2040年未来予測から見えた、日本が直面する労働供給制約社会と「4つの解決手段」とは

リクルートワークス研究所は、「人」と「組織」に関する研究機関で、およそ5年に1度、未来社会のシミュレーションを実施し、働くことの「未来像」を提示しています。 4回目となる2023年は『未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる』を発表。日本が今後直面する「労働供給制約」の実態と解決策について報告しています。

日本の人口動態統計を基に2040年の労働需給をシミュレーションした結果、明らかになった「労働供給制約社会」とは、単なる人手不足論ではなく、高齢人口が増え続け、労働の担い手となる現役世代の割合が不足することによって日本社会が生活を維持するために必要な労働力を供給できなくなることを示しています。今は当たり前のように享受している物流や建設土木、そして介護や福祉・医療・接客などの生活維持サービスの運営に大きな影響を及ぼすことで、「配送が行き届かない」「インフラの維持ができない」「介護・医療が受けられない」といった可能性が指摘され、2040年には深刻な事態を迎えると予測しています。

労働需給をシミュレーション

こうした「労働供給制約社会」の到来を遅らせるために、リクルートワークス研究所はレポートの中で「徹底的な機械化・自動化」「ワーキッシュアクト(※)という選択肢」「シニアの小さな活動」「待ったなしのムダ改革」という「4つの解決手段」を具体的な事例とともに提案。その取り組みを実践することで10年の猶予を得られるという具体的なインパクトも推計しており、その間に構造的な打ち手を考えて実行することで、より抜本的な課題解決に向けた対応策を検討していくことが可能だとしています。機械化・自動化への投資、柔軟な働き方、本業以外の活動といった企業や雇い主の取り組み、それを促せるような社会・行政の取り組み、さらには自分でできることはセルフサービスで行うなどサービスを受ける側の消費者の取り組みといった、総力戦の発想や政策立案などによるパラダイムシフトの可能性も示しています。

解決策実現シナリオとベースシナリオ

リクルートワークス研究所では今後も研究を進め、また、労働供給制約に先手を打つ気運が高まる地域や企業があるならば、その試行錯誤に加わっていきたいと考えています。

※ワーキッシュアクト:仕事以外で何らかの報酬を得るために誰かの労働へのニーズを担う性質がある活動のこと

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