【だから、私はきょうも働く】 ~行列の待ちを解決することで、より豊かな時間を~

【だから、私はきょうも働く】 ~行列の待ちを解決することで、より豊かな時間を~

100年分の時間を解放した、待ち時間解消・緩和サービス『Airウェイト』

≪行列に並ぶことなく繁盛店の順番待ちができる≫と評判になり、2014年のリリース開始からわずか1年で、飲食店や量販店を中心に多くの場所で使われるようになった『Airウェイト』。この新サービスはどのようにして生まれたのか。どのような人間がつくっているのか。今回は『Airウェイト』の生みの親である渡瀬丈弘に開発秘話を聞いた。

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きっかけは自分自身の体験。≪待ちの不満≫を解決したかった

「世の中にあふれる"待ちの不満"を解決する。それが今の私の仕事です。日々、どうサービスを拡大していくべきか、どんな機能を追加するべきか、と知恵を絞っているのですが、この仕事で絶対に忘れてはならないのは≪生活者としてのリアルな感覚≫だと思うんです。今でこそ全国で利用されるようになった『Airウェイト』も、もとをたどれば私自身が経験した≪待ちの不満≫がすべての始まりでした。

冬の肌寒い日に友人と"俺のイタリアン"という人気店に行くことになり、≪混んでるんじゃない?≫≪空いてるかもよ≫なんてやり取りをしながらレストランに向かいました。結局、2時間待ちの行列があり、私たちは寒さに震えながら呼び出しを待つことになったんです。この状況にうんざりした私は、レストランの順番待ちで名前を書くウェイトボートも、インターネットで管理ができるのではないかと思い、1週間かけて『Airウェイト』の試作品を開発し、"俺のイタリアン"にこのサービスの価値を熱弁したんです。お客様にもどうにかしたいという想いがあったようで、開発協力の話はトントン拍子に進んでいきました。やはり机上の空論では良いプロダクトを生みだすことはできません。オフィスを飛び出して≪自分の想像を超えたプロダクトに挑戦していくこと≫を私は大切にしています」

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プロダクトが暮らしを変え、幸せを生む。それがいちばん嬉しい

「富岡製糸場に『Airウェイト』を導入したときのことは、今でも忘れられない仕事のひとつになっています。当時、この世界遺産は朝9時の開場時に数百人もの行列ができてしまい、たびたび来訪者から不満の声があがるような状況でした。なので『Airウェイト』を使ってもらえればこの待ち時間の不満は解決できると思いました。ただ、たとえ課題を解決したとしても、生みだされた時間を活用できる場所がなければ観光客にとっては意味がありません。私は地域の運営会社や近隣の商店街をまわり協力を依頼し、当日の観光客の誘導の仕方や待ち時間に使えるクーポン、カフェの営業開始時間を早めるなど様々な工夫を施していきました。当初は≪本当に使う人いるの?≫と懐疑的な方もいらっしゃったのですが、結局その心配は杞憂に終わりました。当日、見事に行列は解消され、商店街は順番待ちの時間を楽しむ観光客であふれかえっていたんです。≪富岡製糸場、楽しみだね≫≪どこでお昼たべようか≫そんな観光客の笑顔を見た瞬間、これまでの苦労が一気に吹き飛びましたし、『Airウェイト』を生みだしたことを誇りにさえ感じました。プロダクトが暮らしを変え、幸せを生む。いくつになっても、どれだけキャリアを積んでも、この喜びだけは一生、色褪せることはないと思います」

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世の中の不を解決する。そのためだったらなんでもやる。

「繁盛店にはじまり、観光スポット、家電量販店、旅行代理店、病院や銀行でも『Airウェイト』は活用されるようになりました。よく≪成功の秘訣は?≫と聞かれるのですが、やはりリクルートならではの≪圧倒的な当事者意識≫が最大のポイントだったと私は思います。初期段階では試行錯誤を繰り返しながらの泥臭い開発でしたし、ときには≪本当に待ち時間を解消しているのか≫と来訪者の動向を店舗前から待機時間の使い方まで追いかけることもありました。もしも≪絶対にいいサービスをつくって、ユーザーの不満を解決したい≫という強い想いがなかったとしたら、途中で暗礁に乗り上げていたかもしれません。現在もプロデューサーの枠を越えてクライアントを訪問することもありますし、現場でタブレット端末の使い方をレクチャーすることもあります。世の中の不を解決する。そのためだったらなんでもやる。そんなリクルートのDNAが『Airウェイト』の原動力です。世の中の≪待ちの不満≫はまだまだたくさんあると思いますし、今後もサービスを進化させるなかでより多くの人たちに豊かな時間を提供していきたい。そしていつかは『Airウェイト』を≪世界のサービス≫に育てていきたいと考えています」

働く私の休日

ついつい仕事に没頭してしまう私。平日は帰りが遅いので、休日はなるべく妻や子どもと時間を過ごすようにしています。先日も栃木県佐野市に家族旅行に出かけ、子どもといちご狩りや佐野ラーメンを楽しみました。

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