カーリングのようでひと味違う? ヨーロッパ生まれの「ボッチャ」
もともとは、脳性まひや重度障がいが四肢にある人のためにヨーロッパで考案されたボッチャ。いまでは障がいの有無に関わらず、誰でも楽しめるスポーツとして広まっています。
ボッチャは、的となるジャックボール(白いボール)に、赤と青それぞれのボールをいかに近づけるかで勝敗が決まります。これだけ聞くとカーリングに近い競技にも思えますが、ボッチャの場合は的であるジャックボールを弾いて移動させることも可能なため、また少し違った楽しみ方ができるスポーツといえます。
国際大会では、障がいの種類と程度によって4クラスに分けられます。手で投げられない選手は、足蹴りが可能だったり、勾配具(ランプ)の使用が可能だったりと、パラスポーツならではの工夫が施されています。
ジャックボールは先攻側が投げますが、近距離に置くか遠距離に置くかなど、その瞬間から選手たちの頭脳戦がはじまるのです。
簡単そう? 難しそう? VR動画でボッチャを体感
動画では、実際にボッチャをプレーするパラアスリート3名の様子を紹介。投球位置とジャックボールとの距離が意外と離れていて、この近くにボールを投げるのは思った以上に難しそうだと感じる人もいるのでは?
2019年 日本ボッチャ選手権BC2クラス3位の海保 美宏選手は、まずは日本一になり、いずれ世界にも出ていきたいと話します。
日本ボッチャ選手権ベスト8に入った経歴を持つ周藤 穂香選手は、最重度障がいの選手が該当するBC3クラスで活躍。自力で投球ができないため、アシスタントによるサポートを受けながら勾配具を使用して競技を行います。動画では勾配具を使用した投球やアシスタントとのやり取りも見られますので、パラスポーツならではの工夫をチェックしてみてくださいね。
ボッチャ甲子園ベスト8に進出したこともある木村 萌愛選手は、ボッチャの魅力のひとつに「自分を最大限活かせる限界のないスポーツ」であることを挙げています。
最後の一球まで勝敗がわからないゲーム展開は奥が深く、「これがボッチャだ」という決まりのないさまざまな戦い方があるところが、ボッチャの魅力なのでしょう。
パラアスリートたちの頭脳戦を楽しもう
ボッチャは激しいスポーツではありませんが、制限時間のなかで柔軟な戦略と集中力が求められる頭脳戦です。広いコートを使って「的をどこに置くか」からはじまり、「いかに相手の動きを先読みし戦略を練るか」「近距離/遠距離戦に持ち込む場合、いつ的を弾いて移動させるか」など、選手が何を狙って動いているかを予想しながら観戦するのも楽しいもの。
日本では、予選を勝ち抜いた選りすぐりの選手たちが順位を競う「日本ボッチャ選手権大会」をはじめ、特別支援学校や特別支援学級などに通う児童・生徒が出場する「全国ボッチャ選抜甲子園」、障がいの有無に関わらず試合に参加できる「東京ボッチャカップ」など、さまざまなタイプの大会が行われています。
動画でボッチャに興味を持たれた方は、一度トライしてみてはいかがでしょうか。
【出演アスリート情報】 ※アスリート情報は、取材当時のものです。
海保 美宏(YOSHIHIRO KAIHO)
・ 群馬県ボッチャ協会所属、東京電力パワーグリッド株式会社勤務
・ 競技クラス:オープン座位クラス
・ 主な戦績:2019年 日本ボッチャ選手権BC2クラス3位
周藤 穂香(HONOKA SYUTO)
・ 群馬県ボッチャ協会所属
・ 競技クラス:BC3クラス ※BC3クラスは、ランプ、デバイスを使って投球。スポーツアシスタントは選手の指示通りに動き、コート内を見ることはできない。
・ 主な戦績:2016年 日本ボッチャ選手権ベスト8、2017年 バンコクワールドオープン出場
木村 萌愛(MOE KIMURA)
・ 群馬県ボッチャ協会所属、群馬県立あさひ特別支援学校高等部在学
・ 競技クラス:オープン座位クラス
・ 主な戦績:2019年 ボッチャ甲子園ベスト8
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