【だから、私はきょうも働く】~制約を打ち壊す新しい働き方を生み出し、働きたい人と企業を繋げていきたい~
待機児童問題の要因のひとつである保育士さん不足。リクルートジョブズの石黒哲雄は、担当クライアントである保育事業者の方と共に、この問題に対してのひとつの解決策にたどり着いた。勤務時間帯を区切った短時間勤務や、補助スタッフの方との連携などにより保育士さんにとっての業務負荷を極力軽減。保育士の新たな雇用を生み出す働き方を形にしたのだ。困難も大きかった取り組みについて、石黒に話を聞いた。
クライアントと共にプロジェクトチームを結成。現場のリアルを肌で感じた
「世の中の多くの保育事業者が悩んでいるのと同じように、私の担当クライアントさんも保育士不足に頭を抱えていました。業務量に対して保育士さんが足りないため残業が多くなりがちで、その業務負荷の大きさによって、さらに退職される方が出てしまうという負のサイクルが生まれていたんです。この現実を知った私は、クライアントのみなさんと一緒にプロジェクトチームを組み、解決策を検討しました。現場のリアルな状況を肌で感じようと思い、NPO法人や各協会、インターネット上等で保育士が抱える負を集めたり、2週間クライアントの保育園での業務を見学させてもらったりもしました。その結果見えてきたのが、保育士資格のない補助スタッフさんを十分に活用しきれていないということと、延長保育の時間帯をいかに残業せずにカバーできるかということでした」
復職・資格取得支援で保育士増員。人材のエコサイクルがまわり始める。
「解決策として行った取り組みは主に3つです。ひとつは、保育士さんと補助スタッフさんの業務の切り分けを見直すこと。例えば食事の準備や片付けなど資格が不要な業務は切り分けて補助スタッフさんが担当し、連絡帳の記入など保育士さんが本来やるべき仕事に集中できる体制をつくりました。2つ目は、延長保育の夜間帯2時間のみ勤務する保育士さんを募集したこと。実はこの時間は保育士さんが一人で見る子どもの数が日中より少ないため、ブランクのある保育士さんにとっては本格復帰に向けて働き始めるのにちょうどいい機会になるのではないかと考えたんです。そこで≪2時間OKの保育士勤務≫≪ブランクある方歓迎≫の求人広告を出したところ、期待通りのご応募が!日中勤務の保育士さんは、安心して引き継いで定時で帰れるようになりました。そして最後に、補助スタッフさんの資格取得を支援すること。子どもが好きで働きながら資格を取りたいという方は多くいらっしゃいますが、通信教育などでは分からないことをすぐに質問することができず、残念ながら志半ばで諦めてしまう方も多いんだそうです。そこで会社として資格取得を全面バックアップすることを打ち出し、先輩保育士さんにいつでも質問できるようにしました。一度目の試験はスタートから半年足らずでしたが、早くも合格者が出て、今後も保育士増員に寄与できそうな期待が膨らんでいます」
≪「世の中に、一石を投じたい≫ その想いを実感できた
「今回の取り組みを通じて、保育士さんたちからは≪子どもたちと向き合える時間が増えて嬉しい≫ ≪夜間だけの2時間なので、安心して復職できた≫といった嬉しい声をいただくことができました。課題だった残業時間も、月平均2時間まで削減できました。また、プロジェクトチームに参加したクライアントの新卒採用担当の方がおっしゃった≪保育業界を変えたいという想いを、事例を交えて学生に話せるので自信になる≫という言葉もとても印象的でした。
私がもともとリクルートジョブズに入社したのは、漠然と抱いていた≪世の中に一石を投じたい≫という想いに対して、≪日本の雇用問題を解決するのはリクルートである≫という面接官の説明が最も納得感があったからでした。世の中には、本当は働きたいのに、色々な制約があって働けない人がたくさんいます。一方で、人材が欲しいのに、採用できずに困っている企業もたくさんあります。1日8時間・週5日といった旧来の働き方ではなく、働きたい人の制約を打ち壊す新しい働き方を生み出し、企業とつなげていくことが私の≪一石≫です。一つひとつの石は小さくても、投じ続けることで日本の雇用問題を解決していきたいです」
私のワークライフバランス
学生の頃からラクロスを続けていて、日本代表選手としても6年間活動。現在も平日の出社前の朝練と、土日に所属チームで活動しています。業務外の活動も、日々の業務の活力になっています。