵ですよね。
関田
目をキラキラさせている人と一緒に働けたら嬉しいですよね。無邪気に目を輝かせながらコードを書き、技術を追求している姿を見ると、僕も「あれ、今の僕って貪欲に取り組めているかな?」と感じて、初心を思い出せるんです。
小久保
そうやって自分よりも若い世代から学ぶことが、エンジニアをやっていくうえでは大切ですよね。僕も後輩から学ばせてもらいながら、これからも成長していけたらなと思います。
関田さん:ブルーライトカットメガネ
メガネをかけることでスイッチのオン・オフができて、メリハリをつけられます。もともとは目を大切にしようと購入しましたが、効果がイマイチ分からず、最近は前髪が目に入ることを避けるために使用しています(笑)。
小久保さん:紙とペン
小さい頃から紙とペンで育ち、紙の上でペンを走らせないと深く考えられない体になってしまいました。没入したいときはMacBookを閉じて紙とペンで思考を整理します。デジタルツールにはない直感的なところが気に入っています。