さまざまな障がいの選手がそれぞれのスタイルでプレーするパラ卓球とは
パラ卓球では男女別に車いす、立位、知的障がいの3クラスに分かれて競技を行います。さらに車いすと立位では、障がいの種類・程度ごとにそれぞれ5つのクラスに分かれます。東京2020パラリンピックでは個人戦(シングルス戦)と団体戦(ダブルス戦1試合、シングルス戦2試合)が実施されました。一部変更があるものの基本的なルールは一般の競技規則に準じており、ラケットやボール、台なども一般と同じものを私用します。
また、パラ卓球では、異なる障がいの選手でもプレーへの影響が同程度なら同じクラスで戦います。そのため、下肢まひの選手と義足の選手が対戦することも。
選手は障がいに応じて、義手をつけたり、杖を持ったり、ラケットを口にくわえたりして戦います。自分の弱みと、それを克服するための戦略を踏まえたプレーや選手同士の駆け引きがパラ卓球の魅力なのです。
パラアスリートの戦略をVR動画で体験
動画では、第19回東京身体障害者スポーツ大会で金メダルを獲得した山田 大地さんのプレーをVRで紹介。競技中に選手が見ている景色を体感できます。
手足が短い山田さんは、試合では相手の選手から卓球台の端にボールを返されて左右に振られることが多いそう。相手のペースにのまれる前にいかに先制していくかが山田さんの戦略のひとつです。動画では力強いラリーやスマッシュが見られるので、ぜひVRでその迫力を体験してください。
山田さんが理事を務める東京身体障害者卓球連盟では、障がい者卓球の普及活動も行っています。障がいのある人もない人も楽しめるスポーツとして、家族や周りの人と一緒にパラ卓球を楽しみ、応援できるような環境を作っていきたいと考えているそうです。
パラ卓球の見どころ
パラ卓球の選手たちのプレーは障がいに大きく影響されます。
車いすを使用する場合には、左右に大きく動くことが難しいため、選手は台の近くでプレーします。近距離での激しい打ち合いや、ネット際に球を落とすテクニックなどが見どころですね。立位の場合、障がいが軽度のクラスではラケットを持たない側の腕にのみ障がいを持つ選手なども出場し、ハイスピードな激しい試合が繰り広げられます。
また、障がいによる相手のプレースタイルや弱点を見極めた、選手それぞれの戦略もパラ卓球の魅力のひとつ。例えば、右脚に障がいのある選手は、右側を攻められると反応が遅れるかもしれません。小人症の選手は球が高くバウンドすると反応が難しいかもしれません。こういった障がいの要素も踏まえて戦略を組み立てるので、パラ卓球の攻め方は多種多様。事前のリサーチはもちろん、激しい打ち合いをしながら相手を見極めて戦う選手同士の駆け引きもパラ卓球の見どころです。
観戦の際には、こうした選手たちのプレースタイルや駆け引きにも注目してみてください。
【出演アスリート情報】 ※アスリート情報は、取材当時のものです。
山田 大地(DAICHI YAMADA)
・ 所属:東京身体障害者卓球連盟 理事
・ 競技クラス:クラス10
・ 主な戦績:第19回東京都障害者スポーツ大会(金メダル獲得)
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