約8割の農家が採用に成功。JAみやざきが『Airワーク 採用管理』の活用を推進し、地域農家の人材不足を支援

約8割の農家が採用に成功。JAみやざきが『Airワーク 採用管理』の活用を推進し、地域農家の人材不足を支援

日本の農業は働き手の減少が続いており、今後もさらに人材確保が難しくなることが想定されています。そんな中、JAみやざき 宮崎中央地区本部とリクルートは、 2021年より雇用課題の解決に向けた協働を開始 。『Airワーク 採用管理 』を活用することで新たな働き手を生み出し、生産量の拡大や、労働環境の改善を実現しています。『Airワーク 採用管理』をどのように活用し、成果を生み出したのでしょうか。事例を交えてご紹介します。

“知り合いの紹介” だけで人手を集めるのが難しい時代。『Airワーク 採用管理』で迅速に人材確保

JAみやざき 宮崎中央地区本部が管轄する地域の人材不足で、特に悩みが深刻なのは家族経営の小規模農家です。昔は家族や親戚が手伝ったり、知り合いの紹介で人を集めたりして繁忙期を乗り越えてきましたが、近年は過疎化や高齢化の影響で人手確保が難しい状況に陥っています。そのため、生産規模の縮小や離農を検討せざるを得ない農家も出てきていました。
そんな中、リクルートと協力体制を築きながら各農家に提案したのが『Airワーク 採用管理』。導入を決めた理由は、個々の農家が無料で採用ホームページを開設できて、ネット上で広く求人を告知できる手法に可能性を感じたこと。また、複雑な操作が不要で、採用に慣れていない農家の方々にも使いやすい点や、情報を入力するだけで求人情報をすぐに公開でき、迅速に人手を確保できる点も決め手となりました。

地域の主婦層やシニア層が集まり約8割の農家が採用に成功。遊休地の活用で生産量が増加

取り組み開始以降、JAみやざき 宮崎中央地区本部が把握しているうちの約8割の農家が採用に成功しています。特に採用が好調なのは、働く個人の事情にあわせて勤務時間や休暇を柔軟に調整するといった工夫をしている農家です。この働き方に魅力を感じた地域の主婦層やシニア層が集まり、新たな働き手として農業に参加。また、この好事例が口コミで各農家に伝わり、『Airワーク 採用管理』の活用も増えていきました。

人手が増えた農家では、所有する畑の6~7割しか活用できていなかった状況から、土地をフル活用できるように変化し、生産量が増加。畑の管理も細かく行き届くことになったことから作物の品質の向上にもつながり、人材確保が農業経営の安定化につながっています。

この取り組みを通して、JAみやざき 宮崎中央地区本部の年見 南央十(としみ なおと)さんは、地域に人材が眠っている可能性を実感したと言います。
「まだまだ活用しきれていない人材がいるはず。今は日雇いなどの短期就業ニーズには応えきれていないが、農作業を整理し細分化していけば、“今日初めて仕事をする人” でもできる作業や扱える品目があるのではないか」と、今後も農家と協力しながら、さらなる人材活用を探求していく意欲を語りました。

JAみやざき宮崎中央地区本部のとしみさん

JAみやざき 宮崎中央地区本部の年見 南央十(としみ なおと)さん

導入事例:夫婦ふたり体制から多様な世代のスタッフと行う農業に変革した田内農園

JAみやざきの管轄エリアでキュウリのビニールハウス栽培を行っている田内農園の田内 昭大さん。最初はビニールハウス1棟のみだったため、夫婦ふたりと家族の手伝いで人手は足りていましたが、ビニールハウスをもう1棟建てたことから業務量が拡大。人手が足りなくなり、田内さんが睡眠時間を削って対応していましたが、このままでは体が持たないとスタッフの雇用を決意しました。

田内さんはこれまで人材採用の経験がなかったものの、リクルートの担当者によるフォローを受けながら、採用ホームページを開設。『Airワーク 採用管理』を活用した理由は、「採用活動がスピーディに進むから」と語ります。急な欠員が発生しても、自分の手元ですぐに募集が始められ、1〜2日後には応募がある。1週間ほどで新たなスタッフが見つかり、早い時は募集開始から3日後に仕事に来てもらえたこともあったそうです。 ニーズにあわせて、『Airワーク 採用管理』の機能を柔軟に使い分けるのも田内さん流。1名採用の場合は無料の基本機能の範囲で募集し、複数名採用の場合は有料オプションを活用し、リクルートの求人メディアと連携することで効果的な採用を進めています。

田内農園の田内さんの写真と『Airワーク 採用管理』の採用ホームページの携帯電話画面の写真

田内農園の田内 昭大さん(右)と『Airワーク 採用管理』を活用した採用ホームページ(左)

田内さんがスタッフを雇用する上で大事にしているのは、スタッフが働きやすい環境をつくること。例えば、家庭の事情などにあわせた早帰りや希望休を100%実現させる。ほかにも 「音楽やラジオを聞きながら収穫作業をしてもOK」「規格外のキュウリの持ち帰りOK」など、求人に興味を持ってもらえるように工夫を重ねています。実際に2年前からパートで働き始めた30代の主婦のスタッフも「時間の融通が利きやすく、主婦の私にぴったりの仕事。子育てと両立しやすく、休みもしっかり取れる」と職場の魅力を語っています。

田内農園では現在、オーナーの田内さんと採用したスタッフ8~9名で、ビニールハウス 2 棟の管理・収穫ができる体制を確立。スタッフに収穫作業を任せられるようになったことで、田内さんは畑の管理作業に注力し、品質の高いキュウリを多く収穫できる好循環が生まれています。その結果、販売金額・利益も拡大し、地域のキュウリ農家の中で、3年連続で一作を通しての一反当たりの収量と販売金額がNo.1になりました。

収穫されたきゅうりの写真と田内農園のビニールハウス

スタッフは16 歳から 65 歳までが就業中。学生、主婦、シニアと幅広い世代が集まっているからこそ、勤務時間やお休みの希望が分散しやすいというメリットも。休憩中に若い人の話を年配の人が興味を持って聞いたり、その逆もあったりと、スタッフ間のコミュニケーションが活発化しており、チームで助け合いながら働くことができています。

また、夫婦ふたり体制の頃は子どもたちとの時間がほとんど取れなかった田内さんですが、スタッフを採用したことで、1日の終わりに一緒に過ごせるように。奥さまも午前中だけ農作業に出て、午後は家事や子育てを中心とする生活になりました。

『Airワーク 採用管理』を活用した迅速で柔軟な採用活動に加え、働きやすい職場づくりを追求した田内さん。多様な世代のスタッフとチームで働くことで、ほとんど休みが取れない状態から脱却し生産性も向上。今では地区を代表するキュウリ農家になりました。毎年の楽しみは、畑を休ませる夏の間に家族旅行に出かけることなのだそう。「農業経営が安定してきたからこそ、これまでより子どもたちを楽しませてやりたい。自分も子どもたちと一緒に過ごす時間を少しでも多く増やしたい」と田内さんは今後の抱負を語っています。

今後もリクルート『Airワーク 採用管理』では、地域雇用の活性化を目指して、さまざまな地域や自治体と連携した取り組みを推進してまいります。


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