【前編】働くマザーのストレス状況を仕事とプライベートの両面から分析
日本人口が減少を迎える中、労働人口が減少していくことが予測される。労働力が減っていく中、注目を集めているのが女性の存在だ。
社会は女性の就業率を上げようという気運が高まっている。だが、結婚・出産・育児・介護といったライフイベントでキャリアが中断され、働くことに対して制限の多い女性の就業率を上げるというのは果たして現実的なのだろうか。
特に働くマザーは、プライベートにおいても様々なストレスが存在し、そのストレスが仕事へ影響を与えている可能性が大きく、出産や子育てによる離職を増やしている要因になっているとも考えられる。
リクルートワークス研究所は、こうした課題を調査するべく、働くマザーとファザーを対象に、育児中におけるストレス調査を実施。ストレスを「日常の苛立ち事(デイリーハッスル)」と「人生の大きな出来事(ライフイベント)」に分けて捉えた。
これまでは仕事かプライベートのどちらか一方の調査にとどまっていることが多かったが、仕事・プライベートの両面からストレスを分析する調査となった。
本稿では、調査レポートの結果をもとに、働くマザーとファザーが抱えている日頃のストレスを可視化し、比較しやすくするため、インフォグラフィックを作成した。同インフォグラフィックを、状況改善のためのヒントとしてもらいたい。
いかがだろうか。インフォグラフィックから、働くマザーは仕事と家庭の両方にストレスを抱え、家庭におけるストレスの大半の原因は夫にあることがわかった。また、働くファザーは、ストレスの大方が仕事によるものだが、家庭で仕事への理解のなさがストレスとっていることが伺える。
こうしたストレス状況を改善するためには、互いの状況を理解し、歩み寄ることが必要だ。たとえば、ファザーは育児だけでなく家事も含めた家庭内の負担が分配されているかを意識し、マザーは職場で大量の仕事を時間内にこなすファザーの状況を理解しするなど、改善のためのアプローチは色々と考えられる。
後編では、より具体的な改善策を提示したい。