人生には「失敗したな」と思う出来事も。でも、それを「いい経験になった」と未来につなげるのは自分次第かもしれない。オクノさん(60代)は、これまで経験してきた出来事すべてが「今につながっている」と考えている。前向きなオクノさんの思いは、時には職場の人々にも伝搬するようで。
思いをはっきり伝えたら職場の雰囲気が変わった
現在は設備関連の会社にて正社員で営業事務兼秘書として働くオクノさん。ここ一年ほどは、週末の設備点検も行うように。希望を伝えると社長からは「女性からの申し出は初めてです。ありがとう」と感謝された。
「勤務日数が増えるので給与も増えるのがありがたいですが、現場に出ることで、普段作成している請求書や見積書がどんな仕事につながっているのかわかって勉強になります。点検先まで向かう車の中や、昼食時間のなにげない会話から、点検員さんの困りごとを知ったり、書類に出てくる専門用語の意味が理解できたり、発見がとても多いんです」
これまで経験してきたどの職場、仕事でも「やるからには面白さを見つける」「自分ができることは精いっぱいやる」を大切にするのがオクノさん流。今の職場で働きはじめた4年前は、社内のメンバーそれぞれが自分の仕事をこなすのみで、ぎくしゃくする場面も。連携が取れていない様子を見て「皆が前向きに、楽しく仕事ができる雰囲気を作りたい」と動き出したのだという。
「会社という組織なのですから、ひとつになって動かないといい仕事ができないと思うんです。私にできることはないかと考えて時間をかけて努力を重ねた結果、皆にも私の思いが伝わり、会社の雰囲気が変わり、連携が取れるようになった気がします」