2024.11.13住まい
SUUMO住民実感調査 SUUMO住み続けたい街ランキング2024 関西版
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住まい
株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)の住まい領域の調査研究機関である『SUUMOリサーチセンター』では、「SUUMOトレンド発表会2023」を2023年4月20日(木)に開催し、「平屋回帰」というトレンドキーワードを発表いたしましたのでご報告いたします。
単身世帯・小規模世帯の増加、不要品の個人間売買アプリの普及、映像・音楽コンテンツのサブスクリプション化などを背景に、私たちは以前に比べ多くのモノを持つ必要がなくなりました。人生100年時代、度重なる災害を経験し、先々のライフスタイルの変化が想定される中、変化に柔軟な家造りや将来設計の面からも“ミニマルな暮らし”に注目が集まっています。
加えて最近は、住宅資材・エネルギー価格の高騰も著しいことや、SDGs(持続可能な開発目標)の採択により、脱炭素化・省エネ意識が高まったことで、初期コスト・ランニングコストともに低い、小さな平屋・コンパクト平屋へのニーズが増加しています。かつて日本では、多くの人は平屋や1階建ての長屋に住んでおり、2階建て以上の家が普及したのは戦後からです。日本の伝統的な家の形に、今改めて注目が集まるトレンドを「平屋回帰」と名付けました。
写真左から、株式会社ヒロ建工、デザインハウス・エフ、BESS(撮影/窪田真一)、PIXTA
かつて一戸建てといえば、結婚や子育てをきっかけに、生涯住むことを前提として選ぶもので、部屋数も収納も多く設け、さまざまな変化に備えることが当たり前とされてきました。しかし現在は子どものいない世帯や単身で暮らす人、高齢者世帯、一人親世帯など、世帯も多様化。人生100年といわれる中で、転職、子どもの独立、親の介護、体の変化など、自身に起こる変化を全て想定し、生涯暮らす家を選ぶのは難易度が高く、目の前の暮らしやすさと両立できないのかもしれません。サブスクやフリマアプリ等、IT化によりもたらされたたくさんの選択肢により、全てを家の中で賄わずとも、暮らしの質が上げられるようになってきました。これからは自身の変化に合わせてその都度、最適な住まいを選ぶ「都度最適」が日々の暮らしを豊かにしてくれるのではないでしょうか。小さな投資で、変化に柔軟に対応できる、20坪前後のコンパクトな平屋暮らし「平屋回帰」の現象は、さまざまな社会背景からの必然なのかもしれません。
『SUUMO』副編集長兼『SUUMOリサーチセンター』研究員
笠松 美香
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