クライアントサクセス企画 まなびソリューション推進部
クライアントサクセス推進1グループ
中尾 隆人 Ryuto Nakao

社会貢献性の高い教育というドメインで、
プランニングだけでなく実行まで携わりたい。

どのような魅力と可能性を感じて、リクルートを選んだのでしょうか。

リクルートに入社する以前は、食品会社および通信会社でマーケティングやそれに付随するデータ分析・統計解析などに従事してきました。担当業務自体にはやりがいをもって進めていましたが、私はあくまでも事業をサポートする立場。もっとビジネスに直結するような仕事、戦略策定だけなく実行まで携われるような仕事がしたいと思っていたときに、リクルートの記事を読み、興味を持ちました。
その記事で取り上げられていたのは、リクルートのオンライン学習プロダクトである『スタディサプリ』。「教育」というドメインは個人の自己実現はもちろん、社会全体をよくすることに直結しやすい事業だと考えるようになりました。また、新規立ち上げから急速に成長していった過程を知る中で、その事業に関わる人がみな主体性を持って行動し決断しながら事業を動かしていく様子にも惹かれました。元々ビジネスに直結するような仕事に移りたいと考えていた私には、そのような働き方がとても魅力的に映ったのです。

面接で実際社員に会ってみると、若くしてマネージャーを務める人も多く、組織の垣根や上下関係を気にしないフラットで活気のある職場だと感じました。また、役員から「価値の高い仕事をするには、アウトプットだけでなくインプットも大切。業務以外の学ぶ時間も大切にしてほしい」と言われたこともポイントです。一概に長時間労働を是とせず幅広い学びを推奨し、責任ある立場の人も飽くなき向上心を持っていることに魅力を感じましたね。

顧客が抱える本質的な課題を探り当て、
“三方良し”のソリューションに仕立てる。

入社後は、どんな仕事・ミッションに携わってきましたか。

はじめに携わったのは、大学・専門学校の学生募集と高校生の進路選択を支援する進学領域の“業務設計”。『スタディサプリ進路』に進学情報を掲載いただき、高校生にその情報を届けるまでの業務プロセスを設計・改善することで、クライアント、カスタマー、リクルートの全員がよりよい状態を目指す、という役割です。例えば、進学情報を掲載するまでには、大まかに商談~受注~取材~制作~原稿確認~入稿というプロセスがあります。業務設計は、この各プロセスが質高く効率的に進められるような、最適なやり方を整えていく仕事です。ビジネスが円滑に流れるように業務フローを整理したり、必要であればシステムやツールを導入したりしながら、業務プロセス全体をデザインします。

この仕事を通して、細部までこだわる緻密な設計力が鍛えられたと感じています。はじめのうちは検討が足りないところを指摘されることが多く、求められるレベルの高さに圧倒されました。しかし、そこまでこだわるのは、リクルートが大事にしている“圧倒的な当事者意識”も理由の一つだと気づいたのです。トップに承認を取れば物事を動かせる会社もありますし、動かす側からすると正直その方がスムーズに進められる時もあります。しかし、リクルートでは、トップだけでなく現場や関係各所と丁寧に対話することも求められる。各部署のメンバー一人ひとりが当事者意識を持ち、主体的に事業やプロダクトに携わっているからこそ、施策の目的・背景を丁寧にコミュニケーションして、ポジティブに受け入れてくれるような状態を、いかに緻密にデザインするかが大切なのだと気づきましたね。

コミュニケーション設計×業務設計×ICT。
培ったスキル総動員で挑む“総合格闘技”。

現在の担当役割についても教えてください。

現在は塾市場向けの『スタディサプリ』および法人向けの『スタディサプリEnglish』のクライアントサクセスを企画・実行する組織のマネージャーを務めています。一般的にSaaSプロダクトは、買い切り型のプロダクトに比べて初期コストが安価であるため、ユーザーに導入していだきやすいメリットがある一方で、少しでも使いづらさや期待とのずれを感じると、容易に離脱してしまうという特徴があります。そのため私たちは、クライアントがプロダクトを利用する目的(サクセス)にあわせて、そこに至るまでにつまずきやすいポイントを洗い出し、「いつ・どこで・誰が・どのように」クライアントとコミュニケーションを取れば、問題が起こる前に先回りをしてサクセスに導けるかという全体像を設計しています。各プロセスで最適な戦術(人が電話やメールでナビゲートする・サイトのFAQを充実させる・プロダクトを機能改善する等)を立案するとともに、運用するための最適なオペレーションを組み立てていくことが私たちの役割。クライアントにプロダクトの価値を感じてもらい、持続的に使っていただくことを目指して活動しています。

この役割にたどり着いたのは、それまで『スタディサプリ』のインサイドセールス組織の業務設計を担当していたことがきっかけです。当初セールス組織から依頼されていたのは顧客獲得(契約)までの業務設計だったのですが、そのプロセスの最適化に取り組むうちに、後工程である「顧客が価値を感じ、使い続けてもらう」ところまで責任を持って手掛けたいという想いが徐々に高まっていました。そんなときに、『スタディサプリ』を導入するプロジェクトの業務設計を新規で担当し、多くの高校への導入を実現。これを絶好のチャンスと捉え、「導入後のクライアントサクセスまでやらせてほしい」と自分たちで新たな役割へと染み出していきました。

私にとってクライアントサクセスの仕事は、これまで培ってきたさまざまなスキル・知識を総動員して戦う“総合格闘技”のようなものだと感じています。顧客にあわせて「いつ・どこで・誰が・どのように」という全体戦略を描くコミュニケーション設計は、マーケティングや消費者調査のナレッジが活きていますし、その後それを仕組み化し、施策の価値とコストのバランスを見ながら推進していく方法を考える業務設計には、リクルートに入社した当時に担当していた業務知識を活用しています。また、最新のテクノロジーを取り入れてクライアントサクセスを進化させていく意味では、各種業務プロセスのDX推進を通して身についた、システム・データ活用のノウハウも活かせる。これまでの集大成のような気持ちで臨んでいますし、まだ世間的にも発展途上の分野のため日進月歩で新しいナレッジが生まれており、常に新たな知識を吸収しながら取り組める、刺激的な仕事だと感じています。
例えば、一口に「学習塾に『スタディサプリ』を継続利用してもらう」といっても、中学生向けの塾か高校生向けか、個別指導なのか集団指導かによっても、それぞれのクライアントが抱える悩みや『スタディサプリ』に求める価値は異なります。極論、クライアントごとに人をつけてマンツーマンのフルサポートをすれば解決はできる。でも、それではビジネスモデルとして成り立たないため、クライアントの属性ごとに傾向を導きだし、メールマガジンや動画による操作説明、チャットボットによるナビゲートといった方法も組み合わせて成功に導ける状態をいかにつくるかが、私たちの腕の見せ所です。

各事業で続々と生まれるクライアントサクセス事例のおかげで、
実現したいことに最短距離で到達しやすい環境。

仕事のやりがいについて教えてください。

大きなやりがいになっているのは、「自分たちがビジネスの本丸を担っている」という気概を持って取り組めるところです。SaaSビジネスは、商品を売って終わりではなく、お客様にそのプロダクトは価値がある(役に立つ)と感じて使い続けていただかなければ収益が成り立たないビジネスモデル。そのため、SaaSビジネスにおいてクライアントサクセスはプロダクト開発と同じくらい重要な機能なのです。また、特に『スタディサプリ』のクライアントサクセスは、SaaSビジネスにおける先行事例として社外でも取り上げられてきました。先行している分だけ私たちが取り組むテーマは未開拓であることも多く、挑戦しがいがあるのもやりがいの一つです。

そうしたチャレンジをするうえで、リクルートには『スタディサプリ』だけでなく『Airレジ』『Airペイ』『Airワーク』など、各事業でSaaSプロダクトを推進していることは大きなアドバンテージ。事業の垣根を越えてさまざまなナレッジをシェアしあって応用できるのも、リクルートでクライアントサクセスに取り組む醍醐味です。プロダクトによって、大企業向け・SMB(中小・個人事業)向けと違いがありますし、BtoB、BtoC、BtoBtoC…とさまざまなタイプのSaaSプロダクトが社内には存在します。だからこそ、担当プロダクトで経験のない問題に直面したときでも、社内を見渡せば、他のプロダクトが過去に取り組んだことや、そこから生まれたナレッジがヒントになることも多いです。
知識だけでなく、リクルートがビジネスを通して蓄積している豊富なデータも、顧客の行動や悩みごとを予測して先手で手を打っていくためには欠かせない要素。各種データを活用しながら、検討~実行~検証のサイクルを高速で回せることが、私たちが実現したいことに最短スピードで到達する助けになっています。その前提として、データの利活用については個人情報保護を最優先に、プライバシーの専門部門と連携しながら検討を進めています。

クライアントサクセスにおける進化のヒントは、すでにリクルートの中にある。
プロフェッショナルを育て、世の中に伝播させたい。

リクルートで働く魅力と、今後の目標について教えてください。

リクルートで働く魅力は、“ロマンとそろばん”の両方の視点をバランス良く持ち合わせているカルチャーがあるところです。
“ロマン”という意味で象徴的なのは、創業以来、広告メディアの営業は広告枠を売って終わりではなく、クライアントと一緒に企画を考え、効果に伴走し、提案を繰り返しながらお客様の商売が成功することを支援してきたことです。これは、お客様の成功を導くことで自社のビジネスを成功させる、クライアントサクセスの考え方そのもの。リクルートには昔から顧客価値を高める意識が根付いているのです。また、もう一つの“そろばん”の視点も併せ持つからこそ、想いだけでなくビジネスとして成立させるためのシャープな戦略を求められる環境でもあります。どんなに顧客価値を高められても、ビジネスとして採算が取れなければそのプロダクトはサステナブルではなく、結果的に顧客に迷惑をかける。そうした観点を大切にしている人が多いのも、筋の良いクライアントサクセスになりやすい環境だと思います。

私は、こうしたリクルートの風土の中で、クライアントサクセスをもっと極めていきたい。目指すはリクルートが世の中のクライアントサクセスを牽引する存在になること。リクルートの取り組みが社会にもっと評価され、みんなのお手本になっていけるような取り組みをさらに増やしていきたいです。まだまだ世の中で生まれたばかりの新しい職種ですから、この専門性を持つプロフェッショナルをたくさん育てていくことも、マネージャーとして挑戦したいことの一つ。私の組織で育ったメンバーが社内で活躍するのはもちろん、リクルート流のクライアントサクセスを世に広めていく伝道師として社会で活躍していくような人もたくさん輩出していきたいです。

記載内容は取材当時のものです。

おすすめのインタビュー記事

to top