両立支援 iction!パパの育休リアル調査

iction!パパの育休リアル調査 ~Vol.2 男性育休あるある ママの本音・パパの本音~ 育休中のパパの家事・育児をママはどう思ったか

iction!パパの育休リアル調査 ~Vol.2 男性育休あるある ママの本音・パパの本音~ 育休中のパパの家事・育児をママはどう思ったか
iction!パパの育休リアル調査 ~Vol.2 男性育休あるある ママの本音・パパの本音~ 育休中のパパの家事・育児をママはどう思ったか

厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、パパの育休取得率は、その向上を目的とした2022年の制度改正などの影響もあり、2023年度は30.1%と上昇。2025年には50%を目指すという政府の目標値からはまだ遠いものの、上昇傾向にあります。しかしながら、パパの育休取得日数は1カ月未満のケースが過半数と、ママと比較して期間が短く、いわゆる“とるだけ育休”になっていないか?という声も…。

そこで『iction!(イクション)』は、制度改正後に育休を取得した共働きのパパ・ママに対し、「パパの育休」についての調査を実施。その調査結果から分かった男性育休に関する実態 を「iction!パパの育休リアル調査」シリーズとしてまとめました。
今回は【Vol.2男性育休あるある ママの本音・パパの本音】と題して、調査に寄せられたコメントをご紹介します。育休中のパパとママは、それぞれのパートナーの育休中の家事・育児についてどう思っていたのか?夫婦ゲンカの原因は?パートナーがしてくれて一番うれしかったことは?…思わずうなずいてしまうエピソードや耳が痛い内容など、リアルな声から見えてきた“とるだけ育休”にしないためのヒントをお届けします。

※この記事の内容は、リリース当時(2024年10月現在)のものです。



男性育休中の家事・育児に対するママの不満は?パパの指示待ちの態度と積極性の足りなさ

共働き夫婦の場合にとって、家事・育児の役割分担は大きな悩みの一つ。育休中でもそれは同じのようです。パパとママ二人の育休をより充実したものにするためにも、まずは、育休期間中(もしくは生後1年程度の期間、以下同じ)に感じた「パパの家事・育児に対するママの不満」について詳しく見ていきたいと思います。


Q. 育休期間中、パパの家事・育児に関して「不満」に感じたことはありますか。

  • ・パパの家事への「不満」の主な内容は、「言わないと動かない」「雑・中途半端」「料理をしない」。

  • ・パパの育児への「不満」の主な内容は、「やりたいことしかしない」「指示待ち」「一人でできることがあまりない」。

  • ・「特になし」と回答した割合は、家事・育児ともにおよそ4割。

言わないと動かない・家事は後回し | ママのイライラ【パパの家事編➀】

・「言わないとやってくれない。気づいてくれない。」(女性30-34歳)
・「言わないとやらない。でも言われるのが嫌いな夫は、機嫌が悪くなって…。渋々言われたことをやる時の態度にさらにイライラして、何度もケンカになった。」(女性30-34歳)
・「やってほしいことを言わないと行動しないし、やってほしいことを伝えてもすぐに行動に移さない。今、何が必要かを考えて家事をしてほしい。」(女性35-39歳)

家事が雑・中途半端 | ママのイライラ【パパの家事編②】

・「料理や買い物を一人で任せるのは難しかった。」(女性35-39歳)
・「洗濯機を回したはいいが、干すのを忘れていることがよくある。結局私が干すことになる。」(女性30-34歳)
・「洗ったお皿に汚れが残っている。私が指摘すると機嫌が悪くなる。やった感を出されるけど、結局私の負担は重いまま。」(女性35-39歳)

ママの分担が多い・料理はしない | ママのイライラ【パパの家事編③】

・「育休で仕事を休んでいる割には、夫の分担が少ない。」(女性30-34歳)
・「苦手だからと料理を作らない。」(女性35-39歳)
・「1カ月以上の育休期間中も、食事は準備してもらって当たり前という態度だった。」(女性35-39歳)

自分のやりたいことしかしない | ママのイライラ【パパの育児編➀】

・「子どもの世話は自分の気分が乗った時だけ。」(女性25-29歳)
・「ウンチの時はいつもヘルプで呼ばれる。」(女性30-34歳)
・「育児の楽しい部分だけをやろうとして、やりたくない部分はさりげなく押し付けてくる。沐浴は『大きくなって遊べるようになってから一緒に入る』と言い、泣き止まない時は『やっぱりお母さんじゃないとダメだな』とすぐに抱っこを任せてきた。」(女性40-44歳)
・「積極的に子どもをかわいがってくれるのはありがたいが、やらなければならないことは山積みで、私がやってほしいこと(家事などの残タスク)ではなく、私がやりたいこと(子どもと過ごす時間)を奪うので腹が立った。」(女性30-34歳)

積極性がなく、指示待ち | ママのイライラ【パパの育児編②】

・「言わないとやってくれない。」(女性30-34歳)
・「言われるまでやらない夫に私が怒り、よくケンカなった。」(女性35-39歳)
・「基本的に“指示待ち”。出かける際は自分の支度だけで子どもの支度は言わないとやらない。保活や病院選び等の情報収集も全て私がしている。」(女性30-34歳)

一人でできることがあまりない | ママのイライラ【パパの育児編③】

・「こっちが言わないと何をしていいか分からない。」(女性30-34歳)
・「お願いすること一つひとつに説明が必要だった。」(女性25-29歳)
・「夫が寝かしつけようとしてもなかなか寝ないので、寝かしつけや夜泣き対応を避けるようになり、ますます慣れる機会がなく、私がやるしかしない状況になった。できないではなくて、できるまでやってほしいと何度も伝えた。」(女性25-29歳)



男性育休中の家事・育児でママが高評価するポイントは?率先した態度とママに寄り添う姿勢

ここまで読むと、ママはパパに不満ばかり感じていると思うかもしれませんが、パパの家事・育児の「よかった・いいな」と思った点についても9割を超えるママたちが回答を寄せてくれました。その代表的な声を紹介します。


Q. 育休期間中、パパの家事・育児に関して「よかった・満足した・いいな」と思ったことはありますか。

  • ・「よかった・満足した・いいな」と思った主な内容は、パパの家事や育児への積極性や自主性。

  • ・「特になし」と回答した割合は家事・育児ともに1割未満。

ママが高評価するポイントは、積極性や自主性、一緒に解決しようとしてくれる協力性

・「やってほしいと言わなくても、進んで家事をやってくれる。」(女性30-34歳)
・「食洗器に入っている洗い終わった食器の片付けや、ゴミを出した後のゴミ袋の取り付けなど、いわゆる名もない家事ができるようになってきた。」(女性30-34歳)
・「体調不良で動けない時は家事を全てやってくれた。」(女性25-29歳)
・「家事・育児の便利グッズをいくつか買ってくれたことで負担が減ってありがたかった。」(女性30-34歳)
・「おむつ替え、お風呂、離乳食など全て率先して行ってくれた。」(女性25-29歳)
・「おむつ替えや沐浴など一生懸命覚えようとしてくれた。」(女性40-44歳)
・「泣いていたら、あやしてくれたり抱っこしたりとママ任せにしない。」(女性30-34歳)
・「赤ちゃんのお世話は全て、私がいなくても対応できるので安心。」(女性35-39歳)
・「上の子の相手をよくしてくれる。」(女性40-44歳)
・「子どもの身体のことや成長について相談できる。」(女性35-39歳)



ママの家事・育児に対してパパはどう感じている?育休を取って改めて感じたママのすごさ

ここからは、パパがパートナーであるママの家事・育児についてどう感じているのか見てみましょう。
ママの育休中の家事・育児には、「不満なし」と回答した人がおよそ8割と不満を持つパパは少数派。一方で「よかった・いいな」と思うことついては、9割以上のパパがポジティブな回答を寄せてくれました。ここでは、そんなパパたちからのママの頑張りへの感謝の声をご紹介します。


Q. 育休期間中、ママの家事・育児に関して、「よかった・満足した・いいな」と思ったことはありますか。

  • ・「よかった・満足した・いいな」と思った内容は、家事・育児を頑張っているママの姿。

  • ・「特になし」と回答した割合は家事・育児ともに1割未満。

家事・育児をやってみて改めて気づいたママのすごさにパパからも感謝の声が

・「家事は、ほぼ妻がこなしてくれたこと。大変申し訳ないと思いつつ、いつも以上に助けられていると感じた。」(男性40-44歳)
・「妻がしている普段は気づくことができない家事の細かい点に自分でやってみて気づいた。」(男性35-39歳)
・「家事をやるときに、適切な用具や効率的なやり方を教えてくれた。」(男性35-39歳)
・「あまり慣れていない抱っこの仕方や、おむつ替え、ミルクのあげ方などを丁寧に教えてくれたので、育児に対して不安だったことが取り除かれてうれしかった。」(男性35-39歳)
・「しっかりと子どもに向き合ってくれてうれしかった。」(男性35-39歳)
・「子どもが、すくすくと大きくなっていることが全て。」(男性35-39歳)
・「想像以上に子どもをかわいがる様子が見えること。」(男性30-34歳)
・「お互い初めての育児だったが、いろいろと情報収集をしてくれたこと。」(男性25-29歳)
・「育児や家事がどんなに忙しくても妻が作る料理は毎回おいしく、私が当番の際に作る料理とは雲泥の差だったので、改めて妻のすごさを知りました。」(男性35-39歳)



育休中の夫婦ゲンカの原因は?赤ちゃんのお世話で余裕がない時期、ちょっとしたことでお互いにイライラし、言い争いに

育休中は夫婦が一緒にいる時間が長い上に、家事や育児は慣れないことも多く、些細なことからケンカになりがち。その原因はさまざまですが、言い換えれば、それは二人の育休をよりよくするための改善ポイントとも言えるはず。
ここからは、今回の調査で聞いた「育休中に起きた夫婦ゲンカ」について、その主な原因ごとに寄せられたエピソードをご紹介します。


Q. 育休期間中、夫婦間で一番多かったケンカの内容はどのようなことですか。

  • ・夫婦ゲンカの主な内容は、「夜泣き対応」「家事・育児の分担」「家事・育児の方法」など。

  • ・「特にケンカをしなかった」と回答した割合はおよそ3割。

夜泣きへの対応 | ケンカの原因➀

・「泣き続けている赤ちゃんをそのままにするか、それとも抱っこをしてあやしてあげるかで何度もケンカしました。赤ちゃんがかわいそうだと思う一方で、自分たちの体力も限界状態だったので、ギリギリの状態でどちらを優先するかというケンカでした。」(男性30-34歳)
・「赤ちゃんの夜泣きに夫は起きずにいびきをかきながら寝ていた時にすごく腹が立ち怒ったことがあった。私は眠いのに眠れず体力奪われている横で、優雅に寝ている姿にムカついた。」(女性25-29歳)
・「子どもの夜泣きがひどい時に、どちらが抱っこするのか、抱っこしなくてもいいのかなど泣き止ませるための対策の考えが違ってケンカしました。」(男性30-34歳)
・「子どもが授乳以外の理由でなかなか寝ない時に、「おっぱいじゃないの?」とか「ママじゃないから泣き止まない」など、すぐ諦めて任せようとする態度にムカついた。」(女性30-34歳)
・「私は夜間授乳でまとまって寝れていないのに、子どもの朝泣きに対応してくれない時はケンカになりました。」(女性30-34歳)

家事・育児の分担 | ケンカの原因②

・「二人とも育休中の時は、ほとんどの家事は自分がやっていたのでケンカはなかったが、自分が復職して妻が育休中の期間は、自分が家事・育児をやらない・できないことが多く、それでケンカになった。」(男性35-39歳)
・「私の育休中に、夫が飲み会に行くことや、夫が基本一人で長時間子どもの面倒を見てくれず、私が家から出られないことでケンカになった。」(女性30-34歳)
・「子どもをお風呂に入れる時、どちらかが子どもと一緒に入り、もう一人が風呂上がりの子どもの面倒を見ていたが、残業で帰宅が遅くなると妻が一人でお風呂の世話をしなくてはならず、よく不満を言われた。」(男性30-34歳)
・「仕事柄、家を空けることが多く、育児のほとんどを妻がしてくれているが、私が口を出したことでケンカになった。『いつも見ていないのに口を出さないでほしい』と言われカチンときてしまい口論に。『夫婦で育児をしたいから』と言っても『それならもう少し家にいてほしい』と言われしまい何も言い返せなかった。」(男性40-44歳)
・「職場や友人との飲み会に参加してもいいけど、いつもやっている子どものお風呂は済ませてから出かけてよと思い、口論になった。」(女性30-34歳)

家事・育児のやり方・考え方の違い | ケンカの原因③

・「妻のこだわりが強く、自分がやった家事に細かい指摘をされた。慣れない上にあまりにブツブツと言われて不快に感じ、いらだちを口にしてしまった。」(男性35-39歳)
・「ちょっと手伝ってほしいだけなのに、パパからいちいちいろいろ聞かれて少し腹が立ちました。またそれに対し、嫌な顔をあらわにして手伝われた時もイライラしてしまった。」(女性35-39歳)
・「大変そうな妻に迷惑をかけないように『何をやればいい?』と聞いたら、妻から『聞かずとも動いてほしい』と言われてケンカになった。」(男性30-34歳)
・「子どもに関する申請書類に関して何もしようとしない。私が記入しながらどう思うか声をかけても他人事のような態度を取られてケンカになった。」(女性30-34歳)
・「妻は先に知っているのに、沐浴やおむつ替えなどの段取りをYouTubeなどで予習をしておけと文句を言われ、不愉快な気分になった。ただ、実際その通りなので動画を見てメモを取り、自分なりに手順を整理しました。」(男性30-34歳)
・「保育園の入園時期やどこの保育園にするかでもめました。1歳を待たずに入園するか、遅らせるか、保育園は送迎に便利なところか、風邪などの病気のもらいにくさを優先するかといったことで言い合いになった。」(女性 35-39歳)

パートナーの自分本位の行動 | ケンカの原因④

・「出産後、半年ほどはなかなか家から出られず、ストレスがたまっている状況で、夫は飲み会など自由に出歩いていることにイライラが募りました。」(女性30-34歳)
・「夫は美容院や歯医者など自由に出かけるのに、私が出かけて時間がかかると不機嫌になる。」(女性35-39歳)
・「サッカー好きの夫が、リアルタイムで試合を見ようと風呂に入りながらスマホで試合を見る。風呂からなかなか上がってこず、一方的にイライラした。」(女性40-44歳)
・「子どもが寝ている時に、夫はYouTubeやアマゾンプライムを見ている。そんな時間があるなら片付けや掃除など普段なかなかできないところとかもやってほしい。」(女性35-39歳)
・「家族の時間が止まる『喫煙の時間』。喫煙の時間で○○をしてくれたらと考えてしまう。外出先でも喫煙をするので、授乳や離乳食のスケジュールを加味して行動しないといけないのに、時間が止まってしまうことが一番腹立たしかった。」(女性30-34歳)



育休期間中に夫婦でお互いにしてくれてうれしかったことは?お互いへの感謝を言葉で表すことが大切

お互いに取ってよかったと思える育休にするヒントは、ケンカの原因だけにあるのではありません。お互いがどんなことにうれしいと感じたかを知ることでも、二人で取る育休をよりよいものにできるはず。ここからは、「育休中にお互いのパートナーからしてもらってうれしかった」エピソードをご紹介します。


Q. 育休期間中、配偶者がしてくれて一番うれしかったことはどのようなことですか。

  • ・「うれしかったこと」の主な内容は、具体的な家事・育児へのサポートとそれに対する感謝の言葉。

  • ・「特になし」と回答した割合は2割未満。

育休中にママがしてくれて「パパがうれしかったこと」

・「妻の『ありがとうの』一言がとてもうれしくて、達成感や、やりがいにつながっていったと感じている。」(男性40-44歳)
・「夫婦ゲンカが増えるなかで、だんだんと会話が減ることもあったが『○○をしてくれてありがとう』と声をかけられることで、やってよかったと思えて気分も上がった。言葉の大切さを感じた。」(男性30-34歳)
・「妻から感謝の気持ちを述べられたことが一番うれしかった。役に立つことができ、育児の不安を解消することができたことが一番よかった。」(男性40-44歳)
・「『ありがとう』『助かる』と言った妻からの些細なお礼の言葉がうれしい。大変だけど育休を取ってよかったと思った。」(男性45-49歳)
・「妻は夜泣きや授乳で毎日大変なはずなのに、料理や掃除を私がやっていると、『いつもありがとう』とねぎらってくれた。」(男性35-39歳)
・「夜泣きの時期は体力が本当にきつかった。寝れず体力がギリギリの状態だった時に作ってくれたあったかい野菜スープは、体に染み渡るように感じて非常に助かりました。」(男性30-34歳)
・「子どもの成長を二人で笑い合いながら分かち合えたこと。」(男性30-34歳)
・「二人で育児方法を考えたり、共に子どもの成長を見れたこと。上の子どもたちについても話し合う時間が持てたこと。」(男性35-39歳)
・「第一子の時は育休を取らず夫婦共に余裕がなくてただ大変だったという思い出しかないが、今回育休を取ったことで、夫婦共に余裕を持って育児ができた。結果、妻が笑顔でいてくれたこと。」(男性35-39歳)
・「赤ちゃんの寝顔を見たりミルクを飲んでいる時の妻の幸せそうな顔。」(男性45-49歳)
・「子ども中心の生活の中で、夫婦の時間も大切にしてくれたこと。」(男性25-29歳)

育休中にパパがしてくれて「ママがうれしかったこと」

・「夫が育休を取り始めてしばらくしたころに、育児を頑張っているご褒美にケーキを買ってきてくれたこと。その時に『育休を取らなかったら育児の大変さに気づかなかったよ。いろいろ教えてくれてありがとう』と感謝の言葉を言ってくれたこと。」(女性20-24歳)
・「『お疲れさま、ありがとう』の言葉を毎日欠かさず言ってくれたことが一番うれしかった。夫にはとても感謝している。」(女性25-29歳)
・「初めは分かり合えなかったことが多かったが、協力していく中で私の気持ちを分かってくれるようになったことがうれしかった。」(女性35-39歳)
・「家事を全くやらなかった夫が、子どもが生まれて変わった。」(女性40-44歳)
・「育児に関して得意・不得意はあるが、少しでもやろうと意欲を見せてくれたことがうれしかった。」(女性25-29歳)
・「育休中は病院には必ず一緒に来てくれ、待つのが苦手なのに子どもと待っていてくれた。」(女性35-39歳)
・「退院したばかりで赤ちゃんのお世話にかかりきりだったころに、苦手な洗濯やご飯作りをしてくれた。毎日文句も言わず買い物に行き、私の好きなものを作ってくれた。」(女性35-39歳)
・「夜泣きの対応を快くしてくれようとしたこと。私が夜寝れない時は、遅く起きても何も言わず、その間に何度も洗濯機を回し干してくれていた。」(女性30-34歳)
・「夜泣きが止まらない夜でも、夫が育休を取ってくれたおかげで常に一緒に頑張ることができて、めっちゃ心強かった。気持ち的に追い詰められることがなくありがたかった。」(女性40-44歳)
・「とにかく優しくしてくれたことがうれしかった。産後はメンタルも不安定だったため、涙をすることもあったがポジティブな言葉をかけてくれた。」(女性30-34歳)
・「平日は基本的にワンオペのため、私が育児をしやすいように環境を整えてくれた。必要なものを買い揃えてくれたことで結果的に時短になり、子どもとの時間を持つことができた。」(女性35-39歳)
・「パパには肩身が狭いであろうママと子ども親子が9割の児童施設に子どもを連れ出し、私に一人の時間を作ろうとしてくれた。定期的に一人の時間を作ってくれ、『遊びに行ってきたら?』と提案してくれた。」(女性25-29歳)



調査から見えてきたこと:育休の先にある仕事と家事・育児の両立を目指すために

今回は、調査に寄せられた育休にまつわる「パパとママの本音」をご紹介しましたが、これらの声から、現状のパパの育休にはいくつかの課題があることが見えてきました。

一つ目はパパの「育休期間の短さ」。
最適な育休期間は、ママの体調や復帰時期、両親のサポートの有無などそれぞれの家庭の事情によってさまざまだと思います。ただ、もっとパパに家事・育児に関わってほしいという声がこれだけあるということは、現状の取得状況が十分ではないことの表れのように思います。子どもの出生後、パパの家事・育児への参加が求められる時期や期間において、まだまだママの負担が大きい家庭が多いのではないでしょうか。
特に育児については、多くのパパが十分な育児の経験を積む前に、育休から復職してしまうため、結局パパの育児力は、ママに及ばないままに…。
もちろん取得期間が短い現状は決してパパだけの問題ではありません。個人が取りたい時期や期間を尊重した育休取得ができるよう、企業や社会も含めて変わっていくことが重要だと思います。

二つ目は、パパの「育休前の準備不足」。
特に育児については、妊娠期間中から専門医や地域の母親学級などを通じて、子どもを迎える準備を重ねていくママに対し、パパはそういった機会が少なく準備不足のまま育休に突入しているように見えます。
その結果、多くのパパが“指示待ち”状態に。育児については、もちろん自ら学ぼう・動こうというパパの積極性も大切ですが、社会としてパパの育休取得を推進しつつある今、その準備のための支援も必要なのではないでしょうか。また、家事については、例えば夫婦の間で家事のやり方や求める質の違いについて、育休前に二人で話し合ったり、実践する機会を設けることはできるはず。事前に夫婦で“育休の予習”をすることで解決できることもありそうです。

そして、最後はパパの「育休明けの働き方」。
パパの育休中は二人で家事・育児を協力できていたのに、仕事に戻った途端に一気にママに負担が偏るのは、まさに“男性育休あるある”です。ママより早く仕事復帰したパパが、子どもが生まれる前と同様の働き方に戻ることで、パパが望むかどうかにかかわらず、家事・育児との関わりを大きく減らさざるをえない状況が生まれています。ママの育休中はまだしも、二人とも復職した後のことを考えると…。つまりパパの「育休明けの働き方」は、その後の子育て期間に夫婦がお互いにどう仕事と家事・育児を両立していくかを考える重要なポイントでもあるのです。

次回、「iction!パパの育休リアル調査」シリーズの最終回は、父親の仕事と育児の両立に詳しい専門家へのインタビューをお届けします。今回の調査結果をひもときながら、育休前・育休中・育休後それぞれの父親の育児参加と仕事との両立の現状と課題について一緒に考えたいと思います。ぜひ併せてお読みください。

「iction!パパの育休リアル調査 ~男性育休の専門家は、どう読み解く?Daddy Support協会平野 翔大さんと考える父親の仕事と育児の両立~」はこちら


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