「なかなかやる気が出ない…と悩む30代ビジネスパーソンは、実は少なくないようです。中には「やる気が出ないなんて…」と自分を責める人もいるようです。
そうは言っても、仕事での責任も増しており、何とか頑張らなければならない世代でもあります。リクルートワークス研究所でキャリアデザインなどを研究する橋本賢二研究員に、30代がやる気が出ないと感じる理由、そして「やる気が出ない自分」とどのように向き合い、対処すればいいのかなどについて伺いました。
- 30代が「仕事でやる気が出ない」理由とは?
- 仕事でやる気が出ないときの対処法
- やる気が出ないときこそ、自分自身を大切にしよう
30代が「仕事でやる気が出ない」理由とは?
「30代が「やる気が出ない」と感じてしまうのは、いくつかの理由が考えられます。
世の中には「やる気を出さねばならない」とする雰囲気がある
まず挙げられるのは、世の中が「やる気を出さねばならない」という雰囲気が強くなっていることがあります。30代に限らない話ですが、やる気が出ないことを不安に感じてしまうのは、これが大きな要因ではないでしょうか。
その理由として、先行きが見通しづらいVUCAの時代で、企業が従業員のキャリアを決めるのではなく社員自身がキャリアを考える「自律的なキャリア形成」が推奨されていることなどが挙げられます。また、世の中にはランキングや平均、割合など数値化した情報があふれて、「自分の現状」と情報から見えてくる「世間」とを比較しやすい状況にもあります。
例えば、自分の年収は○万円なのに、世間では同世代がこんなにもらっているとか、役職に就く平均年齢は○歳からといわれているのに、自分にはその予兆すらない、など。もちろん、それが奮起する材料となって、やる気になる人もいますが、逆にやる気を削がれている人も多いのではないでしょうか。
「何かをやる」ために必要な資源は、時間、お金、対象の3つですが、これらに関する情報が可視化されて溢れていることで、「自分には無理だ」というあきらめや、その先が見えてしまうことによる興ざめなどが起こり、やる気を減退にさせているのではないかと見ています。