2024.12.17クルマ
ユーザーが最も注目した中古車は、「ホンダ ステップワゴン」 中古車ならではのコスパやタイパメリットが高額モデルにも影響を拡大
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株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘)が企画制作する中古車情報メディア『カーセンサー』では、中古車の購入実態について詳細に把握するために、過去1年間に中古車の購入を検討した人に対して「カーセンサー中古車購入実態調査2021」を全国(沖縄県を除く)で実施しました。このたび調査結果がまとまりましたのでご報告します。
2021年中古車市場規模は調査開始以来最大
■中古車購入の費用総額は、4兆1699億円と推計。2015年の調査以降拡大傾向にあった中古車市場だが、前年は減少に転じた。今年は前年からの回復にとどまらず、ここ7年間で最大の市場規模となった。
■1年間の中古車購入率は3.3%で、昨年より0.2ポイント増加した。
■中古車購入台数(延べ)は、269.0万台で、前年より15.4万台増加した。
中古車購入単価は155.0万円で、前年より19.5万円増加
■中古車の支払総額は、「100〜150万円未満」と「50〜100万円未満」の価格帯に4割超が集中している。100万円未満の価格帯の割合が減少した一方、200万円以上の価格帯の割合は5ポイント以上上昇し、平均も20万円近く増加。
前回購入したクルマの平均乗車期間は6.1年、年代によって異なる乗車サイクル
■直近「1年以内にクルマ(新車・中古車・両方)を購入した」人は7.6%で、前年より0.3ポイント増加。
■前回購入したクルマがある人の平均乗車期間は6.1年で、2015年調査以降おおむね延長傾向にあったなか、前年より0.3年の短縮に転じた。
■20歳代は平均3.9年、30歳代は5.4年と、40歳代以上の7年前後に比べ若い年代は平均乗車期間が短い傾向。
利用方法や楽しみ方はコロナ禍もあり、前年から大きな変化なし
■中古車購入後のクルマの利用方法や楽しみ方は、「家族や友人、恋人などを乗せてドライブを楽しんだ」「長距離のドライブを楽しんだ」などが前年に引き続き減少。一方、「旅行やアウトドアなど、レジャーに出かけた」「家族や友人、恋人などにクルマを見せに行った」「出かける範囲を広げた・広がった」「趣味の活動に使うようになった」などでわずかに回復の兆しがみられる。
「クロカン/SUV」は全体的に上昇傾向、特に20・30歳代と60歳代で前年アップ
■直近で購入した中古車のボディタイプは、「軽自動車」(37.1%)が最も高いが前年より3.1ポイント減少し、2019年、2018年の水準に戻った。
■「クロカン/SUV」は2018年から4年連続の増加傾向。
次回の中古車購入意向、20・30歳代は約半数が意向あり
■20歳代(47.7%)、30歳代(47.9%)の半数近くが「次も中古車を買おうと思う」と回答。30歳代以下の若い年代で、次回の中古車購入意向が高い。
『カーセンサー』編集長/『CarsensorEDGE』編集長
リクルート自動車総研所長
西村 泰宏(にしむら やすひろ)
リクルートに新卒で入社。2015年より自動車領域の編集業務に携わり、『カーセンサー』本誌およびネットなど、コンテンツ全体のデスクを担当。2017年4月より『カーセンサー』編集長に就任(現職)。2018年4月よりリクルート自動車総研の所長、2021年4月より『CarsensorEDGE』編集長を兼任。本誌、ネットからイベントまで多岐にわたる情報発信をプロデュースしている。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員も務める。
■2021年の中古車市場規模は過去最大
中古車市場規模(推計)は、昨年コロナ禍の影響を受け初めて減少に転じましたが、コロナ禍2年目となる今年は回復。調査開始の2015年以降、過去最大となりました。昨年は、公共交通機関に代わる日常の安全な移動手段として、即決しやすい100万円未満での購入層が増加。対して今年は、200万円以上の価格帯で購入する層が増えました。ボディタイプ別では「軽自動車」の割合が減って「クロカン/SUV」が増加し、購入単価を引き上げています。ウィズコロナ時代では、自由で安全な移動手段としてのクルマ利用に加え、昨年よりも趣味・嗜好に沿うクルマを購入する動きが活発になりました。購入までの検討期間の平均日数は、大幅に短縮した昨年と変わらず「40.4日」となり、調査開始以降最も短い日数でした。調査期間中は緊急事態宣言が発令されていた期間とも長く重複しており、引き続きオンラインでの検討を組み合わせた最小限の行動での購入が促進されていることが推察されます。
■20〜30歳代の購買行動が今後の注目ポイント
今回、年代別に結果をひも解いていくと傾向の違いが見えてきました。“若者のクルマ離れ”ともいわれて久しいですが、中古車市場において購入台数が最も多いのは20歳代、そして30歳代が続きます。また、購入単価も20?30歳代は、40歳代以降のどの年代よりも高くなっています。さらに、前回購入したクルマの乗車期間は20代は3.9年、30代が5.4年とこちらも全体平均の6.1年より短い期間で乗り換えていることが分かります。つまり、単価の高いクルマを早いサイクルでたくさん購入しており、“若者は中古車市場ではエース”と言える存在です。今後も人生の中で運転と購入を繰り返すことが考えられるため、市場への影響を大きく与える世代として特に注目すべきでしょう。
■コロナ影響による短期的な中古車需要と中長期的で不可逆なトレンドの変化
自動車業界全体としてはコロナの影響と合わさって半導体不足が大きな問題となっております。人気モデルを新車で購入する場合は、数カ月の納車待ちが当たり前となってきています。一方の中古車市場では近年、試乗車や登録済み未使用車、残価設定ローンやリースなどを終えた年式の新しい車の数が増えているため、従来の新車派からも中古車が注目を浴び始めています。世の中的にもサステイナブルな機運の高まりにより、リユース品への抵抗が低減しています。今後、中古車購入は「賢い消費」や「優しい消費」として、よりその価値が見直されることが予想されます。
■調査目的 中古車購入者/検討者の意識や行動の把握
■調査方法 インターネットによる調査
■調査期間 一次調査:2021年8月5日(木)〜2021年8月19日(木)
二次調査:2021年8月12日(木)〜2021年8月20日(金)
■調査対象 一次調査:全国18歳〜69歳の男女 ※沖縄県を除く(株式会社マクロミルの登録モニター)
二次調査:一次調査において「直近1年以内に中古車を購入した人」および「直近1年以内に中古車の購入を検討した人」
■回収数 一次調査:200,000件
※平成27年国勢調査に基づき、全国を性別2区分?年代別5区分(20歳代(18〜19歳含む)/30歳代/40歳代/50歳代/60歳代)?エリア10区分?都市部(東京都特別区+政令指定都市20都市)/地方部(それ以外)2区分に割り付けて回収した。
■全国10エリア
二次調査:4,210件(ウエイトバック補正後のサンプルは4,208件)
※一次調査の回答者の中から、一次調査の割り付けに加えて1年以内に中古車を購入した人・1年以内に中古車購入を検討した人で割り付けて回収した。
■調査実施機関 株式会社マクロミル
■集計方法
[一次調査]
平成27年国勢調査の結果に基づき、性別2区分×年代別4区分(20歳代(18〜19歳含む)/30歳代/40歳代/50〜60歳代)×エリア10区分×都市部/地方部2区分別の構成比に合わせて、サンプル数を補正したウエイトバック集計を行っている。(60歳代は調査回収難度が高く、集計に十分なサンプルを確保できない区分が発生したため、50歳代と合わせて区分してウエイトバック集計を行っている)
[二次調査]
一次調査の区分に加え、一次調査で判明した「1年以内に中古車を購入した人/1年以内に中古車購入を検討した人」の2区分を加えた区分別の構成比に合わせて、サンプル数を補正したウエイトバック集計を行っている。
調査データをご使用いただく際は、下記クレジットをご記載ください。
出典:「中古車購入実態調査2021」リクルート調べ
データを加工してのご使用はお控えください。グラフデザインの再作成は可能です。
詳細は下記リンクよりPDFをご覧ください
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