「頼れる仲間がいる」と95%が回答。リクルートのチームのリアルに迫る
上司や同僚をニックネームで呼び、自己紹介もかなりオープン、休日もともに遊ぶ。そんなフラットでカジュアルなコミュニケーションを取る従業員がリクルートには多くいます。「社内に頼れる仲間がいますか?」という問いかけにもYesと回答した人が95%にのぼりました※1。リクルートに入社し7年目の沖 麻利衣にリクルートのチームのリアルな実態や仲間観、チームリーダーの役割について聞きました。
※1 リクルートグループ報『かもめ』2024年5月号特集「リクルート的 仲間考」従業員アンケート回答数:138名
同僚というより「仲間」。チームワークの基礎は相互理解
― 沖さん、こんにちは。仲間づくりが上手いと評判の沖さんに、リクルートのチームの実態を聞きたいです。リクルートでは一緒に働く仲間を「同僚」というより「仲間」・「友達」と呼ぶほうがしっくりくる人も多そうですが、沖さんはどうですか?
沖:こんにちは。そうですね、私は営業組織でチームリーダーを務めているのですが、私にとって仕事で相対する人は皆、「仲間」です。
― 「仕事で相対する人は皆、仲間」。想像より範囲が広く衝撃的でした。なぜそう思うのですか?
沖:流石に上司は自分の失敗の面倒をたくさん見てもらっているので、「友達や仲間」と言ったら少し失礼なのかなあとは思うのですが(笑)。自分と関わってくださる人は「仲間」として大切にしたいですし、幸せになって欲しいんですよね。
私は職歴も学歴もそこまで誇れるものは持っていませんが、今の私があるのは人生のいろいろなタイミングで周囲の方が本気で向き合ってくれたおかげです。だから関わる人には恩返しがしたい、という思いで接しています。…と言うと、とても意識が高そうですよね(笑)。でも、私にとっては当たり前の感覚なんです。
― いきなり素晴らしい人生観が飛び出してきてびっくりしています。そんな沖さんはリクルートのチームの特徴をどう捉えていますか?
沖:もちろん部署にもよると思うのですが、リクルートのチームメンバー同士の絆は強いと思います。例えば、以前所属していた組織はフレキシブル休日※2を皆で取って遊びに行くほどでした。
加えて、自己紹介で生い立ちから話す人もいますし、挫折経験を開示してくれる人もいる。一緒に働く仲間の苦手なことや得意なこと、Will(仕事で実現したいこと)を深く知り合うことが大切だと考える組織風土です。もちろんその人が言いたい範囲に留め、強制などはしませんが、プライベートについても話してくれる人が多かった印象です。
※2 暦上の休日や有給休暇とは別に、「フレキシブル休日」として取得する日を自分で決めることができる休日。(取得日数は年度により異なる)
― なるほど、リクルートはValuesのひとつとして「個の尊重」を掲げていますが、深い相互理解がベースになっているんだと感じました。他にもチームの特徴はありますか?
沖:不思議なのはチームワークが高い組織でも、来る者拒まず去る者追わずというところ。大切な仲間が異動したり退職したりする時は悲しむのですが、残った側は引きずりすぎず、また仕事に励む。そうやって切り替えられるのは、皆それぞれ成し遂げたいことを持ってリクルートに入社しているからだと思います。異動や退職で仲間が遠くに行ってしまっても、志があるから大きくは揺らがない人が多い印象です。
それに、前に同じ拠点・部署だった仲間から「最近どう?」とふとしたタイミングでメッセージをもらうこともあるし、私も折に触れてよくメッセージを送っています。しばらく会わなくてもその時間を感じさせない関係性が続くのがありがたいなあと思います。私も異動を経験していますが、築いた強い関係性は離れても続くんです。以前の部署の仲間と週末に遊ぶこともあれば、仕事で協働することもあるし、縁が途切れないのがリクルートの面白いところです。
― 緩やかなつながりが続くのが面白いですね。身近に他にも仲間とつながる機会はありますか?
沖:前職は10人くらいの会社で、リクルートの国内従業員は約2万人なので、入社してから仕事で会う人の絶対量は増えました。部横断のプロジェクトに参加して、普段接点がない地域に住む仲間と協働したり、さまざまな研修への参加機会もあったりします。社内で表彰された人にナレッジを教えて欲しいと自分から連絡を取ることもありました。
― 会社に仲間づくりの機会があふれているものの、その機会を活かせるかは自分次第なんですね。日頃何を心がけて周囲の方と接しているのでしょうか?
沖:自分のもともとの性格によるところが大きいので、言語化が難しいのですが…、オープンマインドでいること・誰にでもウェルカムな姿勢でいることは大切にしています。これは商売をしていた父の影響で作られたスタンスかもしれません。
幼少期から、ご近所の方、家業の取引先の方などさまざまな人との関わりのなかで育ってきました。家のなかでも外でも、態度が変わらない父を見てきたので、私もそうやって周囲の人に接したいと思い、壁を作らず自分から腹の内を見せながら話すようにしています。ただ、自分はオープンでいつつも、相手の距離感に合わせて接するようにしています。
そして小さなことかもしれませんが、相手に失礼のないように接する心がけはよくやっています。「元気な挨拶」と「お礼は欠かさず」は基本のキとして大切に。あと、一度接点を持った方のことは覚えていることが多いのですが、再びお会いできた時は、「この方とは過去どんなやりとりがあったかな?」とすぐチャットの履歴を見返したりしますね。
チームリーダーの役割を果たすために、自分も苦手を乗り越える
― 沖さんは仲間との関わり方が上手だと評判ですが、失敗経験などはあるのでしょうか?
沖:失敗はたくさんありますよ(笑)。後輩の成長を願ってたくさんアドバイスしていたら、伝え方が未熟で「ただの小言の多い怖い先輩」になってしまったこともあります…。
後は、入社2年目の頃、営業として実績が出せるようになると、自分だけがチームのなかで頑張っているように感じてしまったこともあります。つらくなって上司に退職の希望を伝えると、上司は私の不平不満を優しく受け止めながら、周囲に目を向けるようにさりげなく促してくれました。すると周りの仲間が、自分の何倍も仕事で努力を重ねていると分かったんです。自分が周囲の仲間を知る努力をしていなかったと気付き、視野の狭さが猛烈に恥ずかしくなりました。自分を変えなければと思った経験です。こんなふうに、たくさん失敗しながら仲間との関係性を学んできました。
― なかでも一番葛藤したのはどのような経験でしょうか?
沖:「仲が良い」からこその難しさに直面した経験です。営業のリーダーとして初めて着任したそのチームは、とてもメンバーが優秀でした。月間の売上目標はいつも達成していて、休日は一緒に遊びにも行きますし、いい関係性も築けていて一見何の問題もないチームだったんです。
沖:ただ、自分がリーダーの役割を果たせているのかはいつも疑問がありました。自分のメンバーへの接し方を顧みると、仲の良さと受容的な性格が相まって、メンバーのつらい気持ちに寄り添うことが多く、「成長につながる厳しい要望」はできていませんでした。私ではなく他の人がリーダーだったら、メンバーの皆を成長させることができるのかもしれない。このままでは自分のせいで成長を妨げてしまうのではないか、と。
悩んだ末、「仕事では仲良しなチームなだけではいけない」と結論を出しました。メンバーが、それぞれのWill(仕事で実現したいこと)を成し遂げられるように、一人ひとりの成長にコミットすると決意し、接し方を変えることにしました。今の良い関係性が壊れてしまうかもしれない恐怖や、厳しいことを言わなければいけないつらさに向き合ったんです。
私の厳しい要望に、奮起して応えてくれたメンバー皆の頑張りのおかげで、自主的に掲げた高い目標も初めて達成しました。それまでと一線を画するような仕事を一人ひとりが実現できたことは、自分にとっても大きな転換点になりました。メンバーや組織の成長のための行動ができるようになり、自分自身もリーダーとして一緒に成長させてもらえたと感じています。
― 最後に、成長・成果にコミットすることこそがチームリーダーの役割ですが、仲の良さも両立することはできると思いますか?
沖:できると思います。これからも悔いがないように今一緒にいる仲間の役に立ちたいです。志は高く! 仲間と頑張っていきます。
※リクルートグループ報『かもめ』2024年5・6月合併号の転載記事です
登壇者プロフィール
※プロフィールは取材当時のものです
- 沖 麻利衣(おき・まりえ)
- 株式会社リクルート HRサービスDivsion エリアセールス3部 関越社員グループ
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大学卒業後、2014年から地元・広島の広告代理店で営業を経験。2017年にリクルートキャリア(現・リクルート)に入社。広島・愛媛で営業として『リクナビNEXT』に携わる。その後2020年に静岡での営業を経て、2022年長野・山梨にチームリーダーとして着任。2023年に現部署に異動し、新潟拠点に勤務