リクルートの営業に転職。想定外の1年目を乗り越えた時間の使い方

リクルートの営業に転職。想定外の1年目を乗り越えた時間の使い方

2021年転職でリクルートに入社した吉田雄貴。旅館やホテルなどのお客様に対し『じゃらん』を通じた集客や業務支援サービスを提案する営業として働いている。現在ではリクルートの社内表彰の常連と言われるようになった吉田だが、入社半年間は営業として成果が出せず悩んだ時期があったという。その壁を突破できたのは、上司のある一言だった。

前職の営業経験が通用しない。個人の力が試されるリクルートへの転職

若手のうちに成長できる環境を求めて、前職の素材メーカーからリクルートに転職しました。

営業経験があったので、少々仕事がきつくてもそこまで苦労はしないだろうと考えていたのですが、最初の半年間は想像以上に苦しい思いをしました。前の会社と比較すると仕事のスピード感がとても速く、ついていくだけで精一杯。そして、業務量はこなしているはずなのになぜか結果が出ないのです。営業目標は未達成ですし、自分が全力を出してやりきったという実感も、お客様に貢献できた感覚も持てませんでした。

同時期に採用されたメンバーと営業のロールプレイングの出来を比較してみても、明らかに自分が出遅れているのを感じていました。前職では、営業目標に対し120%の成果を出せていたのですが、それは自分の実力というより、市況や商品力のおかげだったのかもしれません。個人の実力で勝負できる世界を希望して飛び込んだものの、いざ入社してみると、商品や業界知識はもちろんお客様のニーズを深く理解した上でのアイデアや提案が求められる広告営業・業務支援提案の難しさにいきなり直面することになりました。

外回り中のリクルート従業員・吉田雄貴

きつい時は率直に「よもやま」でマネジャーに相談した

このつらさを乗り越える助けになったのが、1on1で自由に相談できるリクルート独自のコミュニケーション「よもやま」という雑談の場です。私はマネジャーと定期的に会話するようにしていました。本来は仕事から趣味まで話題は自由な場ですが、私はこの場を活用して「どうしたら成長スピードを上げられるか」をテーマにマネジャーからアドバイスをもらっていました。早く活躍したい一心で、事前に質問を準備するほどでした。ですが、思うように成果が出せなくて仕事がきつい時、何も準備せず自分の気持ちを率直に話してみることにこの場を使ってみたんです。今、とても仕事がつらいこと。毎日行動している割に成果につながっていないこと。それでもクライアントとのアポイントメントのために頑張って準備をして臨んでいること…。マネジャーはじっくりと耳を傾けてくれました。「どの業務にどれくらい時間を使っているの?」などと質問をしながら解決の糸口を探っている様子。そして一言、こう言ってくれたんです。「アポイントメントの前に毎回時間をかけて資料を作り込んでいるけれど、それは本当にお客様のためになっているの? 自己満足になっていない?」

リクルートの営業のやり方は自由。時間の使い方を変えてみる

外回り中のリクルート従業員・吉田雄貴

言われた瞬間は、自分の頑張りを否定されたように感じた悲しさもありました。でも、改めて考えてみると、自分が時間をかけて作った資料がお客様に喜ばれた記憶もなければ、成果にもつながっていないのだから、自己満足と言われるのも一理あると思ったんです。振り返ると私が資料づくりに力を入れていたのは、「上手く話せなかったらどうしよう」という自分の不安を解消するため。さまざまなケースを想定して分厚い提案資料を用意していました。でも、その全てをお客様が必要としているわけではなく、資料作りでかえって自分が疲弊していることにも気づきました。

リクルートの『じゃらん』の営業を担当する吉田雄貴

それなら、お客様のためになるやり方で自分の不安も解消しよう。私はアポイントメントの準備にかけていた時間を、ヒアリングにかけるようにしました。お客様のPRすべき特長は何で、どこに課題を感じていらっしゃるのか。情報を絞り込んだ資料でお客様をご訪問するのは勇気がいりましたが、以前よりもお客様のことを深く理解できるようになると、自分の提案に自信が生まれ、不安は消えていきました。

挑戦したいのは、お客様のご期待を超えるようなご提案

今までは『じゃらん』というサービスを起点に提案内容を考えていました。しかしお客様起点の提案に変えていったことで、喜んでいただけることが増えました。最初のご提案は「お互いにとって仮説」のようなもので、その提案のあと、お客様の視点を取り入れて、提案内容を磨いていきます。その営業スタイルが確立されてくると、私が提案する前にお客様から困りごとを相談していただいたり、新しい提案を求めていただいたりするような会話が生まれることが多くなってきたんです。お客様に信頼していただくことが増え、営業としても高い成果を上げることができたのは、こうした顧客起点の提案を徹底したことが理由です。

その一方、最近私が感じるのは、顧客起点だけでは相手の想像を超えるような提案はできないということ。私たちリクルートのもう一方のお客様、『じゃらん』を利用してくださるカスタマーの方々の視点を今まで以上に提案に活かし、化学反応を生み出したいと考えます。提案をさらに磨き込んでご期待を超えていくことが、これから私がリクルートで挑戦していくテーマです。

『じゃらん』の営業を担当するリクルート従業員・吉田雄貴

プロフィール/敬称略

※プロフィールは取材当時のものです

吉田雄貴(よしだ・ゆうき)
株式会社リクルート 旅行Div. 営業1部 法人営業2グループ

素材メーカーの法人営業を経て、2021年9月リクルートに入社。旅行Div.の営業として、現在は関西広域エリアのホテルを担当している

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