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2021年 注文住宅動向・トレンド調査~土地探し苦戦者が増加、ZEH導入率は過去最高に 検討者の約4割がウッドショック影響ありと回答~

株式会社リクルート

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株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターは、すべての人の自分らしい人生を応援するため「住まいの価値」を提言・実証する研究を進めております。このたび、注文住宅の建築者・検討者を対象に調査を行いました。2021年の調査結果の一部を抜粋してご報告申し上げます。

注文住宅の建築費が増加。土地費用も増加し、首都圏中心に土地探しで困っている人が増えている(建築者)

  • 建築者(全国)の建築費用(土地代を除く)は平均2,988万円。前年より109万円増加。
  • 建築者(全国/新規土地取得者)の土地費用は平均1,678万円。前年より192万円増加。
  • 建築時の土地の有無について、建築者で「土地なし」であった人は、全国で74.1%(前年比2.6ポイント増)、首都圏で75.3%(前年比6.4ポイント増)。首都圏は過去5年で最多。
  • 検討を始めるときの困りごととして、建築者(全国)では、「最初に何から始めたらよいかわからない」が4.2ポイント増加。また、「条件に合った土地が見つからない」も2年続けて増加している。
  • 建築者(全国/新規土地取得者)の土地探しの際の不満は、「希望するエリアに土地が見つからなかった」40.6%が最多。首都圏では「希望するエリアに土地が見つからなかった」が38.8%と前年比6.5ポイント増加。
  • 建築時の重視項目として、建築者(全国)では、「設計の自由度が高いこと」が5.3ポイント、「子育てがしやすい間取りであること」が3.5ポイント、「間取り・プランが良いこと」が2.8ポイント前年に比べて増加。

展示場や不動産会社への訪問社数が減り、WEBでの検討やオンラインでの打ち合わせの利用が進んだ(建築者・検討者)

  • 建築者(全国)では、「社名を検索」「クチコミを見た」「建築会社のホームページを見た」などのネットで触れた社数は、いずれも前年より微増。一方、「住宅展示場を訪問した」社数は減少傾向にある。
  • 自宅等から行う検討方法の利用は全般に昨年より進んだが、特に「画面共有機能(Zoom等)」は検討者(全国)で前年比8.5ポイント増加し18.1%の人が利用した。

ZEH導入率が増加。過去最高に(建築者)

  • 建築者(全国)のZEH認知者のうち、導入した人は26.2%。前年から4.4ポイント増加し過去最高の導入率。
  • ZEH導入による光熱費等の経済的メリットは、平均で8,060円/月。
    ※ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がおおむねゼロとすることを目指した住宅」です。

ウッドショックに関心を寄せている検討者が多く、約4割の検討者が実際に影響を受けている(検討者)

  • 検討者(全国)の72.8%がウッドショックを認知。65.3%の人が関心を寄せており、実際に影響を受けた人は、39.2%。「費用が上がること」を気にする人が最も多く、「とても気になる」「やや気になる」で82.5%。
    ※ウッドショックとは「輸入木材不足により国産材を含めた建築用木材の高騰が起きている状況」のことです。

防災意識は昨年度より微増、ハザードマップの確認を行う人が半数を超えた(建築者)

  • 建築者(全国)で、建築に当たり防災を「かなり意識していた」または「意識していた」人は74.3%。
  • 実際に取り入れた対策として、「地震に強い地盤」「地震に強い構造」といった地震対策は減少。本年度より追加した「ハザードマップを確認し、災害リスクを確認」は52.6%の人が実施している。

解説

SUUMO副編集長による解説

注文住宅の土地代・建築費用ともに増加、土地探しで困っている検討者も昨年に引き続き増加するという結果がでました。コロナ禍で新築分譲一戸建ての販売好調による土地の争奪戦が、土地代に影響したと考えます。検討者の希望する土地を見つける難易度も上がっており、土地を一緒に探すことができる、または土地を押さえている事業者へのニーズは、今後ますます高まってくるのではないでしょうか。
そして、建築費用の増加に関しては、ウッドショックでの木材の高騰が影響しており、検討者も予算アップを検討しているようです。

コロナ禍の注文住宅への影響としては、間取りプランの自由度への関心が高まっていることが挙げられます。建築時の重視項目として「設計の自由度が高いこと」が前年と比べて5.3ポイント増加しており、コロナ禍でのステイホームにより住まいへのこだわりが増したと考えられます。また、建築会社の探し方も変化しています。展示場や不動産会社へ直接訪れず、WEB上での検討やオンラインでの打ち合わせの利用が増加しており、検討のオンライン化は今後も進んでいくでしょう。

最後に着目したい調査結果は、ZEHが認知率はここ数年頭打ちのなか、導入率が過去最高を更新したことです。政府が省エネ推進に向けて住宅の省エネ基準の適合義務化の検討を進めているなかで、消費者の関心の変化が気になるところです。ハウスメーカー大手各社も、ZEH商品の強化を図っておりますし、実際のZEH導入による光熱費などの経済的メリットは、平均で8,060円/月という結果もでており、経済的メリットの大きさからも今後も導入率は伸びていくのでないかと見立てています。
nakataniasukaSUUMO副編集長
中谷 明日香

調査概要

  • 調査目的
    注文住宅の建築者/検討者(建築予定者)の意識や行動の把握
  • 調査対象
    下記条件を満たすマクロミルモニターの男女個人
    【建築者】 1年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)を建築(竣工ベース)した人
    【検討者】 今後2年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)の建築を検討している人
    *上記いずれも本人または家族が下記職業の人を除外
    住宅メーカーまたは販売、不動産・建設関連、広告代理店・市場調査関連
  • 調査地域
    全国
  • 調査方法
    インターネットリサーチ
  • 調査時期
    スクリーニング調査:2021年7月30日(金)~8月11日(水) 
    本調査:2021年7月30日(金)~8月11日(水)
  • スクリーニング調査対象
    304,193 サンプル
  • 本調査有効回答数
    【建築者】 1,884サンプル(全国)
    【検討者】1,874サンプル(全国)
  • 調査実施機関
    株式会社マクロミル

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