キャリアを考える上で「目標」や「お手本」とされる、ロールモデル。ロールモデルを見つけたいと思っているけれど、どんな人をロールモデルに設定すればいいのかわからない、どうやって探せばいいのかわからないと悩む人は少なくないようです。そこで、ロールモデルの見つけ方や、ロールモデルからの学び方などについて、組織人事コンサルタントの粟野友樹さんに伺いました。
- ロールモデルとは?ロールモデルを設定するメリット
- ロールモデルを見つける前に準備しておきたいこと 」
- ロールモデルの見つけ方:身近な人物から探す場合
- ロールモデルの見つけ方:身近にはいなさそうな場合
- ロールモデルを設定したら「観察して」「真似てみる
ロールモデルとは?ロールモデルを設定するメリット
「「ロールモデル」とは、考え方や行動の模範となる人物のこと。仕事やキャリアにおいては、ビジネススキルが高く、キャリア形成のお手本となる人物を指します。
厚生労働省では、「ロールモデルとは、社員が将来において目指したいと思う、模範となる存在であり、そのスキルや具体的な行動を学んだり模倣をしたりする対象となる人材のこと。またスキルだけでなく、仕事とライフイベントの両立や業務への取り組み姿勢など考え方やあり方についてよい刺激を受けることができる存在でもある」と定義しています。(※)。
(※)出典…厚生労働省ホームページ「女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」
ロールモデルを設定すると、一般的には次のようなメリットがあると言われています。
キャリアプランが立てやすくなり、成長スピードが早まる
ロールモデルを設定することで、目指すべき道や、やるべきことが明確になり、成長スピードが早まるとされています。ロールモデルを参考にすれば、どのようなスキルをいつまでに身につければいいのかなどが明確になります。
例えば「ロールモデルの○○さんは営業の後企画部署を経験しているから、自分も異動が叶うよう努力しよう」とか、「△△さんは5年目までに○○の資格を取得していたから自分も勉強を始めよう」などキャリアプランが立てやすく、具体的なアクションが起こしやすくなります。その結果、成長スピードも上がるでしょう。
ロールモデルの成功談だけでなく、失敗談や反省点なども取り入れることで、キャリアにおける不要なリスクや失敗を避けられることもメリットと言えます。
仕事に対するモチベーションが高まる
ロールモデルの仕事に取り組む姿勢、意識の高さなどが刺激になり、モチベーションを維持しやすくなるのもメリットです。
ロールモデルがいることで、「自分もロールモデルを目指して努力すれば、あのようにイキイキと活躍できるようになるのだ」と思えるようになります。「充実した将来像」を具体的にイメージできるようになり、日々のモチベーションも高まるでしょう。
つまらないと思える仕事であっても、後々のキャリアに活かせるとわかれば、「目の前の雑務も、自身の将来に必ず役立つ」と意味づけることができ、視座を高く持ってあらゆる業務に臨めるようにもなります。