2024.12.16しごと
「企業情報の開示と組織の在り方に関する調査2024」第四弾「キャリア自律」から「キャリア共律」へ 働く個人が、未来の機会に自ら歩み出したくなる“5つの支援”
(c) Recruit Co., Ltd.
しごと
株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、半導体業界の盛り上がりと周辺産業に与える影響についてまとめましたので、ご報告いたします。
半導体企業の大規模工場の建設・稼働を契機に、特に九州、北海道、東北地域で半導体産業への投資が活発化しています。工場の稼働には関連産業を含む多くの労働者が必要となるため、工場周辺の人口増加や消費の拡大など、経済にプラスの影響が期待されています。この影響はマーケットデータにも顕著に表れており、求人需要や住宅需要の増加が見られます。2023年度の「半導体関連エンジニア」の求人を地域別に見ると、九州・沖縄地域では2017年度比で6.06倍、北海道・東北地域では5.90倍に増加しています。また、不動産情報サイト『SUUMO』のデータによると、大規模半導体工場の周辺地域である熊本県合志市と菊池郡大津町の2024年7月の家賃は、2019年8月比でそれぞれ1.49倍、1.41倍と、全国(1.04倍)を大きく上回っています。これらの地域を中心に半導体関連産業の求人需要が高まる一方で、多くの企業がエリア外からの人材確保に苦戦しています。その主な理由として、労働環境だけでなく、新たな土地での生活に対する不安を抱える個人が多いことが挙げられます。子育てや趣味、地域での活動など、仕事以外の暮らしをどう描けるかという観点は個人の仕事選びにおいても大きな関心事の一つです。企業は、職場の魅力にとどまらず、個人がより良い暮らしをイメージできるような住環境や地域の魅力を発信することが求められています。
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)の示した今後10年間の国内における半導体人材の必要数は4万人と予測されています。外資企業の熊本県への進出や半導体関連産業の投資が続いていることなども影響し、大学においても半導体関連の課程新設が相次いでいます。半導体産業を地域の基幹産業として発展させていくためには、産官学、金融も含めた「産官学金」のコンソーシアム等を構築し、地域全体での中長期的な人材育成システムが重要だと考えられます。そのためには、地域の「産官学金」をつなぐコーディネーターの存在が不可欠です。一方、大学進学を検討する高校生にとっては、日常的に接することの少ない半導体に関わる学びや仕事について、情報が少なくイメージするのが難しいというのが現状だと思います。半導体関連の企業や半導体に関連する学部を持つ大学などが、仕事の内容や、学生が身に付けるべき知識やスキル、将来性に関する情報を積極的に発信し、高校生の半導体業界に対する解像度を上げていくことが必要です。
※解説者のプロフィールはP4に記載しております。ご取材可能ですので下記までお問い合わせください。
『リクルートエージェント』における2023年度の「半導体関連エンジニア」求人を地域別に見ると特に「九州・沖縄」「北海道・東北」地域の伸びが大きく、それぞれ2017年度比で6.06倍、5.90倍となっています。
『SUUMO』における地域別の家賃相場推移を見ると、半導体工場の建設が進む地域では家賃相場が急上昇しています。特に熊本県合志市、菊池郡大津町、北海道江別市では、2024年7月の家賃は2019年8月と比較してそれぞれ1.49倍、1.41倍、1.29倍に上昇しており、全国(1.04倍)を大きく上回っています。
台湾の半導体メーカーの熊本工場近隣である合志市や菊池郡大津町では、特に需要が高まっています。熊本県全体で渋滞が社会問題となっているため、工場から離れた熊本市内よりも工場周辺で住まいを探す人が増えています。
熊本県内のアルバイト・パート求人の動向を「事務系」「フード系」「専門職系」「製造・物流・清掃系」「販売・サービス系」「営業系」の6つのカテゴリーで見ると、2023年度は「事務系」と「フード系」が2018年度に比べていずれも2倍以上に増加しています。この増加の背景には、半導体企業の誘致による盛り上がりや外国人観光客の増加による観光産業の活況があると考えられます。特に「フード系」では、2020年度に大きく落ち込んだものの、その後は急激に回復し、求人需要の急増がデータに表れています。
1995年、リクルート入社。以来、編集、広告営業、事業開発等を経て2011年にSUUMO編集長、2019年よりSUUMOリサーチセンター長を兼任。取材、調査、データ解析などを通じて、住まい領域のトレンドをテレビ、新聞、Webメディア等で発信する。内閣官房、国土交通省、経済産業省、環境省などの委員も歴任。
1988年株式会社リクルート入社。グループ統括担当や『ケイコとマナブ』商品企画マネジャー、大学ソリューション営業、社団法人経済同友会出向(教育問題担当)、会長秘書、大学ソリューション推進室長などを経て、2007年4月より現職。文部科学省中央教育審議会高大接続特別部会委員、高大接続システム改革会議委員などを歴任。現、中央教育審議会大学分科会質保証システム部会委員。『リクルートカレッジマネジメント』編集長兼務。
2011年に中途入社し、電子部品・半導体メーカーを長く担当。現在は同領域のハイキャリアエンジニアのスカウトチームリーダーとして、市場や業界動向を踏まえ、最先端エレクトロニクス領域の企業の採用支援、求職者の転職支援にあたる。
調査方法:『リクルートエージェント』求人データの分析
調査対象:『リクルートエージェント』求人データ
有効回答数:非公開
調査実施期間:2024年7月~2024年8月
調査機関:リクルート
関連するプレスリリース