両立支援

働く人が抱えるさまざまな事情を考慮する職場のあり方 治療と仕事の両立について考える心理学の研究トピック

健康・体調管理

2025年01月21日 転載元:リクルートマネジメントソリューションズ

働く人が抱えるさまざまな事情を考慮する職場のあり方 治療と仕事の両立について考える心理学の研究トピック

本稿では、治療と仕事の両立について考える視点として、心理学の研究トピックを紹介する。人とのつながりがもつ良い効果を説明する「社会的アイデンティティ」、組織の支援と本人の判断の関係を考える「パターナリズム」、周囲の協力行動に影響する「組織的公正」である。いずれも幅広い分野で研究が多く行われているが、ここでは病気を抱えた人の支援や就労に関連する研究を中心に紹介する。


目次
  • 就業に及ぼす影響 「医学モデル」と「社会モデル」
  • 人とのつながりの重要性
  • 社会的アイデンティティと社会的治療
  • パターナリズムか 個人の意思の尊重か
  • 周囲の協力行動に影響する組織的公正

就業に及ぼす影響 「医学モデル」と「社会モデル」

日本における難病を抱えた人の就労の実態について、高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターが2024年3月に調査報告書「難病患者の就労困難性に関する調査研究」を発表している*1。調査対象は4523名の難病患者で、症状は軽症の人から、障害者手帳を持っている人まで含まれる。回答者の約7割が仕事に就いている。この調査の主な目的は、障害者手帳を持たない難病患者の就労に関する困難について把握することである。

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