女性の再就職支援の柱としての「学び直し」
結婚・出産、夫の転勤などの理由で仕事を辞めたあと、再就職する女性が増えている。しかし、再就職のあとにすべての人が仕事を続けている訳ではない。リクルートワークス研究所が行ったアンケート調査(「ブランクのある女性のキャリア3千人調査」 (※1))によれば、首都圏と政令指定都市に住み、3年以上の離職期間を経て再就職した女性のうち、4人に1人が調査時点で仕事を辞めていた(※2)。再就職したあと、自分らしいキャリアを作るためには「働き続ける」というハードルを越える必要があるのだ。
ここで気になるのは、「学び直し」の効果だ。女性の働く希望の高まりや人手不足の深刻化を背景に、政府は女性の再就職支援に力を入れている。その柱と位置づけられているのが、「学び直し」である。実際、2018年1月より、雇用保険から支給される教育訓練給付の受講条件が大幅に緩和され、出産・育児等で仕事を辞めた女性が給付金を受けやすくなっている。教育訓練給付金には、妊娠・出産等で離職し、教育訓練を受講できなくなった場合に、申請すれば離職から一定期間、引き続き給付の対象となる期間が設けられている。この期間がそれまでの最大4年から、最大20年にまで拡大されたのだ。さらに、学び直しの経済的負担を軽減するために、中長期的なキャリア形成に関わる学びをサポートする専門実践教育訓練給付についても、支給要件の緩和や支給率の引き上げが行われている。
しかし一言で学び直しと言っても、国家資格や民間資格の取得に関わるもの、オフィス事務やパソコン操作など、より汎用性の高い実務的知識・スキルの習得に関わるもの、履歴書の書き方・面接指導など就職活動に関わるもの、キャリアの棚卸しやネットワーク作りに関わるものなど、その中身は多様である。離職期間中にどのような学び直しを行っていると、再就職後も働き続けやすいのだろうか。