障がいの有無に関係なく
チャレンジできる環境だからこそ、
安心して自分の全力をぶつけられる

小田 麓人事

  1. 学生時代

    長期インターシップに参加し、デフ(Deaf/deaf≒ろう・難聴、聴覚に障がいのある方) の子どもたちに向けた取り組みの責任者として全力で奮闘。

  2. 1年目~2年目(現在)※2024年時点

    人事企画として、人事基幹制度における課題特定、解決方針の検討。
    人材の多様化推進も担当し、学生のキャリア支援に向けた戦略設計や企画運営を担う。

リクルートを選んだ理由
本音で「個」に向きあい、一緒に最適解をつくりあげていくスタンスに惹かれた

私は生まれつき聴覚に障がいがあり、耳がほとんど聞こえません。小学生の時は、デフと聴者が一緒に学ぶ学校に通っており、手話で皆とコミュニケーションを取りながら楽しく過ごしていました。しかし、中学高校では周りに手話を覚えている人がほとんどおらず、言いたいことが言えないもどかしさ、やりたいことができないモヤモヤを抱えていた時期があります。

そんな中、転機となったのは大学時代の長期インターンシップでの経験でした。そこで、自分の力を120%出し切ることができたことに強い喜びを感じ、社会人になったら全力で仕事に向き合える環境で働き、成長したいと思うようになったのです。就職活動中は、障がいによって仕事の範囲が制限されないことや、障がいの有無に関わらずフラットに自分を評価して仕事にチャレンジさせてくれる環境を求めていました。ただ、私が聴者の人たちと一緒に働くには、コミュニケーションの取り方などの面で配慮が必要になることもあります。

「障がいの有無に関わらず常に成長できる仕事のチャンスがある」と「合理的配慮*1があり、安心できる」のふたつが揃っている環境は、なかなか見つかりませんでした。そんな時に思い出したのが、長期インターンシップをしていた会社の仕事で関わった元リクルート社員の存在。目を輝かせながら難易度の高い仕事に取り組む様子が印象的で、「あの人が働いていた会社なら、自分も同じように成長できるのではないか」と思ったのです。
*1合理的配慮:障がいのある人から、社会のなかにあるバリアを取り除くための対応を必要としているとの意思が伝えられた時に、負担が重過ぎない範囲で対応すること(内閣府リーフレット「『合理的配慮』を知っていますか?」より引用)
早速、採用サイトからエントリーしたものの、当時は応募条件や選考情報には合理的配慮に関する記載がなく*2、受け入れてもらえるかはよく分かりませんでした。そこで、面接前に自ら自身の特性を打ち明け、配慮の必要性について相談してみたところ、チャット機能を活用したオンライン面接に切り替えてもらえることになり、対応の柔軟さに驚きました。

また、面談をしていただいた役員から、「株式会社リクルートはまだ障がい者雇用を推進し始めたばかりで十分な配慮を小田さんにできるとは言い切れない。ただ、そんな状況を一緒に楽しみながら、リクルート、ひいては日本の障がい者雇用を小田さんと変えていけたら嬉しい」と現状を正直に伝えられたことも、信頼感が高まりました。
*2現在は選考エントリー時、必要に応じて、希望する配慮事項について記載できるようアップデートしております。
その後、入社前に会社を訪問して、先輩社員とランチを食べていたときのことです。音声認識ツールが上手く使えない瞬間がありましたが、その時も先輩たちは「どうやったらこの問題を解決できるのか?」と課題解決に向けた議論を始め、一緒に試行錯誤してくれました。それを見て、どうやったらよりよくなるのか、課題解決に一緒に取り組める環境がリクルートにはあると確信しました。

こうした経験が、最終的にリクルートへの入社を決断した決め手に。障がいの有無に関わらず仕事に向き合い、成長し続けられる環境があり、5年後10年後の自分の姿が、一番未知数だったことにワクワクしたのです。

私が感じたリクルートのカルチャー
変化にポジティブで既成概念にとらわれない。

現在の私は、コミュニケーションを取る時、全社共通の会議システムに備わっている文字起こし機能やスマートフォンの文字起こしアプリ等を活用しています。会社としてかっちりと一律のルールを引くというよりは、自身の障がいを開示するかどうかも含めて一人ひとりと対話を重ね、本人の特性や希望を考慮しつつ、実際に試しながら最善のやり方を模索し、すりあわせていくところが、リクルートらしい合理的配慮のやり方だなと感じます。

もちろん、環境や状況によっては上手く音声認識がされなかったり、多人数の会議などでは誰が話しているのか分からなくなってしまったりといった不具合もゼロではありません。そうしたことが起きても、周囲は自分を置き去りにすることなく改善策を一緒に考えてくれます。例えば「話す時は集音マイクを話者の近くに置く」といった工夫を自然に重ねていく雰囲気があるので、今後もさらに改善していけるはずだと思っています。

ただこれは、障がいがあるからという理由で特別な配慮をしているというよりも、社員一人ひとりの個性を最大限引き出すための働きかけのように感じます。一人ひとりの個性を受け止め、それぞれの強みをかけ合わせながら大きな価値を生み出していくことがリクルート流の仕事の仕方なのです。

そんな環境の中で私自身が発揮したい強みは、「言語化力」。学生時代、伝えたいことを十分に伝えられないもどかしさを経験してきたからこそ、自分の意見や想いを相手に伝える言葉を磨いてきました。また、聴者とミスコミュニケーションが起きないように、「今の話は○○で合っているよね?」「要は○○ということだよね」と認識のすり合わせにもこだわってきました。そうした自分の得意を活かして仕事に向き合うことを歓迎してくれるのが、リクルートらしいカルチャーだと思います。

リクルートらしい「機会」
入社1年目から人事制度の企画に携わり、新たな学生のキャリア支援イベントの企画・運営にも挑戦

私は入社以来、「人事企画」と「新卒採用」というふたつの部署に所属しています。人事企画は、報酬・評価・等級といったリクルートの全従業員に関わる人事基幹制度や、兼業・フレキシブル休日など"多様な働き方”を支援する制度の検討を行う部署で、兼業の制度整理や制度改定の影響調査などのテーマを担当してきました。

一方の新卒採用では、障がいのある学生や配慮が必要な学生にも障がいの有無に関わらず活躍できる環境があるということを知ってもらい、キャリアの幅を広げてもらうためのイベントを企画・運営。株式会社リクルートでは私が入社した2023年度から初めて実施するイベントであったため、障がいのある学生や配慮が必要な学生のマーケットの規模やニーズの調査から、どんなことを支援することができるのかという全体の戦略立案、具体的な施策の提案から運営までを、チームで一緒にゼロから作り上げていきました。

私はもともと「ゼロからイチをつくる仕事」に興味があったので、これらの仕事自体は魅力的に感じました。とはいえ当時社会人なりたてだった私には荷が重いと感じてしまったのも事実です。自分の実力以上の仕事がいきなり目の前に現れ、気後れしていた時期があります。例えば、隣の部署に協力を依頼したくても、自分がどう思われるのかが不安で自分から連絡できず、議論の場でも自分の意見が間違っていたらどうしようと、積極的に発言できていませんでした。

そんな私に対して、週1回実施していた1on1(よもやま)でリーダーやマネジャーがかけてくれた言葉が転機になりました。「意見を伝えることに経験や年次は関係ない。あなたの率直な考えや想いで議論が深まることもあるよ。」と言ってくれたのです。また、周囲への相談を躊躇している背景にまで目を向けたので、「相談内容を相手に正しく伝える自信がないから不安を感じている」という自分の気持ちにも気づくことができました。「それなら、相談を持ち込む前に論点を整理して自分自身はどうしたいのかを明確に伝えると議論が進みやすいよ」と具体的にアドバイスをしてくれました。

振り返ってみると、今の役割を任されたばかりの頃の私は、失敗するのが怖くて主体的に動けなくなっていたのだと思います。でも、先輩たちは私を信じて見守ってくれた。身の丈以上の機会にチャレンジしているメンバーを心から応援してくれる人たちがリクルートには多いからこそ、今の私は難易度の高い仕事にも前向きにチャレンジを続けられている気がします。

機会を得るための「マイルール」
目の前の機会に全力で臨む。価値の創造から逃げずにフィードバックをもらう

私が自分らしく成長できる機会を得るために意識しているのは、「まずは目の前の仕事に全力で取り組み、やりきる」こと。仕事を通して信頼の輪を広げていくことで、「難易度の高い仕事だけど、小田さんに任せてみよう」と名前の挙がる人になれたら、結果的に前例のない取り組みなど新たな機会がやってくるはずだからです。

また、自身の成長やより良い価値を生み出すことから逃げずに、フィードバックを積極的に求めることも意識しています。「今回の仕事において、自分の何が良かったのか、さらに良くするにはどうするべきか」を、リーダーやマネジャーと会話する時間を大切にしています。その中で、「中長期でやりたいことやありたい姿を実現するために、どんなスキルをもっと磨けば良いか」も会話。こうした対話を繰り返すことで、私に必要な次なるチャレンジのイメージを周囲と共有することができ、自分が望む機会を得ることにもつながると思っています。

今後のビジョン
自分が関わることで、人生が変わったと思ってもらえるような仕事がしたい

私は、いつか自分の人生の最期を迎えるとき、お葬式で100人が「小田さんのおかげで人生が変わった」と話してくれるような人になりたいです。10代の頃は、自分にも社会にもあまり期待しないように過ごしていた時期もありました。でも、大学時代の友人との出会いの中で「きみのおかげで価値観が変わった、ありがとう」と言われ、自分の人生には意味がある、と思えるようになりました。

だからこそ、たくさんの人にポジティブな影響を与えられるような力を、仕事を通して磨いていきたいです。そのためにも今後こだわりたいのは、人や物事の本質を突くような問いを立てることと、多様な個人に向きあうこと。障がいの有無に関わらずフラットに一人ひとりの強みやらしさを尊重し、期待してくれるリクルートで、これらの力を向上させていくのが、私の今の目標です。