政府のGIGAスクール構想により全国の学校でICT化が進んでいます。群馬県北群馬郡吉岡町立明治小学校（以下明治小学校）では、いち早く端末の整備や大型モニターの設置を終え、2020年11月より株式会社リクルートのオンライン学習サービス『スタディサプリ』を導入。以来、児童生徒への有効性について検証を行ってきた結果、ICT活用による教員の指導方法の変化とともに、児童の基礎学力や家庭学習時間、学習意欲に関する成果が見えてきました。

以前より知識や思考などの基礎学力に課題を抱えていた明治小学校。児童の基礎学力を全体的に底上げするとともに、学力上位層の児童の学力をさらに高められるよう「個別最適な学び」を実現する必要がありました。また一方で、学びに向かう力・人間性や思考力・判断力・表現力などを含めた「生きる力」を育むために、知識のインプットに充てる授業時間を減らし、その分アウトプットに充てる授業時間を増やす「協働的な学び」の実施も求められていました。これらを一体的に実現するために実施したのが、『スタディサプリ』を活用した授業改善です。

授業改善にあたっては、以下3つのポイントで実施しました。

　1．知識のインプットは授業内だけでなく『スタディサプリ』を活用して家庭学習でも補充する
　2．一度で分からなくても『スタディサプリ』の講義動画を活用したり、先生に質問してみることで学びの多様性と楽しさを伝える
　3．児童の「生きる力」の育成に向けて、児童同士で話し合い自ら考える時間を増強する

その結果、先生の意識が「何を教えるか」ではなく「どのように学びを促すか」に変化。さらに、多くの児童に自主学習の習慣が身に付き、約9割が平日1時間以上の家庭学習を実施するようなったという調査結果が出ています。さらに、児童の学習姿勢にも変化が見られたことで、学力向上にも好影響の兆しが表れ始めています。