2024.12.23しごと
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株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)が提供する転職支援サービス『リクルートエージェント』における2021年度上半期(4月~9月)の中途採用動向調査の結果を報告します。本サービスをご利用の企業を対象に、上半期の中途採用充足状況および下半期の中途採用計画、オンライン面接の活用状況についてアンケート調査を実施しました。調査期間は2021年7月26日(月)~8月6日(金)です。以下、13,041社の回答結果の概要をご報告いたします。
13,041社のうち、中途採用充足率が100%以上である採用充足企業は全体の17.7%でした。採用未充足企業(100%未満)は70.5%であり、そのうち採用充足率50%未満の企業は46.1%でした。また、採用計画なし(採用計画0人)の企業は全体の11.8%でした。なお、中途採用充足率は2021年度上半期(4月~9月)の中途採用計画人数および中途採用実績人数(入社ベース)を基に算出しています。
採用充足企業(100%以上)の割合が高い業界は、化学業界(24.0%)、消費財業界・総合商社(22.9%)、金融業界(22.4%)などでした。反対に採用充足企業(100%以上)の割合が低い業界は、インターネット業界(10.4%)、IT通信業界(13.1%)、コンサルティング業界(15.5%)などでした。
本調査では2021年度下半期(21年10月~22年3月)の中途採用予定の最少人数および最多人数を確認しています。本レポートでは、そのうちの最少人数を中途採用計画とみなして集計を行っています。なお最少人数が「0人」であっても、最多人数が「1人以上」である場合があるため、集計では「採用計画なし」のカテゴリは設けず「4人以下」に含めています。
全体では下半期の中途採用計画を「4人以下」としている企業が多数でした(79.9%)。これは、回答企業の55.0%が従業員規模「99人以下」であること。さらに上記のように中途採用予定の最少人数を中途採用計画としていることが主な要因と考えられます。
※調査では中途採用予定最多人数も確認しています
「4人以下」の割合を見ていくと、特にインターネット業界(54.8%)やIT通信業界(67.7%)が低く、「5人以上」の割合が高くなっています。また従業員規模別では、従業員規模が大きくなるほど「4人以下」の割合が低くなり、「5人以上」の割合が高くなっています。特に従業員規模が5,000人以上の企業では、9.1%が「100人以上」の中途採用を計画しています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、企業はオンライン面接の活用を進めています。本調査でオンライン面接(WEBまたは電話を利用した面接)の活用状況を確認したところ、全体の63.6%の企業がオンライン面接を活用していると回答しました。また、11.6%の企業では採用活動を全てオンライン面接で実施していることがわかりました。
オンライン面接活用の理由としては、「社会状況的に対面は適切でないため」の選択率が最も高く(64.7%)、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見られます。また、「日程・場所等社内調整が柔軟になるため」(52.6%)や「対面で会えない候補者と面接出来るため」(49.5%)といったオンライン面接の特徴を活かした理由も、約半数が選択しています。
業界別では、インターネット業界やIT通信業界が積極的にオンライン面接を活用している様子がわかります。特にインターネット業界では、38.6%の企業が採用活動を全てオンライン面接で実施しています。一方で、建設・不動産業界や公共インフラ・官公庁では、約半分の企業がオンライン面接を活用しているものの他業界に比べると「対面のみ」の割合が高いことがわかります。
新型コロナウイルスの感染拡大は労働市場にも打撃を与えましたが、転職領域では1回目の緊急事態宣言時(2020年4月)を底として、以降は明確な改善基調が続いています。21年度上半期の中途採用充足状況の結果からは、特にインターネット業界やIT通信業界で採用未充足企業の割合が高いことがわかります。昨今、業界を問わず企業のDX推進が活発です。コロナ禍においてもIT通信業界やインターネット業界の企業は積極的な採用活動を展開していますが、十分には人材を確保できていない状況がうかがえます。
21年度下半期の中途採用計画を見ても、DX推進や5G、セキュリティ、SaaS系サービスといった事業推進ニーズに対応すべく、IT通信業界やインターネット業界において引き続き積極的な人材確保の姿勢が見て取れます(*)。
また今回の調査では、企業のオンライン面接の活用状況を確認しました。オンライン面接の浸透はコロナ禍で起きた転職市場の大きな変化の1つと言えます。オンライン面接活用の理由は「社会状況的に対面は適切でないため」というコロナ禍への対応に関する理由が最多でしたが、「日程・場所等社内調整が柔軟になるため」や「対面で会えない候補者と面接出来るため」といった本来的なICT技術のメリットも多く選択されています。このような面接手法の活用が定着するかどうかは、今後の大きな着目点と言えるでしょう。
なお本調査は、転職支援サービス『リクルートエージェント』をご利用の企業を調査対象としています。回答者属性にご留意いただいたうえでご参照ください。
*両業界の従業員規模「1,000人以上」の割合は、全体の8.7%に対しインターネット業界が3.4%、IT通信業界が7.2%であり、従業員規模が小さい企業でも他業界に比べて積極的な採用活動を計画していることが推察できます。
2011年リクルート海外法人(中国)入社。グローバル採用事業「WORK IN JAPAN」のマネジャー、リクルートワークス研究所研究員などを経て2021年より現職。現在は労働市場に関するリサーチなどに従事。主な専門領域は組織行動学および人材マネジメント。経営学修士。
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