リクルートの転職支援サービス『リクルートエージェント』では、過去10年間の転職決定者データを分析、結果を発表しました。
2009 年度〜2020 年度の転職決定者分析により見えてきたのが、「異業種×異職種」への転職が年々増加していることです。2009 年度の時点では、「異業種×異職種」の転職は24.2%で、「異業種×同職種(37.2%)」「同業種×同職種(27.9%)」の方が高い割合でしたが、2020年度は最も多い36.1%にまで増加。中途採用市場の構造が大きく変化し、今後業種や職種を越えた越境転職がメインとなる可能性が見えてきました。
年代別に見ると「異業種×異職種」は、20 ~24 歳で52.0%と特に割合が大きく、年代が上がるにつれて職種の経験やスキルを軸にした「異業種×同職種」や「同業種×同職種」への転職がメインとなっています。ただし、「異業種×異職種」の転職パターンの増加は30代以上でも起きており、今後20代と同様に、より一般的な転職パターンとなる可能性を示唆しています。経験職種別に見ると、接客系・企画系で「異業種×異職種」転職が顕著です。
業界や職種を超えた「越境転職」という潮流。この背景には、産業構造のシフトで異業種・異職種の人材を積極的に採用していく企業側の変化と、人生100年時代において経験にとらわれずに成長機会を望む個人の意識の変化があると考えられます。こうした構造変化の時代だからこそ、新たなキャリア戦略や採用戦略が求められています。