リクルート所属シッティングバレーボール日本代表選手による出張授業を行いました
リクルートでは、障がいの有無に関わらず誰もが活躍できる社会の実現を目指す『パラリング』の活動を推進しています。その一環として、共生社会に対する理解が深まるオリジナル教材の制作や出張授業を全国の学校で実施しています。
今回(2023年11月28日(火))、リクルートに所属する田澤隼選手(東京2020パラリンピック シッティングバレーボール男子日本代表)が、地元青森県の平川市立尾上中学校で授業を行いました。当日は1年生から3年生までの全校生徒201名と、保護者の方々が参加しました。
一言で障がいと言っても、その種類や程度、捉え方は人それぞれ
大勢の生徒の皆さんに迎えられ、田澤選手による講演がスタート。まずは自己紹介と帰国したばかりのエジプト遠征でのエピソードに始まり、自身が障がいを負った経緯や、シッティングバレーボールとの出会いについて話しました。青森県の強豪校でバレーボールに打ち込み、全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)にも出場する腕前であった学生時代。その後事故で右足を失ったときの心境や、周囲の支えがあったことを振り返り、常に前を向いて進み続けてきた半生を伝えました。
「障がいのある人ってどんなイメージ?」と生徒たちへ問いかけた田澤選手。「障がい」が必ずしも身近ではない生徒たちに対して、義足はどうやって着け外すのか、温泉やプールではどうしているのかなど、リアルなエピソードを交えながら自身の日常生活を伝えました。
続いて、田澤選手の職場であるリクルートオフィスサポートでは自身の他にもさまざまな障がいがある人が働いていることにも触れ、同僚のひとりを例に挙げて紹介しました。 田澤選手の同僚で視覚障がいがある川島高太郎さんは、音楽が趣味で、弱視でありながらもプライベートではピアノやギターをはじめ多岐に渡る楽器を操り、演奏活動をしています。そんな彼の日常生活ではどんな困り事があり、それをどうやって解決しているのか。異なる障がいがある人の視点から見たエピソードを交えることで、障がいの内容やその向き合い方は決して一様ではなく、人それぞれで異なり多様なものであるということを伝えました。 川島さんが生徒の皆さんに送った「できない理由を探すよりも、できない理由をつぶしていく」という言葉は、まさに川島さん自身がこれまで歩んできた人生で培われたノウハウとして、一人ひとりの心に深く残ったようでした。
最後に田澤選手自身からも生徒の皆さんに向けて、「周りから見るとつらい経験であったとしても、自身がどう捉えるか。その経験はその後の人生に生きてくる」というメッセージが送られました。自分の境遇や特性を受け入れた上で、自ら工夫をしながら、やりたいことを叶えてきた田澤選手と川島さん。最後に、「みんなが持っていた障がい者のイメージはどう変わりましたか?」と生徒の皆さんに再度問いかけ、前半の講演会は終了しました。
強豪バレーボール部と日本代表選手による白熱の対戦!
講演の後は、全校生徒でシッティングバレーボールの体験をしました。シッティングバレーボールの特徴は、終始お尻を床につけた状態でプレーすること。まずは手足を使って前後左右に移動する動きの練習から始まり、徐々にボールを使ったラリーの練習をしていきます。
強豪チームとして知られる尾上中バレーボール部のメンバーでさえ、普段とは違う姿勢でのプレーに始めは苦戦を強いられた様子でしたが、田澤選手のアドバイスを受けて徐々にコツをつかみ、ネットを使った試合ではどのコートでも夢中になってプレーする様子が見られました。
生徒全員が試合の体験を終え、いよいよ最後は、男子バレーボール部と、田澤選手率いる女子バレーボール部の対戦。青森県の強豪バレーボール部が日々磨いてきたチームワークと、世界を相手に戦う田澤選手の迫力あるプレーに会場はくぎ付けになり、大きな歓声に包まれます。冬の青森の体育館はたちまち熱気にあふれ、大盛り上がりのうちに授業は終了となりました。
生徒の皆さん、先生方からの声
今回の出張授業に参加いただいた生徒の皆さんと、先生方からの感想をご紹介します。
●生徒の皆さんからの声
●先生方からの声
パラリングでは、学校の授業で活用いただける障がい者理解を目的とした教材やパラスポーツの魅力を体感・理解していただくことを目的とした動画を無償提供しています。
ご興味のあるかたは、下記ご案内をご確認ください。
『考え方を変える=パラダイムシフト』で『つながりの輪を広げる』パラリングは、これからも障がい者理解のためのプログラムを通して誰もが自分らしく生きる社会づくりに貢献します。
<お問い合わせ先>
株式会社リクルート パラリング 事務局
recruit_pararing@waku-2.com
パラリングとは?
「パラリング」とは「パラダイムシフト(考え方の変化)」と「リング(輪)」の造語で、障がい者理解を広めていくリクルートの活動です。リクルートは障がいの有無に関わらずそれぞれが活躍できる社会の実現を目指して活動をしています。