2016

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東京大学松尾研究室×BAI×リクルートマーケティングパートナーズ 共同研究。学習者の「解けない問題」の予測に成功「つまづき予防」の実現へ

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2016-09-15

東京大学松尾研究室×BAI×リクルートマーケティングパートナーズ 共同研究。学習者の「解けない問題」の予測に成功「つまづき予防」の実現へ

2016年9月15日 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山口 文洋)が運営する、リクルート次世代教育研究院(院長:小宮山利恵子)は、東京大学 松尾研究室及び株式会社IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス(BAI)と実施している「アダプティブ・ラーニング実現に向けた人工知能解析」共同研究の進捗をご報告致します。

小学生4年生~中学3年生の算数・数学で解析

教育×人工知能で昨今話題となっている「アダプティブ・ラーニング(学習プロセスの最適化)」において、リクルートマーケティングパートナーズは人工知能研究第一人者である東京大学 松尾研究室及び株式会社IGPIビジネスアナリティクス&インテリジェンス(BAI)と共同研究を行っておりますが、この度『スタディサプリ』における学習者の「解けない問題」を最大30%予測することに成功しました。

『スタディサプリ』での学習者の動画視聴や問題解答の学習ログを最新の機械学習解析「ディープラーニング」を用いて解析し改善を重ねた結果、小学校5年生の算数において精度90%で解けない問題の約30%を当てることができました。

今回解析対象としたのは、『スタディサプリ小学講座・中学講座』における小学4年生から中学3年生までの算数・数学で、精度80%を最低ラインとし解析を実施。小学5年生で解けない問題全体の30.4%の問題を90%の精度で予測、そのほか小学6年生が27.1%の問題を88%の予測しました。

今回の解析にはディープラーニングでのディープナレッジトレーシングを採用し、学習者の動画視聴・問題解答などの学習ログに加え、『スタディサプリ』に蓄積された大量の学習ログを用いて解析を行った。

「解けない問題」を予測することは学習プロセス・時間の効率化にとどまらず、学習者のモチベーションの維持や効率的な学び直しの実現に大きく寄与するものと考えます。

今後も松尾豊特任准教授および松尾研究室との共同研究を通じて、アダプティブラーニングの研究および『スタディサプリ』における学習効率化、最適化の研究開発を進めていきます。

学年毎の精度とカバー率


※1精度
データ解析の結果算出された「解けない問題」のうち、実際に「解けない問題」だった確率。蓄積されたデータを用いて、モデル作成データと予測用データに分割し、モデル作成データによってデータ解析を行い、予測用データの中の「解けない問題」を予測する手法を用いている。
※2カバー率
データ解析の結果算出された「解けない問題」が、実際の「解けない問題」のうち導きだせた割合。実際「解けない問題」が10問あった場合、データ解析で予測した結果が3問が該当していたら30%となる。

共同研究者より

東京大学 松尾豊特任准教授のコメント
解けない問題を予測することは、どこを復習すればよいかを適切に示し、つまずきを予防するための基礎となる技術です。『スタディサプリ』の膨大なデータとAI技術の組み合わせで、ここまでの精度・カバー率が出せるようになりました。

松尾豊:東京大学で、人工知能(推論、機械学習、ディープラーニング)、自然言語処理、社会ネットワーク分析、ソーシャルメディア、ウェブマイニング、ビジネスモデルの研究に従事。国内では、人工知能学会を中心に、国際的には,WWW国際会議(International World Wide Web Conference),米国人工知能学会等(AAAI)を中心に論文を発表。WWWではウェブマイニング部門のトラックチェアを務める。現在は、ディープラーニングの研究に注力する一方、国内の企業と,データ分析を中心とする共同研究を行う。東京大学大学院工学系研究科 総合研究機構(若手育成プログラム)/知の構造化センター/技術経営戦略学専攻 准教授を経て、東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 消費インテリジェンス寄付講座 代表、シンガポール国立大学(NUS) 客員准教授

東京大学 松尾研究室 那須野薫さんのコメント
まずは、数学について、解けない問題(生徒がつまずく箇所)を予測する仕組みを開発しました。今後は、各科目へ展開するとともに、このつまずき予測の仕組みをベースに、最適な学習パス・スケジュールを提案する仕組みを開発する予定です。

研究内容、および共同研究概要について

■本研究内容
・対象:スタディサプリ小学講座・中学講座
・学年:小学4年〜中学3年
・ログ数:約3600000
・解析データ期間:2015年4月~2016年3月(1年間)

■共同研究概要
・目的:アダプティブラーニング実現に向けた人工知能およびビッグデータ解析研究
・開始時期:2014年4月1日~

本件に関するお問い合わせ先

https://www.recruit.co.jp/support/form/

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