主体者となって正解のない問いを解決するリクルートのおもしろさ
2019年に入社し、プロダクトグロースコースでさまざまな経験を積んでいる伊津野咲、牛島菜々、西村美律希。バックグラウンドや興味関心が違うそれぞれが、リクルートで日々どのように働き、成長しているのか、若手社員の3人に話を聞いた。
2019年に入社し、プロダクトグロースコースでさまざまな経験を積んでいる伊津野咲、牛島菜々、西村美律希。バックグラウンドや興味関心が違うそれぞれが、リクルートで日々どのように働き、成長しているのか、若手社員の3人に話を聞いた。
伊津野 咲
プロダクトグロース
UXディレクター
牛島 菜々
プロダクトグロース
UXディレクター
西村 美律希
プロダクトグロース
マーケター
伊津野
現在『ゼクシィ』で、オンライン接客機能を提供することによってブライダル業界にオンライン活用を浸透させることに取り組んでいます。これまでブライダル業界では、オンラインよりもリアルでの接客が主流となっていました。反面、式場探しは、1会場あたり3時間程度かかり、複数の会場をみる場合、移動時間も含めるとさらに長時間となってくることが課題のひとつでした。コロナ禍で外出を自粛するなど、人々が過ごす環境は大きく変化しています。なので、今こそ業界に変化を起こせるチャンスだと思って取り組んでいる最中です。新しい結婚式場の検討方法を新たに浸透させるというのは、やっぱりやりがいが大きいですし、時代の流れ・カスタマーの価値観/インサイトの変化を汲み取りながら世の中で常に求められるサービスに進化させていく役割を担えているんだと感じます。そのインパクトの大きさや、今まで誰もやれてこなかった難易度の高さというところにわくわくしながら仕事をしています。
牛島
現在は、UXディレクターとして『カーセンサー』のWebサイトやアプリをより使いやすいものにするよう日々改善案を検討し実行、振り返りをしています。私がやっているUXディレクターというのは、人が「何に、何をどう感じるのか」を考えた上で、「何をすればどう動くのか」を追求していくような仕事です。そのため、まずは仮説を立てて、それに対して直接人に話を聞きに行ったり、データを通して人の動きを確認したりして調査を行います。その過程の中で、仮説が正しかったとか、間違っていたというところを深掘りしていって、最終的にカスタマーに価値を作っていくということが、この仕事の醍醐味なのかな、と。
最近感じた手応えというと、例えば『カーセンサー』のカスタマーは、サービス自体のファンの方も多くて、何かプロダクトに変更があるとSNSに「ここが変わった」と画面のスクリーンショットをアップしてくださったり、変わったことに反応してくださるんです。そこで自分がやったことの反応が見られることは、やっぱりうれしいですね。
とはいえ「良かった」「良くなかった」という反応は比較的簡単に見えるものの、「なぜ良かったのか」というところに辿り着くには深い考察が必要です。その際、足りない部分を定性調査して補足をしないと解釈しきれないこともあるので、良し悪しを理解するのはちょっと難しいところでもあります。
西村
私はマーケティングの部署で、『ホットペッパービューティー』のサイトのSEOを担当しています。おもしろさとしては、マーケティングという職種ならではだと思うのですが、検索の数値や動向からカスタマーに今何が求められているのかがわかるところですね。例えば、コロナ禍で「リラク」の検索数がすごく上がるんです。自宅での作業が続いて、たぶん腰が痛くなるからですよね。そうやって今、何がマーケットで求められているのかがリアルタイムで分かり、それに応えていけるところにおもしろみがあるのかなと思ってます。
あとは、クライアントとお話をしていて、「サロンのお客さんをどれだけ呼べるかという集客に関しては、マーケティングも重要なんだ」ということを肌感として持てたので、今はそれが大きなやりがいになっているとも思います。
この仕事をしてからはじめて知ったのですが、ヘアサロンは比較的路面店にあることが多い一方、ネイルサロンの場合はマンションの一室だったり、街を歩いてても気づかないような場所でやっているケースが多いんです。でも、『ホットペッパービューティー』を通じて、そういったサロンを一人でも多くのカスタマーにご案内することができる。そのために試行錯誤するのが楽しいです。
西村
リクルートはクライアントへの送客の対価を頂いていますが、マーケターとして「最終的にクライアントのためになることがきちんとカスタマーのためになるのか。両者のためになっているのか」ということは常に見据えるようにしています。また、壁にぶつかった際は、「最終的に何をなし得ることがクライアントとカスタマーのためになるのか?」という原点に立ち返って考えるようにしています。例えば、たまにいくら予測をしても求めている数値が出てこないということがあるんです。そういう時も一歩引いて考えてみると「数値がこういう結果になっていたとして、求めているゴールはこれだから、別のやり方を考えればいい」というように修正ができるんです。
そういう考え方を身につけたのは、大学時代の部活動での経験が大きかったと思ってます。バスケ部のマネージャーをやっていて、「チームの目標に辿り着くことさえできれば、そこに到達するためのHowは何だって良い」ということをずっと考えていまして。部活で何度も失敗しながら身につけたものが、今に生きているのかなと思います。
牛島
私は、事実をもとに正しく議論するということを意識しています。以前、商品のリニューアル案件を担当していましたが、カスタマー観点だけではすべてを決められず、クライアント観点を持つ営業側の役員なども含め、多方面の関係性を意識して物事を考えていく必要がありました。でも、いざそれぞれの人から意見をもらうと、現場の実態や事実とそれぞれの考えや認識が大きくズレていることも多くあって。
そこで、根拠となるファクトを丁寧に集めて、それを役員も含めステークホルダー全員にインプットし、情報量や目線を合わせ、その上で議論する場を作りました。各人の認識や経験による偏りがある状態ではなく、リアルで正しい情報をもとに議論をするためにも、担当の自分が一番詳しくなるように意識しています。
もちろん、役員などレイヤーが上の人に対しても認識のズレは指摘しますし、緊張感があるバチッとした雰囲気になる瞬間もあります。でも、この会社には「ビジネス上の議論で出た意見はちゃんと受け止める」という良い文化があるので、議論の後に役員からも「菜々ちゃん、今日は熱かったね」「いい議論だったね」と言われることが多いんです。「あの時指摘された部分を再確認したら、自分の情報が間違っていた。ありがとう」とも言われたりして。正しいアウトプットを作っていくためにも、自分の意思を信じて主張することも必要だと感じる場面がありました。
伊津野
私の組織の場合、データを取りに行ける基盤が整っているので、新しいプロジェクトの導入につまづいた時、その要因を解明しに行けるのは私たち自身しかないということがけっこうあるんです。そのため、例えばそのデータの存在に私が気づかなかったり、うまく解釈できなかったりすると、プロジェクト全体が止まってしまう可能性があります。そういうことを防ぎハードルを一つひとつ越えていくためにも、「こういうデータ持ってますか?」と自分でしっかり全方位から情報を集めて、「こんなデータあると思わなかった」というところまで徹底的に取りにいきます。
あと、営業組織の人と話をする際、菜々ちゃんと同じで、口伝の中で情報がズレてくることもあるので、誰か一人にまとめて聞くのではなく営業の各個人が何を思ってるかを直接聞きに行って、「この話はあのデータと結び付いてるのか」と自分の中で整理して考えるということをしています。
伊津野
先ほどブライダル業界でオンラインの活用を進めているという話をしましたが、まさに今壁と戦っている感じですね。世の中にまだない習慣を作るために、マーケットのニーズを正しく捉え、ハードルをとりのぞいてくことの難易度の高さと、開発規模や期待の大きさからくるプレッシャーは大きいです。でも、今の時代だからこそ、マーケット全体にある価値観の変化を捉えて新しいものを作ることにチャレンジできるし、主担当として意志を持って戦えることがある。まだまだこれからのミッションなので特別何かに大きな失敗があったわけではないんですけど、マーケットの習慣を新しくしていくことの難しさは常に感じています。オンラインでの相談が当たり前になる世界を目指して、「オンライン化することでどんなハードルが生じるのか」をクリアするためにデータを集めたり、いろんな人に話を聞きに行ったりしている最中ですね。
牛島
私の場合は、さっきお話した広告商品のリニューアルが一番の壁でしたね。ある時、その商品がカスタマーやクライアント、事業の誰にとっても嬉しくない状態になってしまって、「それをどうにかしよう」というミッションだったんです。
その時にやったことは、課題が「この状況をどうにかする」という漠然としたものだったので、まずカスタマー、クライアント、事業それぞれが何を課題として感じてるのかを具体的に把握しにいきました。例えば営業現場の人たちに「実際、どんなふうに営業していますか」というようなことをちゃんと聞きに行って、その情報を議論する人たちにインプットして、新しい方向性を切り開いていきました。またカスタマー側にも仮説を立てた上でインタビューをおこなったりしますし、冒頭お伝えしたSNSの反応などは、botを組んでチームのチャットツールにリアルタイムで反応が流れてくるようにしています。
やっぱり、ニーズや課題の解像度を高めきれていないのに設計したりすると、後々それが引き金になって、誰かが困ってしまうこともあるんです。だから、全員の課題感を把握した上で、ちゃんと価値あるものになるというのを目指していくのがすごく重要だな、と。
西村
私もスタートの目的がふわっとした施策を推進したときですね。「トレンド予測をやりたいね」程度の自由度の高い案件を任されたんです。トレンドって観点もキーワードも有象無象で、日々新しいキーワードも生まれてくる。また、これまではトレンドの発見は属人的で対策もあまりとれていませんでした。そのため、みんな「トレンドとは何ぞや」というところから共通解がない状態。問いも正解も誰もわからないので、仮に何かを言ったとしても「それって、本当なの?」という壁にぶつかる。
どう乗り越えたかというと、先ほどの大事にしてたことがベースになるのですが、「クライアントへの貢献のために、きちんとカスタマーに対しての価値を生めているか。両者のためになっているのか」という視点で施策の目的から自分で意志を持ち決めていくこと。カスタマーにサロンを予約してもらい、クライアントに価値を届けるためには、カスタマーが検索するようなトレンドを前提に考えないといけないわけです。そのため、カスタマーへのヒアリングを通して「どうトレンドが生まれているのか」を確かめ、盤石に予測ロジックを組んでいきました。「トレンドはカスタマー起点で」というのを固められたのが壁を乗り越えた瞬間でしたね。結果、流行する以前にトレンドを掴み、クライアントと対策をした上で、カスタマーがカタログを閲覧できる世界を実現しました。
伊津野
仕事をしていて、正解がある問いやお題を投げられることって、ほとんどないですね。誰もわからないことを渡されて、それを追いかけ続けるような毎日。
牛島
先輩の言葉ですごく納得したことがあったんですが、「私たちの仕事は、最適解を作ることだ」と。正解は何かわからないけど、それでもスピード感を持ってやらなければいけないことってたくさんあるじゃないですか。そういう時も含めて、できる範囲で一番の最適解を考えて、作りにいくこと。それって、リクルートの人はみんな同じ意識を持ってるんだろうなって思います。
牛島
とにかく情報を集めてたら自然に見えてくるという感じはある気がします。あとは、自分の中で行き詰まっていると、周りが助言をくれたりするので、そこで救われることもありますね。
西村
私は開発の案件が多いからなんだと思うんですが、現場にはマーケターの代表として私が出ていて、クライアントサイドやUXサイドからもそれぞれ代表が出ていて、その一人ひとりがそれぞれまったく別の正義を持っていたりするんです。そのため議論になると、それぞれが目指す正義でもって「ここはこう思うから」「ここはこうじゃないといけないから」というような話をするんです。
そういう状況を見ていると、正解こそ何だかわからないですが、少なくとも自分はマーケターとしてこういう役割を持っているから、こういうことを目指さないといけないという自分なりの回答は見えてくるんですよね。だから、「何が正解か」ではなくて「自分は何のためにがんばるのか」「何のために仕事するのか」を軸に持論を持って主張しないといけないんだとは思いました。
伊津野
私も同じで、主体者として持論を持つようにしています。何も答えを持っているわけではないのに、ただこの案件を担当しているからという理由で、それこそ役員などから「伊津野さんはどう思うの?」ということをよく聞かれるんです。私が一番答えを知っていなければいけない、という役割への期待が常にあるため、いろいろとインプットして持論が持てるように理解しておかなければいけないんです。1年目であっても関係なく、「周りからそういう役割を求められてるんだな」というのも理解できるようになってきました。
牛島
「君はどうしたいの?」は、リクルートならではの口癖だよね。
西村
はじめて聞かれた時、「噂に聞いてたのはこれか」と思った(笑)。直接的じゃないにせよ、「君はどう思うの?」というニュアンスのことはよく言われます。
伊津野
例えば二つの案を出していたりして、その際に「どっちも良い筋だと思うけど、結局君がどっちをやりたいかじゃない?」と言われるというような感じだよね。だから、そういうときのために、ちゃんと持論を持って説明ができるようには常にしてるよね。
西村
意志はどっちみたいな(笑)。
牛島
結構大事な局面とかではそうだよね(笑)。
でも、こうやって話を聞いていると、自分の意見を胸に閉じ込めたままにして、嫌な気持ちになるというのはあんまりないよね。ちゃんと自分の考えを喋らせてくれる環境があるから。それによって議論もできるし、その点はすごくリクルートのいいところだなとは思います。
牛島
いろいろバランスを見ながらではありますけど、基本的にリクルートは不満、不便、不安といった「不」の解決というのを大切にするカルチャーがあるじゃないですか。将来的には本当に価値を届けたい人とか、この人を救いたいって人をプロダクトで救うことにコミットしたいという気持ちが強かったのでこの会社を選びました。
西村
私はこの会社が作る文化や理念がすごくフィットしたので入社を決めました。当事者意識もそうですし、起業家精神もそうですし。何をやりたいかというのにあまりこだわりはなかったのですが、どうありたいか、どういう環境なら自分の主体性を出していけるかというのが大事でした。面接など多くの社員の方と話したのですが、その中で自分が組織を作る時に大切にしていたものを、会社として大切にしているように感じました。それがものすごく自分にピッタリだったんです。
伊津野
私は社会課題や事業価値よりも先にお金が来るような会社には行きたくなかったんです。そういう意味で「カスタマーを見る。クライアントを見る。その人たちのためにできることをやる。」というスタンスの会社であることが、ものすごく刺さりました。
あとは、インパクトの大きさを大事にしていて、ここが一番大きく世の中を動かせそう、と思いました。今の時代自分でやろうと思えばいくらでもできる世の中になってきてると思うんです。でも、その中で小さく始めるよりも、広く大きく何かを生み出すときに持っていなければいけない力を身につけておく方が今は重要かな、と。そういう意味では、リクルートでは自ら世の中を動かし社会にとって意味があることを実現しながら、必要なサポートは受けながら自分の血肉にしていくことができます。そういうことが、社員の方とお話をする中でわかっていったので、入社することに決めました。
西村
ライフイベントとしては、子どもを産みたいなと思っています。将来的には3人くらいほしいので(笑)、1人目を5年後までには産みたいな、と。たまたまですが、仕事上お子さんを育てながらお仕事されている方と接する機会も多く、今のところ現実味は全然あるなと感じていますね。
自分の母がそうだったこともあるんですが、子どもを育てながら働き続けたいと思っているので、時間の使い方を工夫しつつ、プライベートとの両立をがんばっていきたいです。やっぱりこの会社が好きなのでこの仕事を続けたまま、今の職種だけでなく広く染み出してリーダー任用なども挑戦していければと思っています。
伊津野
自分の関心領域でより多くの人の助けとなる仕事をしていたいです。まだまだぼんやりしていますが、例えば、家族心理学の観点から衣食住の「住」に変化をもたらすことができればいいな、と。少しずつ心から必要だと思える世の中の変化、助けたい人をクリアにしていってそれに全力で取り組んでいる5年後でありたいなと思います。
きっとその間には、個人として結婚や出産のタイミングもあるかもしれません。その結果、働くことを一時中断することもあるとは思いますが、それぞれのライフイベントが自分の考え方をアップデートすることや新しいアイデアにつながるなどプラスの影響もあると思うので、あまりガチガチにライフプランを立てるというよりは、うまくその時々でパズルが組み合わさっていくといいなと考えています。
牛島
私はさっきもお伝えしたビジョンが共感できるものづくりに貢献できるようになって、打ち込みたいと思っているので、そこを目指すにあたって、どのフェーズにあっても自分がグロースできるような状態になってる必要があると思っています。この会社では様々なフェーズのプロダクトがあるので、知識と経験を積みながら目指してる方向に上っていけたらいいですね。現時点では5年後、10年後はグロースリーダー、PdM的なポジションで活躍できればいいなと思っています。自分の関心が現時点では、「どんな価値をどうやって届ければエンドユーザーに刺さるか」というところなので、引き続き今の職種の延長線にあるようなプロダクト、サービスにコミットする職種でより裁量が大きい仕事ができればと思っています。
ライフプランに関しては、正直あまり設計をしていません。川下り的にというか、自然な流れに身を任せようと思っています。