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健康経営のカギは社員を巻き込んだ自発的な取り組みにあり~女性の健康支援に取り組む企業事例【株式会社ベルシステム24ホールディングス】~

企業事例キャリア健康・体調管理

2024年07月11日

健康経営のカギは社員を巻き込んだ自発的な取り組みにあり~女性の健康支援に取り組む企業事例【株式会社ベルシステム24ホールディングス】~

ウェルビーイング経営の視点から「女性特有の健康課題に対する取り組み」が注目される理由

企業において「社員の健康が企業の利益につながる」という健康経営の視点が注目されつつあります。その背景の一つが人手不足。健康で働きやすい職場は、社員の定着率や生産性にとって重要だからです。これまでにも社員に対する健康支援は行われてきましたが、生活習慣病予防など、どちらかというと男性基準の対策が中心でした。しかしながら働く女性が増え、その活躍が一層期待される今、企業にとって女性社員への健康支援も重要な課題となりつつあります。

女性には妊娠・出産以外にも、生理に伴う症状や疾病、更年期症状などの年齢やライフステージごとに生じやすい特有の体調不良があり、 それらは、女性がキャリアを重ねる上でいろいろな影響を与えています。また、そのことは経済産業省「働く女性の健康推進に関する実態調査」などでも明らかになっており、女性が健康で働き続けるためには、女性自身だけでなく、職場もこういった不調について理解し支援していくことが欠かせません。それには何から始めればいいのでしょうか。今回は、社内を巻き込んだ横断型プロジェクトや有志社員による活動を通じて“ボトムアップ”での健康経営を推進している株式会社ベルシステム24ホールディングス(以下:ベルシステム24) の取り組みをご紹介します。

※この記事の内容は、リリース当時(2024年7月現在)のものです。




ベルシステム24・人事課

1982年創業、40年以上にわたり幅広い業界のコンタクトセンター・BPO(Business Process Outsourcing)の業務設計・運用実績を持つベルシステム24。企業とカスタマーとをつなぐコンタクトセンターの設計・構築・運用やセールス・マーケティング支援などのほか、昨今は健康・医療関連の事業にも力を入れています。自社においても健康経営に積極的に取り組んでおり、2023年度には生理痛や更年期症状といった女性特有の体調不良への支援施策を実施。今回、その中心で取り組みを推進する同社のダイバーシティ推進グループの藤井 友香理さんと、施策の企画・運営を支援した株式会社 HANAEMI の和田 聖子さんにお話を伺いました。


ベルシステム24・人事藤井 友香理さん 株式会社ベルシステム24ホールディングス 人材開発部 人事企画局 ダイバーシティ推進グループ(左)と和田 聖子さん 株式会社HANAEMI代表(右)

ベルシステム24の健康経営は、ダイバーシティ推進グループを中心とした活動と社員の横断組織から成るボトムアップ活動の両軸で推進

———御社は健康経営に積極的に取り組まれていますが、その取り組みにはどういった特徴があるのでしょうか。

藤井さん:当社の健康経営は、ダイバーシティ推進の取り組みの一つとして歩んできました。ダイバーシティ推進自体は、当初女性の仕事と育児の両立支援などの取り組みが中心でしたが、2016年に人事部門内に現在私が所属しているダイバーシティ推進グループができて以降、女性活躍推進、Well-Being(ウェルビーイング)、多様な人材(マイノリティ)活躍支援 、企業風土醸成にその取り組みテーマを拡大し、多様な人材が多様な働き方で活躍できる環境の整備に取り組んでいます。健康経営については、メンタルヘルスに関する取り組みなどと併せてWell-being のテーマの中で推進し、外部講師を招いたオンラインでの研修や講演会など、さまざまな施策を実施してきました。

ベルシステム24ダイバーシティ推進体制ベルシステム24の健康経営を含めたダイバーシティ推進体制(ベルシステム24提供)

当社のダイバーシティ推進における特徴は、経営層と人事部門の施策だけでなく、社員のさまざまな活動を通じたボトムアップの取り組みにも力を入れている点にあります。

ボトムアップの活動としては大きく二つあり、その一つが組織横断型の「D&Iプロジェクト」です。健康経営、メンタルヘルスなどはもちろん、キャリア支援や多様な働き方推進などのテーマごとにチームがあり、業務の一環として、当社のD&Iにおける課題解決をミッションとして活動しています。メンバーは、自薦や上司からの推薦によって、テーマに関心が高い人材で構成され、各現場から集まった人材が自組織でD&I推進を担うことで、全社の活動として波及させていくことを目指しています。

そして、ボトムアップ活動のもう一つが、社内のネットワーキングコミュニティ「MMMC(スリーエムシー)」です。「んなでらいをmakeするcommunity」の頭文字から名付けたもので、こちらは有志のメンバーで構成され、部署・役職・雇用形態に関係なく、誰もが業務時間内で参加可能な活動となっています。MMMCは、2017年にスタートして以降、取り組むテーマはメンタルヘルス、フィジカルヘルスといった健康経営に関するものから、キャリア入社者支援、仕事と育児の両立など毎年さまざまで、活動内容は、参加メンバーが自主的にやりたい企画を考え、それを人事がサポートするという体制をとっています。

D&IプロジェクトやMMMCについては、活動内容と成果を経営層に報告する機会を設けています。これにより経営層による現場の課題の把握を容易にし、トップダウンでの取り組みにつながる良い循環が生まれています。


社員の自発的なボトムアップ活動が評価されて健康経営優良法人2023に認定

ベルシステム24藤井氏

———健康経営を含むダイバーシティ推進において、人事部門主体の取り組み以外に、社員の皆さんが自発的にテーマを設定して活動するボトムアップの仕組みもあるんですね。そして、そのボトムアップの活動内容が次の施策につながる循環まで生まれているのがすごいですね。では、実際にそれぞれがどんな取り組みをしているのか教えてください。

藤井さん:当社は3万人を超える従業員がおり、人が財産のビジネスでもありますから、以前より従業員のメンタルケアやヘルスケアを非常に重要視してきました。そんな中で2019年ごろよりボトムアップ活動の一つであるMMMCで「こころの健康経営」というテーマでセルフケア・ラインケア※への取り組みとして、産業医や保健師によるメンタルヘルスに関するオンライン研修などを行ってきました。 さらに2021年からは、女性の健康に関するEラーニングや、ウォーキングのイベントなども実施しています。当社には健康・医療関連の事業があり、専門的な知識を持ったメンバーがいますので、そういった事業の知見を社内での活動にも生かしてもらっています。同様にD&Iプロジェクトでもワークライフバランス推進やメンタルヘルス、生活習慣病予防、女性の健康への取り組みを推進しています。こういった活動を評価いただき、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されました。

※ラインケアは重要なメンタルヘルス対策の一つとされています。職場のライン上にいる直属の上司が、部下のいつもと違う様子に早めに気付き、相談対応・職場環境改善などを務めることをいいます。


———継続的にボトムアップ活動を行った成果ですね。では、そういった健康経営への取り組みから見えてきた次の施策につながる気付きや課題はありましたか。

藤井さん:こういったボトムアップ活動を含めた健康経営への取り組みに対し、特に女性社員から多くの反応があり、女性に向けた健康支援はパフォーマンス向上に欠かせない重要なものだという認識が強くなりました。ただ、人事部門として、ここからさらに支援していくことを考えた時に、どんな課題があって、何をしたらいいのかがぼんやりとしか見えていない状況でした。そこで現状を正しく把握するために社員の実態調査を実施することになり、それにご協力いただいたのが、HANAEMIの和田さんです。


女性の健康支援に向けた実態調査で見えてきた課題は「ヘルスリテラシーの強化」と「職場でのコミュニケーション」

HANEMI和田氏

———なぜ女性に向けた健康支援として、まず実態調査を行ったのでしょうか。

和田さん: HANAEMI は、女性特有の健康課題の視点から「性差による働きにくさを解消」することを目指して活動しています。これまでも、健康課題を踏まえたキャリアサポートや、職場の環境改善に向けたご提案などで多くの企業に関わらせていただきましたが、「取りあえず何か」と一度きりの研修を希望される企業が多いのが実状です。 もちろん研修は改善に向けた施策ではありますが、一度やったからといってすぐに何かが改善されるものばかりではありません。また、支援を効果的なものにするためには、それぞれの企業で異なる課題を明確化した上で、解決策を考えていくことが重要になります。

ベルシステム24様は、既にさまざまな取り組みを行っており、さらなる支援を検討されている状況でしたので、まずは現状の実態調査を行った上で、より自社に合った施策を考えていきましょうというご提案をさせていただきました。

昨年行った実態調査は、正社員の男女約2,000名を対象に実施。事前に3〜4カ月ほどかけて詳細な調査設計を行い、「どれくらい健康不調を抱えている人がいるのか」「不調が生産性にどれほど影響を与えているのか」「どれくらいの人がヘルスリテラシーを持っているのか」「管理職のリテラシーの有無が生産性に影響を与えているか」など、健康状態とマネジメント、生産性の関連性などを幅広く調査しました。


———健康課題への実態調査で見えてきたことを教えてください。

和田さん:ベルシステム24様では、モバイルワークやコアタイムなしのフレックスタイム制度、法定の年次有給休暇に加えて月1日の有給休暇が取れる独自の休暇制度など、柔軟に働ける制度が整っており、その活用も進んでいます。社員の皆さんもそういった制度についての認識は高く、また生理やPMSといった女性特有の不調の症状に関する知識も高めの傾向が見られました。

HANEMI和田氏

一方で課題として見えてきたのが、不調の症状の先にある「治療や症状改善に関するリテラシー不足」。そのため月経関連症状(生理・PMS)や更年期症状での専門医の受診率が低く、不調を抱えている社員のうち、過半数の人が適切なケアや休養を取れていないことが分かりました。

また、もう一つ見えてきた課題が「職場内のコミュニケーション」です。多くの職場では、上司や同僚との関係性は良好で、健康状態が優れない時でも安心して申告することができる環境であることが分かりました。しかし、業務の特性からどうしても遠隔やオンラインでのコミュニケーションにならざるを得ない部署や、モバイルワークを取り入れている部署などでは、物理的に離れていることによる遠慮から上長と健康や体調に関するコミュニケーションまではなかなか取りづらい状況が生まれていました。そしてこれらの職場環境とプレゼンティーズム(不調でも仕事を行っている状態)に明らかな関連性があり、それが生産性の低下につながる恐れがあることを今回の調査結果から読み取ることができました。


———調査を経て、女性特有の体調不良に対する支援として具体的にどのような取り組みを行ったのでしょうか。

藤井さん:優先順位を考えて、まずはパフォーマンスの悪化につながる不調を改善してもらえたらと、専門医による「治療や症状改善に関する研修」を行うことにしました。生理やPMS、更年期症状で悩みを抱えている人に「こんな方法もあるんだな」という新しい知識を得てもらい、不調を我慢せずに専門医を受診していただくことを目指した全2回のオンライン研修で、希望者は誰でも受講可能、アーカイブ視聴もできるようにしました。

第1回は「女性の健康課題と治療」をテーマに、生理、PMS、婦人科系疾患についての治療内容や受診タイミングを学べるもの。第2回は「更年期症状について」をテーマに、全体的にリテラシーの低かった更年期症状に関する知識や治療法だけでなく、男女の更年期症状の違いなどを学べる内容で、男性社員にも興味を持ってもらえるような内容にしました。

和田さん:単に知識を得るだけでなく、行動に移してこそのヘルスリテラシーではないでしょうか。だからこそこだわったのは、受講者の皆さんを、健診の受診といった具体的な行動を起こす状態にすること。そのため、研修では、生理やPMSの仕組みから受診タイミングや具体的な治療方法や薬の種類に加え、「受診した医師が合わないと感じたら別の医師に相談すればいい」「手術を伴う治療も、疾病や症状によっては 時期を選べるので働きながらでも大丈夫」といった話まで、専門医が分かりやすく説明することを心がけました。

受講者の中には、治療すれば症状が改善されるケースがあることを知らなかった人も多く、また、知っていても病院に行くことに対しハードルが高いと感じていた人もいたので、「受診しようと思った」といった声が聞けたのは非常に良かったと思っています。今回は、調査によって課題が詳細まで見えていたからこそ、研修の目的が明確になり、その目的に合わせた内容の研修を実施することができました。この研修がベルシステム24様の健康経営の課題改善につながってくれたらうれしいですね。


女性の健康課題への取り組みは、男性社員や管理職も含めた全社で取り組むことが大切。今後も楽しい企画で健康への関心を広げていきたい

ベルシステム24藤井氏

———今後はどのような取り組みを考えていますか。

藤井さん:研修参加者に実施したアンケートでは、内容への満足度は高く、「こういった学べる機会を定期的に開催してほしい」という声も多くあったので、今後も継続していきたいと思っています。ただ、今回の研修が不調の改善のためのものだったこともあり、参加者は何らかの体調への悩みを抱えた女性社員が中心で、不調をあまり自覚していない人や男性社員、管理職などの参加者は多くありませんでした。この取り組みは会社全体を広く巻き込んでいくことが大切であると考えているので、その点はもう少し工夫が必要だと思っています。

また、健康経営への取り組みとしては、「楽しさ」も大切ではないかと思っています。多くの人に興味を持ってもらい、みんなで楽しく健康になっていけたら、会社にとって大きなプラスになりますよね。不調は人によって症状が違うこともあり、一人で抱えてしまいがちです。不調を我慢するのではなく、まずは知識をつけて、専門医への受診や治療など一歩踏み出すことで継続的に状況を改善していけるよう、会社としてサポートをしていきたいですね。そしてそれが経営にとっても従業員にとっても大きなプラスになると思っています。


ベルシステム24社員

現場からのボトムアップ提案も盛んな職場で、社員の皆さんは、どのように健康経営の取り組みに関わっているのでしょうか。また、昨年度実施された女性の健康課題に関する研修は、受講者にどのような変化をもたらしたのでしょうか。健康経営の活動に関心があり、研修を受講した女性社員に話を聞きました。


ベルシステム24社員三島 敦美さん 第1事業本部 第7事業部 第1グループ(左)と大井 彩香さんHR本部 事業人事部 キャリア企画局(右)


楽しみながら健康経営に携われることが、働くモチベーションにつながっている

———社内では健康経営に関する活動が盛んだと聞いています。これまでお二人はどんな取り組みに携わってきましたか。

三島さん:私はもともと製薬会社で働いており、出産・子育てを経て、2017年より当社の医薬部門で働いています。医薬業界に携わっている身として健康への興味があり、昨年からは業務として健康経営にも携わっています。具体的にはクライアントが抱える健康経営に関する課題を解決するためのサービスを企画・開発するといった内容です。 また、今年からはD&Iプロジェクトの健康経営のチームにも参加しています。実は健康経営アドバイザーの資格も持ってるんですよ。

大井さん:私はコンタクトセンターでの業務を経て、現在は人事部で採用を担当しています。健康経営との関わりは、昨年初めてMMMCに参加し、ヘルスチャレンジをテーマにさまざまな取り組みを行いました。チームのみんなで健康茶の飲み比べをしたり、話題の健康アプリを試したりとチームメンバーと一緒に考えた企画を体験記事にして社内のイントラネットで発信しています。MMMCの活動はオンラインで参加できるので、北海道から沖縄まで拠点や部署を超えて多様なメンバーが集まっているので横のつながりができますし、楽しみながら活動できています。


———今回の女性の健康課題に関する研修に参加を決めた背景を教えていただけますか。

ベルシステム24社員

三島さん:業務として今回の実態調査の設計や試作の検討などに関わったことがきっかけです 。そこで感じた「職場を誰もが働きやすい環境にしていきたい」という想いに加えて、自分自身も年齢を重ねて心身に変化を感じるようになってきたことも理由です。もともと生理痛がつらいことに加えて、更年期の入り口に差し掛かってきたこともあり、知識として備えておきたいと感じるようになりました。 医療業界にいますが、専門家というわけではないですし、俗説ではなく正しい知識を身に付けたいと考えていたので、当日は受講者として学ばせていただきました。

大井さん:私はPMSの症状があり、特に業務に支障はないのですが、やはり気持ち的に落ち込む日もあります。将来的には子宮頸がんや乳がんのリスクもありますし、親を見ていると将来的に自分も更年期症状で悩む可能性も感じています。こういったことは周囲にもなかなか話しづらいものですし、わざわざ医師に相談するのもハードルが高いと思っていたところ、会社が専門医から学べる機会を用意してくれたので参加を決めました。


———研修を受けてみて、気持ちや行動に変化はありましたか?

ベルシステム24社員

大井さん:私の場合は、一時的な痛みなので、これまでは気合いで乗り切ってきたところがありましたが、やはり受診しないといけないなと気づかされました。忙しさと不安もあって、病院を探すところで止まってしまっていたので、今回の研修に背中を押してもらった感じです。また、正しい知識を得ることができて、安心にもつながったと感じています。

三島さん:実は、研修後に病院を受診しました。更年期に差し掛かって、これまで日常的にこなしていたことがおっくうに感じるようになり、夫からも「イライラしていることが増えた」と言われていたんです。研修で専門医の話を聞くうちに、私のような「何となく今までと違う」といった状態でも医師に相談していいんだと安心できたこと、さらにホルモンバランスをコントロールできる治療があることを知り、試してみたいと思ったことで、更年期外来のある婦人科を受診しました。

丁寧に話を聞いてくれ、分かりやすく説明してくれるお医者さんだったので、研修での幅広い知識に加えて、より今の自分に合った知識も得ることができました。それと、何となく不調に感じていた症状について、血液検査で状態を把握できたこともプラスでしたね。

今は処方してもらった薬を飲んでいますが、徐々に変化を感じています。以前は朝起きた時に気持ちがどんよりしていたのですが、睡眠の質が良くなったのか、目覚めがスッキリするように。仕事のパフォーマンスも上がりました。限界まで我慢していたわけではありませんが、早いうちから治療することでホルモンを安定させることができるようなので、研修をきっかけに病院に行って本当に良かったと思います。


———今後、健康経営といった社員のウェルビーイングに関して会社に期待することはありますか?

三島さん:私は転職組ですが、ここは本当に働きやすい会社だと感じています。女性比率も高いので、育児休暇や子育てとの両立にも理解がある。フレックスタイムや在宅ワーク、月1日の月次有給休暇を活用して、柔軟に働くことができます。ただ、部署によっては働き方に少し差があるため「女性特有の体調不良について相談しにくい」という声が上がることも。今後さらに会社全体として理解が進み、誰もが働きやすい職場になることを期待していますし、私自身も業務で健康経営に携わる立場として推進していきたいと思っています。

大井さん:これまでいくつかの部署を経験して、働きやすさに差を感じたこともありました。MMMCなどボトムアップで改善していく取り組みもできるので、そういった活動を通じて誰もが働きやすい環境になればと思っています。また、私自身、新卒採用を担当していますが、男女問わず「長く働き続けたい」という志向の人も多いので、当社が働きやすい会社だと対外的にアピールすることにも力を入れていきたいですね。



インタビュー取材を終えて:社員が積極的に健康経営に関わることで、誰もがより働きやすい会社に

ベルシステム24社員


健康経営というと、「従業員の健康を経営課題と捉えて、戦略的に健康管理や健康増進の取り組みをすることで、会社の生産性の向上を目指すこと」という捉え方から、どうしてもトップダウンでの取り組みと受け取られがちです。ただ、健康で働きやすい職場は、従業員自身にとっても大きなメリットがあることを考えれば、従業員が健康経営に主体者として関わる仕組みを作ることも大切ではないでしょうか。

今回取材したベルシステム24では、D&IプロジェクトやMMMCといったボトムアップ活動から生まれた企画や提案が取り入れられ、会社全体の施策になったものも数多くあるとのこと。「もっと会社を良くしたい」「働きやすい職場にしたい」という社員の想いを受け止める場があり、人事部門主導と現場の社員が主体となったボトムアップの両面から健康経営を推進することで、現場の声をうまく人事施策に反映させています。

そして、健康経営の課題の一つである女性特有の体調不良への取り組みとして、ベルシステム24の施策は好事例と言えるのではないでしょうか。症状についての知識だけでなく、より具体的な治療方法やセルフケアのリテラシーが広がり、我慢することを当たり前だと思わずに、症状改善に向けて動き出す人が増えてほしいと思います。そして、悩みを持つ人だけでなく職場全体にヘルスリテラシーが浸透することで、誰もが働きやすい職場につながっていくはず。そこを見据えてこれからも研修や施策を実施していくというベルシステム24の取り組みに引き続き注目していきたいと思います。


<カラダの不調と向き合うコツフライヤー

『iction!(イクション)』では、「働く女性が知っておきたい<カラダの不調と向き合うコツ>」シリーズとして、生理痛やPMS、更年期症状といった不調に悩む働く女性に向けたお役立ち記事を発信しています。

不調が起こるメカニズムからセルフケア、また専門医を受診する際のアドバイスも掲載。加えて、相談しにくい不調の症状を職場に伝える時のポイントなどを紹介しています。 女性特有の健康課題へ取り組まれている皆さまにご活用いただけるよう、記事を紹介するチラシも作成しています。ダウンロードしていただき、ぜひご活用ください。




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