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2025.02.20しごと
『就職白書2025』2025年卒の就職・採用活動の振り返りと、2026年卒の採用見通しを調査
(c) Recruit Co., Ltd.
深刻な人手不足を背景に、社外の人材に魅力的な給与を示す傾向が強まる
しごと
株式会社リクルート
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:北村 吉弘、以下リクルート)は、四半期に一度公表している「転職時の賃金変動状況」(※1)を分析し、中小企業(※2)への転職時に「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」についてまとめましたので、ご報告いたします。
(※1)「転職時の賃金変動状況」は、転職支援サービス『リクルートエージェント』において、“転職者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか”という点に着目し、「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」の経年変化を見ている調査データです。https://www.recruit.co.jp/newsroom/data/i-a009/
前職(転職前)の賃金は時間外労働等の「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらが含まれないため、「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は実態よりも低めの値となる傾向があります。
(※2)本リリースでの『リクルートエージェント』求人データ・転職者データにおいては、従業員数300人未満を中小企業、300人以上を大企業とし、調査時点での従業員数を基にデータを抽出しています。
中小企業に賃上げの流れがどれだけ波及するかが、日本経済にとって重要な課題です。労働組合の中央組織・連合の2024年春闘の集計では、組合員数300人以上の大手組合の賃上げ率が5.19%、300人未満の中小組合では4.45%と、大企業と中小企業との間に差が見られます。
中小企業は大企業よりも人手不足が深刻で、キャリア採用のニーズは高まっています。『リクルートエージェント』のデータを分析すると、2023年度の中小企業への転職者数は、2019年度の1.68倍と、大企業(1.43倍)の増加率を上回っています。
中小企業が求職者にいかに賃金を示しているか、同じく『リクルートエージェント』における動向を調べました。中小企業への転職で1割以上賃金が増えた転職者の割合の推移は、2019年度の30.1%から、2023年度の35.4%まで上昇。直近では大企業と比べて賃金が増えた転職者の割合が高くなっています。特に、事業成長を背景に民間の採用支援サービスを活用し、積極的に採用を進める中小企業は、自社の将来を左右する戦略分野の人材を確保するため、求職者に選ばれるべく魅力的な賃金を提示する傾向にあると言えます。
採用競争で劣後しないためには、定期的な賃金水準の見直しが不可欠です。他社の賃金水準と比較し、必要に応じて自社の賃金水準を見直す企業ほど、採用が進みやすくなります。もちろん、求職者が企業に求めるのは賃金だけではなく、特に地方では転勤の有無や年間休日数などの就業環境も重要な要素です。いずれにせよ、求職者のニーズを把握し、自社が提供できる価値を適切に伝えることが、採用を進める上で優位に立つ条件と言えるでしょう。
調査方法:『リクルートエージェント』求人データ・転職者データの分析
調査対象:『リクルートエージェント』での求人、『リクルートエージェント』を利用し、転職した方
有効回答数:非公表
調査実施期間:2024年12月~2025年1月
調査機関:リクルート
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