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2013年12月18日
株式会社リクルート住まいカンパニー
▼研究内容
不動産ポータルサイトにおいて、購入確度の高い検討者は、対象物件の詳細が記述してある資料をWEB上、または電話を通して請求する傾向があることが知られています。全購入検討者のうち、この資料請求を行う検討者数の割合をCV率(CV=コンバージョン)とします。今回、開発したアルゴリズム(下図イメージ)では、検討者の過去のサイト閲覧履歴を基に、次の訪問(Second Action)だけではなく、その次の訪問(Third Action)時の閲覧行動まで仮定した上でCV率が最大になるような物件を推薦するものとなっております。
【新しい推薦アルゴリズムのイメージ】
上の図は物件a~d の閲覧順序を表した例です。各ノード(構成要素)上の百分率は、そのノードまで閲覧した時点でのCV 率を示しています。
これまでの多くの推薦アルゴリズムの場合は、物件a を見た検討者に対しては、次(Second Action)に最もCVしやすいと考えられる物件d を提示していました。(図中【現状のアルゴリズム】を参照)。しかし、次の次(Third Action)まで物件を閲覧することを考慮した場合、 Second Action時に物件d を推薦することは必ずしもCV 率の上昇に貢献していません(図中【開発したアルゴリズム】を参照)。a→b→c と閲覧した場合が最もCV率が高くなる図の例では、Second Actionの時点では、物件bは閲覧してもCV 率は低いのですが、その後のThird ActionでのCV 率の上昇に影響を与えています。このことから、一見CV率の低い物件bが、検討者が購入意思を固める上で重要な働きをしていることがわかります。つまり、a を訪問した検討者にb →c という順序で閲覧するように推薦することで、購入検討を後押ししています。
このアルゴリズムの精度を検証するために、オフラインテストを実施した結果、単純にSecond Action 時にCV 率が最も高い物件を提示することに比べ、最大で約4倍CV 率が上昇する物件の閲覧パターンがあることが判明しました。
▼Appendix
購入検討者の物件閲覧行動の特徴を表すために検討物件のばらつきを式(1)で定義します。地域・沿線・価格などから作成した物件カテゴリのばらつきとCV率の変遷を表した下図からは、CVする検討者ほど物件を絞り込んでいることがわかります。
この結果から物件を推薦する場合、閲覧/CV履歴を利用して検討段階を捉え、興味の拡散と収斂を手助けし、最終的には収斂させることにより、将来のCV率が最も高まるような物件を提示する手法が有効になると考えられます。実際のアルゴリズムでは検討者カテゴリをi、閲覧物件カテゴリをj、推薦物件カテゴリをkのとしたときのCVRをpとすると
となります。しかし、実際には詳細に検討者をセグメント化するため信頼性のある を得ることはできません。そこで直接 を求めるのではなく、以下のように算出することでこの問題に対応します。
このとき、(シグモイド関数)Mは検討者,閲覧,推薦物件の組み合わせ数とすると、pの推定はβの最適化問題となります。
(参考)
■論文「ユーザの成長を促進する情報推薦」, 人工知能学会全国大会(第27回)論文集, 2013
https://kaigi.org/jsai/webprogram/2013/pdf/554.pdf
本件の詳細はこちらよりご覧ください。
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