リクルートの部活動は900種類以上! 新設ウェルカム、その理由は?
共通の趣味や興味・関心を基に有志が集う、企業の部活動制度。リクルートには、以下のような部活動が存在しています※。
※2024年10月時点
万年筆やガラスペンで美文字をめざすペン字部/ラーメン同好会/地元の活性化について考える/宇都宮温活部/九州Let’s enjoyゴルフ部/一筋縄ではいかない子育てを頑張る家族部/ご当地の美味しい特産品食べよう部/東海ランチグルメ部/無敵の金曜日部/週末サーフィン倶楽部/おいしいものリサーチ研究会/伝統工芸の体験めぐり/新大久保韓国グルメを巡り交流を深める会/市場探索部/知多半島愛好会/ゆるやか卓球部/謎解き部/将棋部/優雅なお茶会/福岡Walker/ゆるり野球部/KOBE餃子部/かながわグルメ部/音楽フェス部/東京・歴史ぶら散歩の会/癒し部/全国実業団大会出場を目指すテニス部/TOKYO SWING CLUB/東海釣り部/東京サウナ×キャンプ部/犬部/自給自足構想委員会/超初心者モルック部/昭和レトロ体験部/ホームパーティー部/野球部★広島/東京グルメ部/九州釣り部/関西飲食店研究会/ukulele部/整肉塾/森業部(もりぎょうぶ)/料理研究会/日本酒部/カレーを食べてサウナに行く部活/猫部~にくきゅう組~/積み手将棋議論論破同好会/k-pop&韓ドラ部/J-League Fans Association Team J/お花部(フラワーアレンジメント)/【関西】釣り部/九州筋トレ部/サラウンド部/カニ部/新卒ゆるふわゴルフ部/焼酎部/スポーツリアル観戦部/海洋研究会/フリースタイルラップ部/プロレス同好会/野鳥観察部/スパルタンレース部/四国サウナ~部/デパ地下スイーツ部/競走馬研究会/北海道テニス部/静岡お料理クラブ/乗馬部/カフェイン部/北海道プロレス部/治療・通院と仕事の両立を考える会/落花生が好き部/ファイナンスアウトドア部/アート探訪 etc…
現在、その数は900種類以上。参加者も1万人を超えると言います。名称の一覧を見るだけでも活動内容・地域の幅広さがうかがえますが、全社的な部活動制度が始まったのは2019年。開始から5年ほどでここまでの規模になった部活動制度を、担当者はどのような思いで運用しているのでしょうか。ワークプレイス統括室の安永早織に聞きました。
リクルートの部活動って何があるの?
― リクルートには900種類以上の部活があるんですね。従業員として「たくさんの部活がある」とは感じていましたが、ここまでの数とは思いませんでした。
安永:部活動の数は部活動制度の導入から増え続けており、2024年10月時点で967部となっています。総部員数は1万2033人で、従業員の約34%が何らかの部活動に入部しています。部署や年次もバラバラの従業員が、共通の興味・関心をテーマに部活動を立ち上げ、自律的に集まっている…「好奇心」を大切にしているリクルートらしいですよね。
― 想像以上に大規模でした。967種類もイメージできないのですが、どのような部活動があるのでしょうか。
安永:ジャンルは多岐にわたります。例えばカードゲームを楽しむ部活では、月に一度オフィスの会議室で実戦形式の練習会※が行われています。過去、日本代表選手となった従業員も活動に参加しており、熱量が高いんです。
※活動は業務時間外
安永:また、災害対策をテーマとした部活も存在します。「災害が起きたらどうしたらいい?」「有事の備えって何が必要?」といった不安や悩みを相談できる場となっており、被災地の現状を知るための勉強会なども開催しています。
安永:他にもテレワークによる運動不足解消のために毎週活動しているラジオ体操部や、副業・兼業を行っている従業員が情報交換を行う副業部、表千家の稽古を中心とする茶道部など、個性的な部活動が揃っています。
「新しい価値の創造」のインフラを文化にしたい
― 元々、どういう経緯で部活動制度は生まれたのでしょうか?
安永:リクルートはHR、住まい、美容、飲食などサービスの領域が幅広く、異なる領域の従業員同士の接点が限られていました。この接点を増やし、従業員が年次・領域を超えて関係性を構築できるよう、2019年からリクルート全体で部活動制度の運用が始まりました。
― わざわざ制度にしなくとも、共通の趣味で集まるシーンはあると思うのですが…会社として制度にしている意味は何なのでしょうか。
安永:リクルートが掲げるバリューズ「新しい価値の創造」の土台を整えるためです。リクルートは創業から従業員一人ひとりが自身の好奇心や情熱に気付き、機会を生み出し、仲間とともに進化することで、社会に価値を届けてきました。この価値観に共感する仲間と広くつながり、協働・協創が生まれる「公園(CO-EN/Co-Encounter)」のようにリクルートを進化させたい。そのために、仲間とつながるプラットフォームとして部活動を提供しています。
― 仲間とつながることで、具体的にどういったメリットが生まれているのでしょうか?
安永:例えば「交流を通じて他部署の従業員と知り合うことができた」「他事業や自社についての理解が深まった」といったもの。自分の知らない部署の従業員と接することで新たなキャリアを描けるようになったり、仕事に活かせるコツ・テクニックを共有したり、といった事例がありますね。逆に、業務で直接利害関係のない部員にこそ相談できることもあるようで、「精神的に業務を進めやすくなった」なんて声もいただきます。
― 部活動が業務に良い影響を与えているのですね。
安永:そうですね。また、「リクルート社内の新規事業提案制度『Ring』のアイデアが生まれた」「部署を超えたプロジェクトを動かすことになった」などイノベーションが芽生えた事例も存在します。そういった事例を従業員が自発的に社内に告知するなど、コミュニケーションのきっかけにもなっていますね。
― 最後に、「リクルートの部活動をこのように進化させていきたい」などありましたら、ぜひお聞かせください。
安永:私はリクルートの「一人ひとりが自律的に働くこと、そして個々の強みを集結させチームという集合知で個の限界を超えること、結果として個人もチームも常に進化を遂げていく」という考え方が好きですし、入社の決め手も理念への共感でした。自律性を尊重されることで、「自由に動いていいんだ」という心理的安全性が保たれているような気がして。一方で、いくら「心理的安全性を保障しています!」と言われても、動くに動けない人もいると思うんです。そういった方々が一歩踏み出せる環境を作り、リクルートでの生活を満喫して欲しい。だから、より仲間を見つけやすく、出会いやすく、集いやすい場を提供し続け、ゆくゆくは部活動を「制度」ではなく、あって当たり前の「文化」に昇華させていきたい。そう願っています。
登壇者プロフィール
※プロフィールは取材当時のものです
- 安永早織(やすなが・さおり)
- 株式会社リクルート 経営管理 ワークプレイス統括室 ワークプレイス統括部 サービスグループ
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建設機械メーカーでの企画・工程管理を経て、2016年リクルートに入社。『リクナビ』など人材領域の営業を担当したのち、2021年に現部署へと異動。2023年からはマネジャーとして、オフィスのサービス機能最大化と社内コミュニケーションの活性化に取り組む