私にしかできない提案って何だろう?『ホットペッパービューティー』営業の成長ストーリー

私にしかできない提案って何だろう?『ホットペッパービューティー』営業の成長ストーリー

2017年にリクルートの営業アシスタントとして入社し、2019年より『ホットペッパービューティー』の営業を務める藤田杏理。5年にわたって顧客の集客支援に取り組むなか、「もっと顧客に役立てることはないか?」と介在価値を模索するようになったと言います。その結果、2023年には美容業界で全国に店舗展開をする顧客に対して、新店舗の出店計画立案を支援するスキームをリクルートで初めて実現。取り組みの裏側にある背景や思いについて聞きました。

「業績主義」だった営業担当が、顧客の経営支援を志すまで

「2014年に専門学校を卒業した後、ネイリストとして2年半働いていたのですが、ネイルや美容を通してもっと色んな経験をしたいと思い、2017年に営業アシスタント(派遣社員)として『ホットペッパービューティー』に携わり始め、2019年に営業職としてリクルートに入社しました。

営業として働き始めたばかりの頃は、当時のマネジャーからも『早い段階で成功体験を多く積むことが大事』と言われていたので、新人賞を獲ることを目標と宣言。『まずは表彰される営業になりたい』『自分の市場価値を高めたい』ということで頭がいっぱいでした。」

毎月上司が提示した売上目標を上回る自己目標を掲げては、その達成のために徹底して行動。その甲斐もあり、宣言通り1年目に新人賞を獲得。

「自分の営業活動によって、担当する美容サロンがより多くのユーザーにご利用いただけるようになる様子を目の当たりにして、これが営業の醍醐味なんだと思っていました。」

ところが3年目に転機が訪れる。
自身の上司が社内表彰を受けた取り組みを知った時だった。

「全国の個人経営のサロンでオーナーの高齢化が進むなか、業界の美容メーカーなどのステークホルダーと協働し、各店舗の集客や業務のIT化を推進するという取り組みでした。

私は取り組みの視野の広さにとにかく圧倒されて…これまで与えられた目標に向かって頑張っていた自分には、こんな新しい発想はできない。同じ『ホットペッパービューティー』の仕事でも、自分の向き合い方さえ変えれば、もっと顧客の役に立てるのかもしれない、と勇気をもらいました。

顧客の新規出店支援に取り組んだ『ホットペッパービューティー』営業担当の藤田杏理

藤田は自ら希望し、全国規模で店舗展開する企業を担当する法人営業組織へ異動。多岐にわたる経営課題に初めて向き合うことになる。

「お客様にとっての最重要課題を知るために、各社にヒアリングを重ねていたところ、あるお客様から相談をいただきました。創業以来、意欲的に新規出店を続けておられたのですが、計画通りに出店が進まなくなってきている、とのこと。せっかく出店しても集客難で閉店が発生しているため、“出店エリアの選定や店舗探しに困っている”という話でした。

お話を聞きながら、美容業界は、開業後数年以内での閉店率が高く、統計では開業後3年以内の閉店率が50%を超えると言われていることを思い出しました。これはお客様の個別課題ではなく、業界共通の課題ではないかと考えたんです。

から“業界の役に立つ、影響力の大きなテーマに取り組みたい”と考えていたので、何とかしてお客様の新規出店にまつわる “不”を解消できないか? と構想するようなりました。」

解決のカギは社内協働。『SUUMO』のデータと『Tempodas』

とはいえ、藤田自身に新規出店エリアの選定やテナント情報収集などの方法に関する知見は全くない。持続的に人口が増え、需要が継続する出店エリアを特定したいと思っていたところ、同じ広島拠点で不動産情報サイト『SUUMO』の営業を担当する同僚・梶尾慧美との何気ない雑談からヒントはもたらされた。

「藤田さん、熊本に大きい半導体の工場ができることって知っていますか? 熊本は工場新設の影響で人口が増え、『SUUMO』の問い合わせ数が増えているんです。」

試しに藤田が『ホットペッパービューティー』で熊本エリアの美容系サロンの集客を分析してみると、SUUMOの問い合わせと同様の伸び率だったと言う。

「『SUUMO』は、ユーザーの家探しの初期段階で利用いただくため、流入人口と連動する。つまり、『SUUMO』のデータは、そのエリアの将来的な集客可能性まで予測可能なデータだったんです。このデータをお客様の新規出店に役立てられるのではないかと思いました。

顧客の新規出店支援に取り組んだ『ホットペッパービューティー』営業担当の藤田杏理(右)と、テナント探しのスキーム開発を協働した不動産情報サイト『SUUMO』営業担当の梶尾慧美(左)
顧客の新規出店支援に取り組んだ『ホットペッパービューティー』営業担当の藤田杏理(右)と、テナント探しのスキーム開発を協働した不動産情報サイト『SUUMO』営業担当の梶尾慧美(左)

次の課題は、どうやって適正な賃料のテナントをスピーディーに見つけるかだ。

「解決のカギは社内での協働にありました。社内には相談できる上司や仲間だけでなく、他領域のサービスもたくさんあります。周囲を訪ね歩くうちに、数年前に新規事業として立ち上がった、店舗物件検索サイト『Tempodas』というサービスがあることを発見して。」

顧客の収益目標に叶う集客と賃料コストのバランスを考えながら、藤田は『Tempodas』からいくつかの出店候補テナントを探しだした。

「早速お客様に提案したところ、『リクルートってこんなことまでできるの?』と、喜んでいただけて、とても嬉しかったです。提案したプランは出店計画に起用していただき、結果としてこれまでの出店スピードから約5ヶ月短縮し、8店舗の新規出店を行うことができました。」

新しい価値提供に意欲的に取り組む理由について、藤田はこう語る。

「営業として、現状維持をせず、自分のできることを増やしながら、提供価値をアップデートしていくことを常に大事にしてきました。やっぱり、せっかく担当するなら、自分にしかできない提案をして、より多くのお客様、業界の方に喜んでいただきたいじゃないですか。特に、私は元々ネイリストなので、美容への思い入れは強くて。どんな人にも自信を与えることができる素敵なお仕事だと思っています。

今回の新規出店を支援するスキームの開発は、大掛かりな仕事でしたが、美容業界の店舗ビジネスの “不”を解消する足掛かりになるのではないかと思います。今後も、 “もっとこうすれば美容業界のお役に立てるのでは”と好奇心を働かせながら、新しい価値を届けられるよう頑張っていきたいです。」

登壇者プロフィール

※プロフィールは取材当時のものです

藤田杏理(ふじた・あんり)
株式会社リクルート Division統括本部 SaaS領域統括 ビューティDivision 営業1部 法人2グループ

前職はネイリスト。2017年に営業アシスタント(派遣社員)として『ホットペッパービューティー』に携わり始め、2019年に入社。広島拠点でビューティ領域(ネイル、まつげ、エステ、リラクゼーションなど)の顧客を担当。2022年に法人グループへ異動し、全国に拠点を持つビューティ領域の顧客の販促支援並びに経営支援に勤しむ

関連リンク

最新記事

この記事をシェアする

シェアする

この記事のURLとタイトルをコピーする

コピーする

(c) Recruit Co., Ltd.