「外食の値上げ感じる」は60%、コスト高に一定の理解 平均的と思う価格は「牛丼・牛めし」422円、「ラーメン」650円 「プレミアムメニュー」には36%が興味あり
2015年09月17日
株式会社リクルートライフスタイル
株式会社リクルートライフスタイル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:淺野健)に設置された「食」に関する調査・研究機関「ホットペッパー グルメ リサーチセンター」は、外食産業における人件費や原材料費の高騰に伴う昨今の価格改定やプレミアムメニュー投入について、カスタマーの受容性やニーズに関するアンケートを実施しました。その動向を発表いたします。
要約
■「外食の値上げ感じる」は60%、ただし、コスト高には一定の理解値段より内容にこだわり
→「外食の値上がりを感じる」は60% 。
「外食の値上がりは感じない」 の16% を大きく上回る。
→「原材料費や人件費の上昇を考えると値上げはやむを得ない」は48%。
「外食では高くても内容のいいものを食べたい」 が35%。
→平均的と思う値段は「牛丼・牛めし」422円、「ラーメン」650円 。
ワンランク上だと「牛丼・牛めし」627円、「ラーメン」903円が妥当額 。
■プレミアムメニューには36%が「興味ある」
→過去1年で「小売店でのプレミアム商品の購入」をした人は22% 。
→今後の興味は、「外食のプレミアムメニューの注文」が最多の36%。
→女性20・30歳代は「小売店でのプレミアム商品購入」「具のトッピング」、
男性20・30歳代は「外食店の高い新メニュー注文」「大盛り」志向。
■「プレミアム」は女性に人気。「高級・希少な原材料」のイメージ
→「プレミアム」を感じる外食メニューの要素、最多は「高級・希少な原材料(51%)」、
2番目は「季節限定(44%)」、3番目は「ブランド食材の使用(40%)」 。
1.60%が「外食の値上げ感じる」と回答するも、
コスト高には一定の理解値段より内容にこだわる傾向
このところ、ファストフードなどを中心に、原材料費や人件費の高騰を背景に値上げのニュースが多いが、消費者はどのように実感し、どのような内容の外食を求めているかについてアンケートをおこなった。値上げについては、「値上がりを感じる」が60% (近い・やや近い計、以下同)を超え、「感じない」 の16% を大きく上回ったほか、「品質が伴わない値上げ感がある」も50%という結果に。一方、「原材料費の高騰や人件費の上昇を考えると値上げはやむを得ない」が48%と、「事情があっても値上げすべきでない」の14%を大きく上回り、値上げについて、品質上昇が必ずしも伴わない場合でも、一定の理解を得られる状況ともいえそうだ。また、外食予算については、ここ1年以内で「かけられるお金は増えた」の18%に対して、「かけられるお金は減った」 が39%と上回った。一方で、「外食では高くても内容のいいものを食べたい」 の35%に対し、「外食は総額が安いほどよい」 は27%と、このところ続いている外食の「回数は減少しているが、単価は上昇」という傾向が説明できる消費者心理状況が表れる結果となった。
■外食の値上げ等に対する考え<構成比比較>(全体/それぞれ単一回答)
2.消費者が平均的と思える価格相場、「牛丼・牛めし」422円、「ラーメン」650円
価格のイメージがしやすそうな8品目について、「平均的な価格」、「(上)、(松)など品質がワンランク上のメニューとして妥当な価格」、「品質がよくても注文しないと思う価格」の3種類をそれぞれ聴取し、現時点の価格相場観を探った。「牛丼・牛めし」では平均的価格が422円、ワンランク上のメニューで627円がそれぞれ平均額、また、これ以上は出さない価格の平均は1,013円であった。同様に、「ラーメン」では平均650円、ワンランク上のメニューでは903円、これ以上は出さない価格が1,300円などであった。平均的な価格とこれ以上は出さない価格の関係は、品目により2倍程度から3倍程度まで差があるが、実際の市中の価格設定よりは、幅が大きそうだ。
※外れ値として、各値段の上下0.1%の範囲のデータを除いて集計している
3.プレミアムメニューには36%が「興味ある」
過去1年の購入においてなんらかのアップグレード・ダウングレードしたことについて、また、今後興味のあるアップグレード・ダウングレードについても聴取した。過去1年間の経験として、下記のいずれも経験していない人が42%。裏を返すと、58%の人はいずれかに当てはまると回答した。最多は、「小売店でのプレミアム商品の購入(22%)」、外食では「具材のトッピング(18%)」が最多、次いで「外食でのプレミアムメニューの注文」「大盛りの注文」が17%で2位・3位であった。今後の興味では、 「外食のプレミアムメニューの注文(36%)」が最多、次いで「小売店でのプレミアム商品の購入(35%)」とプレミアムメニュー・商品への注文・購入意向の高さが顕著であった。
■興味のある/最近1年以内に経験したプレミアムメニューやロープライスメニュー
<多い順で並べ替え> (全体/複数回答)
※「興味のある外食の形態」で多い順に並び替え
4.女性は「小売店でのプレミアム商品購入」や「具のトッピング」、
男性は「外食店の価格設定の高い新メニューの注文」や「大盛り」志向
興味のある外食形態の性年代別傾向をみると、女性の特に20・30歳代で「小売店のプレミアム商品」や「外食メニューへのトッピング」に支持が集まり、男性の特に20・30歳代で「外食の価格設定の高い新メニュー」や「量の多いメニュー」に支持が集まった。また、女性の20歳代で「コンビニ、スーパーなどのイートインスペース」、男性50歳代で「ファストフード店」でのちょい飲みが全体平均よりも多い支持を集めた。男女の60歳代では、どの項目も相対的にスコアが低めであった。
■興味のあるプレミアムメニューやロープライスメニュー<多い順で並べ替え>(全体/複数回答)
5.「プレミアム」の感じ方は女高・男低、最多は「高級・希少な原材料」の使用
プレミアムを感じる外食メニューの要素についても聴取。最多は「高級・希少な原材料(51%)」、次いで「季節限定(44%)」、3番目は「ブランド食材の使用(40%)」が続いた。性年代別には、男性では全項目にわたってスコアが低く、女性は逆にいずれの項目でも男性よりスコアが高かった。また、女性の中では、全世代で「季節限定」はまんべんなく支持を集め、50・60歳代では「無添加・有機栽培など安全面に配慮」や「産地や生産者の明示」といった、安心・安全にかかわる項目でややスコアが高めの傾向であった。
■プレミアム感を感じる外食メニュー<多い順にソート>(全体/複数回答)
調査概要
調査名:外食市場調査(2015年7月度)
調査時期:2015年7月31日(金)〜2015年8月10日(月)
調査方法:インターネットによる調査
首都圏、関西圏、東海圏における、夕方以降の外食および中食のマーケット規模を把握することを目的に実施した調査(外食市場調査)の中で、外食の値段や値上げに関する考えや、プレミアムメニュー・ロープライスメニューに対する興味や経験などを聴取。
調査対象:首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)、関西圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県)、東海圏(愛知県、岐阜県、三重県)に住む20〜69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
有効回答数:9,911件(首都圏4,898件、関西圏2,634件、東海圏2,379件)
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