本プレスリリース内の記載に誤りがあったため、5月13日に訂正いたしました。
該当箇所は① P4、参考【全国就業実態パネル調査(JPSED)2020】有効回収数 と、② P20、調査設問一覧内、P13 2019年12月と比較した収入の増減 2021臨時追跡調査です。
尚、今回の修正による調査結果への影響はありません。
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村吉弘)の、「人」と「組織」に関する研究機関・リクルートワークス研究所は、毎年1月に実施している「全国就業実態パネル調査」の回答者のうち、2019年12月時点の就業者に対して、2回目の緊急事態宣言下での人々の働き方を把握する臨時追跡調査を実施しました。本追跡調査は、緊急事態宣言下の人々の働き方を把握することで、今後の働き方の変化の方向性や背景を検討することを目的としています。これまで同じ対象者に実施してきた「全国就業実態パネル調査2020」「全国就業実態パネル調査2020臨時追跡調査」「全国就業実態パネル調査2021(速報値)」を活用して、新型コロナ流行前(コロナ前)、2回の宣言下、その間の4時点の働き方を比較し、働き方の変化の兆しや仕事と生活への影響を分析した結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
働き方の変化の兆し
1回目の緊急事態宣言により一気に進展がみえたテレワークなどの新しい働き方への移行は
宣言解除後に後退、2回目の宣言発出によっても大きくは伸びず減速傾向
- 1回目の宣言下で急速に伸びたテレワーク実施率(32.8%)は、宣言解除後に18.1%まで減少し、2回目の宣言下でも25.4%にとどまる。
雇用者のうち、2回目の宣言下での実施率が最も高かったのは派遣社員(30.6%)で、正規の職員・従業員(27.9%)を超す
- 情報通信業、不動産業、製造業、金融・保険業では宣言解除後もテレワーク継続実施の割合が比較的高めで定着の兆し
- 宣言下にテレワークをしなかった理由は「職場で認められていないため」が最も高く、1回目の宣言下で56.7%、2回目で56.4%と変わらず、職場要因でテレワークができない状況に変化なし
- 1回目の宣言解除後に、勤務先で行われたこと、もしくは実施が決まったことは、「労働時間制度の見直し」12.9%、「テレワーク日数の制限の見直し」11.9%、「対面研修のオンライン化推進」8.6%。最も選択率が高かったのは「あてはまるものはない/わからない」(64.4%)で、制度見直しは一部にとどまる
- 2回目の宣言下で職場においてテレワークで勤務している人の1日あたりの割合は、「ほぼいない」が63.6%と最も高く、50%以上~100%(ほとんど全員)の範囲で答えた割合を合計してもわずか12.9%にとどまり、政府が掲げる「出勤者7割削減」にはほど遠い
仕事と生活への影響
収入減などのショックは一律ではなく、一部に集中
収入が高い人ほど特別定額給付金は貯金に回す
- 職場から「時差出勤推奨」「勤務日数・時間の縮小要請」「自宅待機要請」をされた雇用者の割合は1回目の宣言下はそれぞれ16.2%、14.1%、10.8%であったが、2回目の宣言下ではそれぞれ9.8%、6.3%、2.4%と減少
- 職場から休業要請されて休業した雇用者の割合は、1回目の宣言下では18.6%であったが、2回目の宣言下では5.5%に減少
- コロナ前と比べて収入が「減った・計」の割合は、2020年5月(宣言1回目)で31.7%、2021年1月(宣言2回目)で25.3%と減少傾向。
ただし、その割合は業種によって大きく異なり、2020年5月(宣言1回目)に「減った・計」割合が高かった飲食店、宿泊業(66.2%)や運輸業(41.8%)においては、2021年1月(宣言2回目)でもそれぞれ51.2%、40.4%と、多くの人で収入減が続く
- 宣言下において、家事・育児時間が男女ともに増加傾向
- 年収が高いほど、特別定額給付金を「全く使用しなかった(全額貯蓄した)」割合が高くなる傾向に