「サステナブル・ブランド国際会議2024」でリクルートが「ビジネスと人権」をテーマにしたセッションに登壇

持続可能な社会の実現に向けてサステナビリティのリーダーが集うアジア最大級のコミュニティイベント「サステナブル・ブランド国際会議」。米国サステナブル・ライフ・メディア社が展開する国際会議ネットワークで、世界10ヵ国で開催され、参加者数はグローバルで1.3 万人を超える規模となっています。2024年2月21日(水)・22日(木)には、「第8回サステナブル・ブランド国際会議2024 東京・丸の内」が開催され、国内外のサステナビリティ有識者や先進ブランドの代表者による基調講演、さまざまなテーマでのディスカッション、パネルトークなどを実施「『ビジネスと人権』、転換期の新たな挑戦」をテーマとしたセッションにリクルートサステナビリティ推進室室長 菊地 明重が登壇しました。サプライチェーンにおける人権対応が注目される中、「非・製造業」の分野におけるリクルートグループの取り組み事例などを語っていますので、その内容をご紹介します。 

リクルートグループが目指す「一人ひとりが輝く豊かな世界」とは?

「ビジネスにおける人権尊重」の重要性が国内でも認知されるようになり、大きな転換期を迎えている今、バリューチェーン上での人権侵害を防ぐ「守り」の対応としての「人権デューディリジェンス」に加え、事業・ビジネスを通じて社会の人権課題を解決する「攻め」の取り組みも期待されています。 

リクルートグループでは、1960年の創業以来、個人ユーザーの皆様と企業クライアントを結びつけるマッチング事業を創造・運営してきました。中でもマッチング&ビジネスソリューション事業は、人材、販促などの多様なマッチングサービスに加えて、近年では業務支援のSaaS事業も運営しておりさまざまなパートナー、クライアント個人ユーザーの皆様に支えられ、成り立っています。経営戦略としても、3つの柱のうちの1つにサステナビリティを掲げステークホルダーとの共存共栄を通じて、持続可能な社会と自社の持続的な成長の実現を目指していのが特徴です。 

リクルートグループの人権方針では、「国連のビジネスと人権に関する指導原則」で掲げられている保護・尊重・救済の3つを柱にし、その結果としてリクルートグループが目指している「一人ひとりが輝く豊かな世界」を実現していくことを屋根として表現しています。つまり、企業運営の根幹として大切にしていきたい世界観そのものが人権であると捉えているのです。 

パートナー様、クライアント様、個人ユーザー様に向けた人権に関する3つの取り組み

こうした世界観を実現していくためには、リクルート単独ではなく、バリューチェーン上のステークホルダーの皆様と協働し、対話をさせていただきながら解決策を模索する必要があると考え、社内外に対しても働きけを行っています。 

1つ目は、パートナーに対する人権理解促進の取り組みです。リクルートグループが大切にする人権の考え方をリクルート行動規範にまとめて社内外に宣言し、パートナーにも理解いただく活動を行っています。また、パートナーにおける人権に対する取り組みの一助になるよう、人権に関する動画や人権リスクを簡易に診断できるチェックツールの作なども企画しています。 

2つ目は、クライアントに対する人権勉強会です。外部から専門の講師を招いて、『企業経営における人権セミナー』を開催し、人権について考える機会をご提供しています。人権の専門組織を持つことが難しい規模のクライアントも多いため、気軽参加いただけるようオンラインで開催。身近な実例を紹介することで「気づきも多かった」という評価をいただき、今後も継続して開催予定です。 

3つ目は、個人ユーザー様に向けた取り組みです。例えば『HOT PEPPER Beauty Academy』 では、要支援者・要介護者の認定を受けた方など外出が困難な方を対象として、自宅や介護・福祉施設に理美容師が訪問し、ヘアカットなどの理美容メニューを実施する「訪問美容」を広めていく取り組みを行っています。

また、『SUUMO』 では、「百人百通りの住まいとの出会いを、もっと豊かに。速く。日本中に。」というミッションの下、住宅確保要配慮者(※)の方々や、住まい探しに困難を感じている方へも豊かな住まい探しを提供できるよう「100mo! プロジェクト」 を立ち上げ活動をスタート。多くの住宅業界の方々から賛同をいただいています。

※法令「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」と国土交通省令で「住宅確保要配慮者」として定められている考え方を指し、「100mo!プロジェクト」においては「シングルペアレント」「外国籍の方」「高齢者」「LGBTQ+」「障がい者」「生活保護受給者」の6属性を対象としています

「非・製造業」における人権活動の取り組みで大切なこと

登壇した他2社が製造業の方々であることから、リクルートに対して「非・製造業」としての取り組みの背景や想い、乗り越えてきたハードルに関する質問多くありました。 

例えば、クライアント企業の皆様と個人ユーザーのお客様とのやりとりの中にも、人権リスクが潜む可能性があります。しかし、そのような人権リスクを自社だけではなかなか防ぐことが難しい。そのため、クライアント様と「ともに考える機会を作り、より幅広い視点で学ぶ」という考えのもと、クライアント様に向けたセミナーなどを行っています。 

リクルートの人権の取り組みにおける最も大きなハードルは、バリューチェーンの川上から川下の広範囲な人権侵害リスクを、従業員だけでなく様々なステークホルダーの皆様にも自分ごとだと捉えてもらうことです。このハードルを乗り越える突破口となるのは、それぞれが自分ごとだと思える「身近でリアルな事例」をたくさん紹介していくことです。  

一社でできることは限定的で、唯一の正解というものはないからこそ、リクルートでは、企業活動を営む社会や日々接する人々から学び続けていくことを大事にしてます。今後も一層、ステークホルダーの皆様ともに学び、協働し、「一人ひとりが輝く豊かな世界」の実現に努めていきたいと考えています 

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