リクれぽ Vol.8:夏のインターンシップ総括と、『リクナビ』からの提案
『リクれぽ』は、リクルートキャリアの新卒領域に特化した活動レポートです。学生の皆さま(以下、学生)の意見や、就職活動での悩みなど「声」を明らかにしながら、当社サービスの実態をご報告。今後のお知らせも発信してまいります。
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『声』を聞く
10月に入り、2022年卒以降の学生向け夏のインターンシップ・1day仕事体験の期間は終わりました。すでにインターンシップに参加した学生もいれば、これから就職活動準備を開始しようとしている学生もいるでしょう。学生からは今、こんな声が聞かれます。
学生の声:インターンシップに参加してみて不安に感じたこと
初めてインターンシップに参加し、さらにあまり慣れないオンラインという手法である場合が多く、戸惑いを感じている学生が多いようです。実際に、対面での機会を希望している学生の声も見られます。
- 緊張したくないと思うとなかなか応募できないが、インターンシップに参加しないと就職活動に間に合わなくなると思うともっと色々調べなくてはいけない。しかし何を調べたらいいのかもよく分からず焦っている。
- コロナ禍で対面で企業の方や就活生とお会い出来ないこと。選考ありのインターンシップ等は特に、時間をかけて準備をしても、オンライン開催において本当にリアルな情報を得られるかどうか。
- 対面型インターンに応募したが、どれも感染症拡大を受けて中止になり、対面での緊張感がなく緩い感じだったため就職に繋がる何かを得られた気がしない。
- 直接社員の方とお話する機会がない。職場の雰囲気をイメージしづらい。
- 毎回インターンシップで自分の実力があまり発揮できないことが不安。理由は、緊張してしまい、自分の意見や自分の思いを上手く伝えることが出来なかったから。
- とりあえず数カ所、1dayのインターンシップに参加しているが、学校も行けずキャリアセンターを頼らないため、情報の取捨選択が難しい。インターンシップに参加した企業全てがよく見えてしまっている。自己分析も進めているが、自分一人だけでは今やっていることが正しいのか間違っているのか。進みはいいのか悪いのか。全く分からなくて不安。
- 対面式で開催して欲しい。オンラインでは社内の雰囲気がわからない。
- 行ってもモチベーションが上がりません。対面のインターンがあまりなく、対面があったとしても行きたい業種では無いためモチベーションが上がりません。
学生の声:インターンシップに参加してみて分かったことや今後取り組みたいと思ったこと
参加してみて分かったことや、今後取り組みたいことを聞くと、「もっと参加してみたい」「オンラインでも満足いくものに参加できた」といった前向きな声も聞かれます。
- オンラインでは交通費もかからず、移動手段について考える必要もないので、インターンに集中できる。
- WEB上でも、実際に社員の人々とコミュニケーションを取ることで、希望している職種に対する興味を持つことができた。
- 存在は知っていても実際には何も知らない会社や業界があったり、存在すら知らない業界があったりすることを知った。インターンに参加しなくても自分で調べることをしたいと思ったし、ただ就活に直結するからという意味でなくてもインターンに参加することは人生の経験として楽しいものだと思った。
- 今まで名前を知らなかった企業や、事業内容を詳しく知らなかった業界の仕事を知ることができたのが良かったです。秋以降も時間があれば、いろいろな業界のインターンに応募・参加してみたいと思います。
- 他大学の学生と一緒に活動することで、自分が持っているスキル、足りない能力を確認することができた。 また、意見交換等もすることができ、いい経験になった。
- 参加前は職場の雰囲気や業務内容がほとんど分からずただただ不安だったが、実際に参加してみると雰囲気もよく、感じていた不安は杞憂だったのだと思えたため、不安があっても、とにかく参加してみることが重要なのだと知ることができた。
- オンラインでの実施が多く、対面のプログラムよりも業務体験の質が劣るのではないかと心配していたが、オンライン上でも十分に満足できるグループワークを実践できることがわかった。
- 自分自身がどういった仕事に就きたいのかさらに考えるきっかけになったり、人事の方からフィードバックをいただいたことで自分の強みを知ることが出来たので参加して良かったと思いました。
就職活動・新卒採用の現場から
インターンシップに参加した学生は46.8%で、平均参加社数は4.03社。今夏は対面よりもWebのインターンシップが主流に
インターンシップに関する9月までの学生の動きはどうなっているのでしょうか。学生に調査した結果を読み解きます。
インターンシップへの応募・参加状況を聞くと、応募した経験がある学生は、51.9%、参加した経験がある学生は46.8%となりました。
インターンシップに参加した学生に平均応募企業数・参加企業数を聞くと応募は平均8.12社、参加は平均4.03社となりました。またWebと対面での参加件数をそれぞれ聞くと、Webが3.19社対して、対面での参加が1.33社Webでの参加が対面での参加を上回る結果となりました。
インターンシップに応募したきっかけを聞くと、「業種理解を深めたいと考えたから(74.9%)」が最も高い結果となりました。2位以下を見ると、「企業の社風や職場の雰囲気を見たいと思ったから(49.7%)」、「志望職種の実際の業務について理解できると考えたから(46.3%)」、「企業のことをより深く理解できると考えたから(42.9%)」、「企業で実際に働く人の話を聞きたいと考えたから(40.0%)」といった項目が並んでおり、学生がインターンシップに参加する理由が多岐にわたることがうかがえます。
これから実施を予定している取り組みを聞くと、最も高かったものは「就職に関する情報を収集する(71.8%)」でした。次いで「エントリーシートなどの書類を提出する(67.9%)」、「インターンシップに参加する(64.5%)」となっており、9月以降もインターンシップに参加しようと考えている学生が多いことが分かります。またインターンシップ参加を予定している学生に参加予定社数を聞くと、その平均値は6.02社とこれからもインターンシップに参加する意欲が高いことがうかがえます。
新卒事業の現場から
学生による5段階のインターンシップ評価、『リクナビ2022』で9月30日から公開
まずは381社の評価を公開、新しいインターンシップ・1day仕事体験の選択軸に
『リクナビ2022』では、学生が学生による評価を基にインターンシップや1day仕事体験を選べる新サービス「インターンシップ・1day仕事体験の評価」を、6月15日から開始していました。これまでは学生から評価の投稿を受け付ける段階でしたが、その結果をもとに、この度9月30日から『リクナビ2022』上で5段階の評価が公開されます。9月30日時点で381社の評価が公開されており、これ以降も投稿が10件以上集まった企業から順次公開されていきます。
学生は参加したプログラムについて、「総合評価」に加え、「業界の理解」「職場雰囲気の理解」「事業内容の理解」「仕事内容の理解」「自己理解」「自己成⾧」「社員からのアドバイス」「人事とのやりとり」の 計9項目を、5段階で評価します。9項目それぞれの項目において、投稿した学生全体の評価として評価値が算出されます。学生からの評価が10件以上投稿されると、評価された9項目が『リクナビ2022』上の企業ごとに公開されます。評価の数字は、直近の評価の比重が高く反映されるなど、最新の評価を見ながらインターンシップ・1day仕事体験に参加するかを決めることができます。
同じく9月30日より、「インターンシップ・1day仕事体験の評価」による条件検索も可能になります。これは、従来の「業種」、「地域」などの企業の属性とともに「総合評価が3.0以上」などの検索もできるようになる機能です。学生は業界や知名度など従来の判断軸だけでなく、すでに参加した学生の評価を見て、インターンシップ・ 1day仕事体験を選ぶことができます。
学生同士の「評価」にニーズ、企業には学生からの改善要望などをフィードバック
当社には以前より、就職準備に臨む学生から、「インターンシップ・1day仕事体験」を探す際、同期学生や先輩が行った評価を参考にしたいという声が寄せられていました。この学生の声を受け、限られた時間の中で、学生が自分に合ったプログラムを探す新たな軸として「インターンシップ・1day仕事体験評価」を開発しました。
企業には、学生からの評価を見える化することで、学生ニーズの把握を支援しております。『リクナビ2022』に評価が公開された企業には、当社から数字の背景にある学生からの改善要望などについて定期的にフィードバックしますので、継続的なインターンシップの改善や、将来的なプログラム設計の参考にできます。『リクナビ2022』上で更新される評価の数字は、一定の投稿数をもって更新されるため、改善した結果が短期間で点数に反映される可能性もあります。また、企業が学生向けに自社のプログラムについて説明する際には、言葉で内容や価値を伝えるだけでなく、数字で学生からの評価を証明することもできます。企業の中には評価の見える化を望まない声もありますが、学生が公平に評価をし、それを見ながら自身にあったインターンシップ・1day仕事体験を選べるよう、ご協力をお願いしています。
学生の約3人に2人が求めていた『知りたいが知ることができていない』を見える化
新卒事業統括部 統括部⾧ 大家 純一
テレビCMで見たことがある、もしくは日常生活で馴染みのある企業や業界に関心を寄せがちな学生は少なくありません。決して悪いことではありませんが、働く場として本当に自分に合った1社を選ぶ判断軸がそれだけではもったいないでしょう。なぜなら、名前を知らなかっただけの理由で「実は自分に合う企業」と出会う機会を逸してしまうからです。またすでに知っている企業から選ぶにしても、商品・サービスの好き嫌いと、働く場として合う合わないは別です。インターンシップや1day仕事体験は、就業体験を通じて、学生が自分に合った企業を探し、確かめる貴重な機会となります。しかし、そもそも学生が企業を認知していなければ、応募の入り口にすらたどり着かないのが従来でした。
学生が「使いたい」と思うサービスの実現にあたっては、当社が先入観で判断するのではなく、学生の声を起点としました。例えば9つの評価項目の設計では、学生調査を実施し、学生が「知りたいが、知ることができていない」と答えた項目を基にしています。評価が見える化されることで、どの企業のプログラムに参加するか迷っている学生の背中を押し、特に高い交通費をかけて参加する地方の学生にとっては、確度の高い自分に合った企業の発見を支援できればと思っています。インターンシップや1day仕事体験が「働く」を身近に感じられる経験となり、自分がやりたい仕事を探す機会につながれば幸いです。
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