2024.12.20しごと
ワークス採用見通し調査(新卒:2026年卒)新卒採用の増勢はやや鈍化も、2026年卒も高い採用意欲
(c) Recruit Co., Ltd.
しごと
株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、東京都在住の20歳~59歳の会社員2,479名を対象に、地方移住および多拠点居住の考え方についてアンケート調査を実施しました。調査期間は2021年8月10日(火)~18日(水)です。以下、結果の概要をご報告いたします。
東京都内在住の会社員に対して地方や郊外への興味について確認したところ、46.6%の人が「興味がある」と回答しました(「とても興味がある」11.5%、「興味がある」35.1%)。「興味がある」と回答した1,156人では、年代間の回答傾向に大きな差異はなく、年代の違いに関わらず一定数の人が、都内から地方や郊外への移住に関心があることがわかります。「興味がある」と回答した1,156人が想定している都心までの所要時間は「都心まで1時間から2時間」が43.3%、「都心まで1時間程度以内」が31.8%でした。
また地方移住に興味がある人に、検討のきっかけと新型コロナウイルスの感染拡大との関係を質問しました。「新型コロナの影響で、テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため、地方や郊外への移住に興味をもった」が最も高く(43.4%)、時間や場所を選ばない働き方の浸透が、人々の住まいへの意識に影響していると考えられます。
地方・郊外への移住に興味がある人に、具体的な実現時期と現在の取り組み内容を確認しました。実現時期については、「すぐに」「1年以内」「3年以内」のように具体的な時期を回答した人は35.6%でした。最も多かった回答は「時期はわからないが将来的に実現したい」(46.5%)となり、一定数の人は興味があるが「実現したいとまでは思っていない」(17.9%)と考えていることがわかりました。
具体的な取り組みでは、すでに移住先が確定していたり実際に居住候補の地域を訪れていたりする人が15.0%でした。また、情報収集を進めている人は26.6%でした。なお、地方や郊外の移住に興味があるが、まだ具体的に実施していることはない人は58.5%となりました。
地方や郊外への移住を検討するにあたっての不安や心配事を4つの観点から確認したところ、最も多かったのは仕事面(64.0%)でした。それに続き、経済面(56.7%)、環境面(47.6%)、住宅面(42.2%)となりました。
コロナ禍2年目、働く個人の意識はどう変化しているのか? 今回、東京在住の会社員2,479名の声から、地方・郊外移住への興味と障壁について探りました。注目したいのは、回答とコメントから見えてくる働く個人の本音です。
【今回の調査からわかること】
興味:地方や郊外移住に、約半数もの働き手が興味がある(46.6%)
距離:ただし、4人中3人が「都心までの所要時間は、2時間以内」を想定 (75.1%)
契機:「テレワークなどの柔軟な働き方が可能になったため」が最多(43.4%)
時期:移住時期は、「わからないが将来的に実現したい」が最多(46.5%)
不安:移住の障壁は「仕事面」が最多。テレワークへの心配事が多い(64.0%)
【障壁に関するコメント】
▽転職なしで地方移住の場合
・コロナの心配がなくなった時、テレワークや在宅勤務がなくなる不安
・完全テレワークでないと、近郊しか移住先として考えられない
▽転職ありで地方移住の場合
・給与や働き方の面で、自分の希望する仕事があるかどうか
・夫はテレワークだが、私はそうでないので仕事が見みつかるか不安
【働く個人の本音】
『自分の好きな暮らしができる街で、好きな仕事・キャリアをデザインしたいが、コロナ禍が沈静した後のテレワーク廃止や出社再開が心配で、地方移住を逡巡している。』これがコロナ禍2年目の働き手の、移住に対する希望と不安の実相といえるでしょう。
テレワークの浸透で、多くの人が好感した「時間や場所を選ばない働き方」へ。会社を中心にクラシを犠牲にするのではなく、クラシを中心に仕事で成果を出す在り方へ。企業は、テレワーク廃止・出社再開で、働き方・生き方の選択肢を狭めない。そんなafterコロナを見据えた企業の在り方が問われています。
藤井 薫(ふじい・かおる)
株式会社リクルート
HR*統括編集長
プロフィール(略歴) 1988年、リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。以来、人と組織、テクノロジーと事業、今と未来の編集に従事。『B-ing』、『TECH B-ing』、『Digital B-ing(現『リクナビNEXT』)』、『Works』、『Tech総研』の編集、商品企画を担当。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長・ゼネラルマネジャーを歴任。 2016年、リクナビNEXT編集長に就任(現職)、2019年にはHR統括編集長を兼任(現職)。
*HR=Human Resources(人的資源・人材)
不動産・住宅サイトSUUMOのログデータ、消費者調査でコロナ禍、テレワーク経験によって新たな住み替えニーズが見えています。SUUMOの閲覧数はコロナ禍で約1.3倍程度に増え、今もその傾向は継続しており、掲載物件がニーズに対して足らないほどの状況です。
また2021年3月にSUUMOリサーチセンターが発表した「東京都民が移住・二拠点居住したいエリアランキング調査」では東京都民の15.9%が移住や二拠点居住に対して「以前は関心がなかったが、感染拡大で関心が生まれた」と回答し、以前より関心はあったが高まったと回答した人も加えると過半数越えの51.6%に達します。
その理由として挙げられるのがテレワークによる自宅への不満です。広さや住宅の快適性(性能・通風・採光)を求める人が増え、それが叶いやすいのが郊外や地方であるという形。また不満からではなくテレワークの経験により「ここで暮らしたかった」という希望を実現する動きも見えています。先の調査での移住ニーズが生まれた理由をみると「自然が豊かな環境で生活したい」が56.2%でトップ、「リラックス、リフレッシュできる時間・空間がほしいから」が41.4%と続き、「住居費を下げたい」を上回っています。移住したいエリアランキング結果をみると、1位は「八王子・奥多摩エリア」、2位が「鎌倉・三浦エリア」でした。3位の札幌を含む北海道「石狩エリア」、4位の沖縄県の「離島・諸島エリア」、5位の福岡県の「福岡エリア」よりも、東京近郊の「山や川や海」といった豊かな自然環境を持つ地域がさらに人気が高く、働く会社や教育環境、行政サービスなどの現状を大きく変えることなく、大自然やリフレッシュできる暮らしを手に入れることができるエリアが人気のようです。これは今回の調査結果の、移住を想定した際の「都心までの所要時間」が「都心まで1時間から2時間」が43.3%、「都心まで1時間程度以内」が31.8%だったことの背景の一つとも考えられます。
ご参照:東京都民が移住・二拠点居住したいエリアランキング調査
池本 洋一(いけもと・よういち)
株式会社リクルート
SUUMO編集長 兼SUUMOリサーチセンター長
プロフィール(略歴) 1995年、リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。以来、編集、広告営業、事業開発等を経て2011年にSUUMO編集長、2019年よりSUUMOリサーチセンタ-長を兼任。取材、調査、データ解析などを通じて、住まい領域のトレンドをテレビ、新聞、Webメディア等を通じて発信する。内閣官房、国土交通省、経済産業省、環境省などの委員も歴任
■多拠点居住を検討するにあたって、現実的にネックになっていることや障壁になっていることのフリーコメント
本件の詳細をこちらより御覧ください
関連するプレスリリース