飲食時に税率8%と10%の差を気にする消費者は67.4% 食生活は“税率8%対象食”が増加する?消費者は外食店のテイクアウト・出前の利用も増やす意向
2019年10月の消費税増税と飲食料品への軽減税率適用による、食生活に対する消費者意識調査
2018年12月05日
株式会社リクルートライフスタイル
株式会社リクルートライフスタイル(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:淺野 健)の外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」(https://www.hotpepper.jp/ggs/)は、2019年10月の消費税増税ならびに飲食料品への軽減税率適用と食生活の変化についてのアンケートを消費者に対して実施しましたので、その結果を発表します。
【解説】
2019年10月の消費税増税と外食・酒類を除く飲食料品への軽減税率適用について、認知や適用後の食生活について消費者アンケートを実施。軽減税率については一定の認知はあるものの、外食や中食での軽減税率の範囲に対する認知はまだそれほど高くはなかった。また、税率8%と10%の差の2%を「気にする」人が67.4%おり、増税後の食生活において、内食(自炊)や中食(持ち帰って自宅で食べる)など8%対象の食べ方(以下、“税率8%対象食”)を増やしたいとする人が若年層・女性を中心に多かった。また、飲食店舗での外食回数は減少予測であるが、外食店からのテイクアウト・出前については増加予測となっている。
※外食には税率10%が適用され、中食には軽減税率8%が適用予定。内食には食材や酒類を除く飲料に8%が適用予定。
【要約】
POINT1. 飲食料品が軽減税率8%の対象であることを知っている人は68.6%。外食や中食での、軽減税率適用範囲についての認知率は48.3%
・外食や酒類を除く飲食料品に軽減税率が適用されることは「よく理解している」15.0%、「多少は知っている」53.6%で、合計68.6%が認知。
・外食や中食における軽減税率の適用範囲については、 「よく理解している」8.4%、「多少は知っている」39.9%で、合計48.3%が認知。
POINT2. 飲食時に、税率8%と10%の差を気にする人は67.4%。20代男女を中心にテイクアウトや出前の利用を増やしたい意向強い
・飲食時に税率8%と10%の差を「気にする」と「やや気にする」の合計は67.4%。
・食事の種類では「夕食」、食事の相手では「夫婦ふたりの食事」でテイクアウトや出前が増えそうという人が多く、特に20代男女や30代女性で強い意向。
POINT3. 増税後の食生活では“税率8%対象食”を増やすと予測
・増税後の食生活について、消費税10%が適用される食べ方は減少予測で、8%が適用される“税率8%対象食”は増加予測。飲食店においては、店舗での外食回数がマイナス予測となっているものの、8%が適用されるテイクアウト・出前の利用はプラスの予測。
1. 食料品の購入に軽減税率8%が適用されることを知っている人は68.6%
政府は2019年の10月に消費税増税(8%→10%)を計画している。また、外食や酒類を除く飲食料品には軽減税率が適用され、税率8%を維持する予定であることも発表されている。今回は増税と同時に一部軽減税率が適用されることへの認知や、それによって人々の食生活の消費行動がどう変化しそうかについてアンケートを行った。
まず、外食や酒類を除く飲食料品に軽減税率が適用されることへの認知を聞いたところ、全体では「よく理解している」が15.0%、「多少は知っている」が53.6%で、合計68.6%が認知しているという結果であった。性年代別では、女性より男性の方がやや認知率が高く、年代が上がるほど認知率も高いという傾向が見られた。認知率が最も高かったのは60代男性で、合計82.4%が「よく理解している」または「多少は知っている」という回答だった。一方、認知率が最も低かったのは20代女性で同51.4%が「よく理解している」または「多少は知っている」という回答だった。圏域別にはどの圏域でも認知率に大きな違いは見られなかった。
■食料品の購入に軽減税率が適用される予定であることを知っているか(全体/単一回答)
2. 外食や中食での、軽減税率適用範囲についての認知率は48.3%
外食や中食における軽減税率の適用範囲について、認知率を聞いた(イートインやフードコートにおける適用範囲などはまだ部分的に議論中という時点で調査を行った)。適用範囲について「よく理解している」と「多少は知っている」の合計は全体では48.3%と、認知状況はほぼ半々という結果であった。性年代別には、女性より男性の方が認知率がやや高く、女性では年代が上がるほど認知率が高いという結果であったが、男性では60代より50代の認知率が高かったり、40代より30代の認知率が高いなど、一部で逆転している部分もあった。
■外食や中食で軽減税率が適用される予定の範囲を知っているか(全体/単一回答)
3. 飲食時に、税率8%と10%の差の2%を気にする人は67.4%
現状予定されている軽減税率は、外食・酒類を除く飲食料品(惣菜など加工品を含む)に適用されることを示した上で、飲食時に税率8%と10%の差である2%を気にするかという質問をした。全体では「気にする」と「やや気にする」の合計は67.4%であった。 性年代別では、女性の方が男性より「気にする」傾向にあり、また、年代では若年層ほど「気にする」傾向にある。「気にする」と「やや気にする」の合計が最も高いのは20代女性で78.3%であった。逆に「気にする」と「やや気にする」の合計が最も少ないのは60代男性の54.4%であった。認知率では全く逆の傾向であったことから、若い世代ほど「気にする」一方で、軽減税率の適用に関しては「知らない」という結果となった。
■食事をする際に、消費税と軽減税率の差2%を気にするか(全体/単一回答)
4. 20代男女は飲食店で税率8%適用予定のテイクアウトや出前の利用を増やしたい意向が強い
増税後に、飲食店で外食(税率10%)をせずに、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうかどうかを聞いた。食事の種類では、「夕食」で、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が28.9%で最も多い。また、食事の相手では、「夫婦ふたりの食事」で、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が23.6%と最も多かった。5ページで若年層ほど2%の差を「気にする」という回答が多かったが、ここでも、20代男女や30代女性で他の性年代よりも軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうとした人が目立った。特に食事の相手が「恋人や異性の友人と二人の食事」(いわゆるデート)の場合でも、20代女性で20.3%、20代男性で17.2%が、軽減税率8%が適用される予定のテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えそうと回答している。
■消費税増税にあたり、飲食店で外食せずに、軽減税率が適用されるテイクアウトや出前を選ぶ機会が増えると思う食事の種類や相手(全体/それぞれ単一回答)
5. 増税後の食生活、“税率8%対象食”を増やしたい傾向。飲食店でのテイクアウトも増加?
消費税増税後の食生活についてどのように変わると思うか、調査日時点での気持ちを聞いた。下図は「増えると思う」から「減ると思う」を引いた数値で、棒グラフが下向きは「減ると思う」人が多いことを表し、棒グラフが上向きだと「増えると思う」人が多いことを表す。消費税10%が適用される飲食店での外食などは分かりやすく減少予測で、8%が適用される中食(持ち帰って自宅で食べる)などは増加予測となっている。最もマイナス幅が大きいのは「飲食店で外食する回数(飲酒を除く) 」で、差が‐33.1ポイント。逆に最もプラス幅が大きいのは「自宅で料理して食べる回数(飲酒を除く)」で+23.2ポイントであった。飲食店においては、店舗内での飲食回数については悲観的な予測となっているものの、軽減税率8%が適用予定の「飲食店からテイクアウト・出前をする回数」は差が+7.4ポイントとプラスの予測となっている。2019年10月を見据えて、テイクアウトやデリバリーを検討する飲食店が増える可能性もある。
■消費増税と軽減税率が施行された後、食生活はどのように変わると思うか
(全体/それぞれ単一回答、「増えると思う・計」から「減ると思う・計」を引いた値)
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