大きかった報告書への反応と、見えてきた「もう一つの課題」
リクルートワークス研究所は、2018年度に離職期間のある女性のキャリアに着目した研究プロジェクト(「ブランクからのキャリア再開発」)を実施し、その結果を報告書(「『ためしながら、つながりながら作る』わたしのキャリア」2019年3月)にとりまとめた。
この報告書では、当事者へのインタビューやアンケート調査に基づいて、離職期間を経て自分らしいキャリアを作ろうとする女性への提案と、女性の再就職支援に関わる方や地方自治体への提言を行った。なかでも後者の提言では、仕事を再開した後に、再び仕事を辞めてしまう女性が一定割合いることや、再就職後の行動がその後のキャリアと関りを持つことを踏まえ、離職期間のある女性が無理なく仕事を再開し、キャリアを再開発していくための支援のあり方を示した。
この報告書に対しては、合計で30近い県や市、ハローワーク、女性支援の拠点から反響をいただいた。その結果、窓口やセミナーでの当事者の女性への配布が実現したほか、リカレント教育の設計の参考にしていただいた。これからの支援策についての政策対話にもつながった。多くの関係者の方と対話するなかで、女性の再就職支援をより良いものへとアップデートしようにも、女性が仕事を再開したあとにどのような問題に直面しやすいのか、どうすれば自分らしいキャリアを築けるのかについて、参考にできる情報がまだまだ少ないことが分かった。