「自分ひとりでやればいい」そう思っていた私が変われた理由

「自分ひとりでやればいい」そう思っていた私が変われた理由

リクルートが手掛ける決済ブランド『COIN+』や『エアウォレット』に立ち上げから関わり、現在は戦略テーマの責任者を務めるリクルート従業員の藤澤慶輔。立ち上げ・運用にあたり、さまざまな課題を多くの関係者の協力を得ながら解決していく過程で、自身が本当の意味で成長するのを感じたと言う。それはどんな成長だったのか、成長をどう捉えているのか話を聞いた。

自分の好奇心だけは手放したくない

「成長自体が目的になると、意味がない。今ではそう思えますが、自分自身を振り返ってみた時、成長が目的になっていた入社当時は、全然成長していませんでした。自分のグレードを上げてくださいとか、成長できる案件をアサインしてくださいとか、恥ずかしいことばかり言っていて…」 

入社当時を振り返りそう語る藤澤だが、「面白い抽象的な案件にアサインして欲しい」と言っていた結果、上司から「シフト管理・給与計算アプリ『シフトボード』との協働案件を何か考えて」というふんわりとしたお題をもらったという。

「かなりふんわりとしたお題でしたが、自分にはそれが良かった。方針や進め方など、案件のスコープをゼロから自分で決められる新しい挑戦機会であり、成長機会だと飛びつきました。ただ、短期的な協働という側面から案件を見ていると、中長期的、抽象的な事柄が好きな自分にとって、案件への好奇心を持ちにくいと感じる面がありました」

『COIN+』の開発に関わるリクルート従業員の藤澤慶輔

異なる視点から案件を捉え直し、本気で取り組む

藤澤が取り組むことになったこの案件は、結果的にいろいろなお店でつかえる決済ブランド『COIN+』に2023年に実装された外部原資の残高を付与するスキーム開発につながった。案件への好奇心をどのように持ち、どう話を進めていったのだろうか。

「私はもともと自分の好奇心やワクワクに忠実。今後5年、10年と少し長いスパンで社会がどう変わっていくのかを考えるのが楽しくて常に情報収集をしていて、そこに自分がどう関わっていけるのかに興味があるんです。

今回いただいたお題も、短期的なものだと捉えると自分の好奇心が動きにくい。前向きに熱量と好奇心を持って取り組むためにどうすればいいのかを考え、そのお題を中長期の案件にできないかと異なる視点から捉え直してみることに。短期的な『シフトボード』との協業推進ではなく、より不確実性も自由度も高い中長期の『COIN+』の事業開発として案件スコープを拡張し、その実施先のひとつとして『シフトボード』を位置づけるという形で案件を再定義してみたのです。その中長期の事業開発アイデアを練り上げた上で上司に『やってみてもいいですか』とお願いしてOKをもらい、自分が好奇心を持てる状態に持っていきました」

しかし藤澤がスコープを拡張したことにより、法務・セキュリティ・プライバシー・財務・経理・税務など多くの観点でクリアすべき課題も増えた。多くの関係者の協力を得ながら進んでいく大変さもあったと言う。

「クリアしなければならない課題が多岐にわたり、これまで接してこなかった専門分野にも触れざるを得ない状況に。最初は何を言っているのかさえ分からない状態に陥りました。

それまでは『自分ひとりでできることは自分でやっちゃえば良いじゃん』というスタンスで働いており、自分ひとりで全部抱え込んだ個人プレーをしがちでした。しかし、この難易度の高い案件に取り組ませてもらうことで、自分の限界を感じることができました。頭を下げて教えてもらわなければ何も進まないと学んだのです。

そこからひとりではなくチームとして進めていくという心持ちに変わりました。それは自分にとって大きな成長だったなと捉えています」

自身の成長について気づきを得たリクルート従業員の藤澤慶輔

スタンスの変化により前に進めるようになったというが、難しい案件にくじけそうになることはなかったのだろうか?

「もちろん大変ではありました。けれど、難しい調整があっても、前提に好奇心があるからブレずにやり遂げられた。自分の役割に閉じず、深く幅広く各観点を理解しにいくと、関係部署の皆さんもすごく協力してくださいました。最初は霧が立ち込めていたけど、議論を重ね、だんだんと霧が晴れ明るくなっていくプロセスが本当に楽しかったです。いろいろな制約やしがらみを一つひとつ整理し、『あ、これならいけるな』と思えた時の爽快感が本当に気持ち良くて。それを繰り返しながら進んできました」

好奇心は新しい価値の創造につながる

好奇心を原動力にしてきた藤澤が、リクルートだからこそ味わえた成長というものはあったのだろうか?

「今回の案件に限らず『これをやってみたい!』と思うことに対し、リクルートは手を挙げやすい環境があると思います。本気で考え抜いた案件に、上司の皆さんは耳を傾け、筋が良ければ挑戦させてくれるし、そのなかで結果的に成長できる。ただし、今ある仕事でちゃんと120%以上の成果を出していなくては、言うことは聞いてもらえない。だからこそ自分の今やるべきことに全力で取り組みつつ、自分の興味のある分野が何なのか、どう頑張れるのかを周囲にも発信しておくことが大事なんだと思っています。

学生時代から、自分の好奇心に素直で、興味があったらすぐに行動に移すタイプでした。それを傍から見ると、いきなり新しいことをやり出したり、今までのやり方を変えにいっているようにも見えるので、『なんだ、こいつ?』と思われることもあって…。でも、そういう人間がいるから社会が面白くなるし、新しい価値創造につながる。今回の案件を通してそれを改めて実感もできましたし、これからも自分の好奇心だけは手放すつもりはありません」

好奇心は価値創造につながると語るリクルート従業員の藤澤慶輔

登壇者プロフィール

※プロフィールは取材当時のものです

藤澤慶輔(ふじさわ・けいすけ)
株式会社リクルート プロダクトマネジメント統括室 SaaS領域プロダクトマネジメント室 新規決済プロダクトマネジメントユニット 新規決済プロダクトマネジメントグループ

大学時代は経営戦略や金融サービスの研究に没頭。卒業後、リクルートに入社。プロダクト開発、企画、プロダクトデザイン、プロダクトマネジメントと職種を変えながらも、『COIN+』と『エアウォレット』に立ち上げから関わる。現在、それらの事業開発案件を担当し、SaaS領域全体の2023年度通期MVPを受賞

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