「仕事とは、自分の幅を広げたり、成長させてくれたり、人に貢献できたりする、とても素敵なものだと私は思っているんです」――少し緊張ぎみで、けれどまっすぐな視線でこう語る須田真子さん。大学を卒業してから今日まで、仕事ひと筋だった時代、趣味を楽しみながら仕事を3つも掛け持ちしていた時代、子育て中心の時代と、その時々の状況を前向きにとらえ、働き方を柔軟に変えてきた。いつも核となったのは、「好き」という気持ちだ。
人の夢や目標に寄り添いたい
新卒で入社した語学スクールで、学校責任者として、学校の運営やスタッフの研修など責任の重い役割をまかされていた須田さん。この職場を選んだ理由をたずねると、「なんでしょうね。昔から、人が夢や目標を実現させていく姿を見ているのが好きだったんです」と答える。
語学を身につけて何かを成し遂げたいと思っている人、まだやりたいことが明確に定まっていない人、お金がかかるからと不安を感じている人......そこで出会ったのは、さまざまな事情や思いを抱えた人たち。
「一人ひとりの声に耳を傾けて信頼関係を築き、納得できる学び方をいっしょに導き出していくことを心がけていました。『あなたがいたから決めたんだよ』とか『ここに来てよかった』と言っていただけると、とてもうれしかった。その方の人生を間近で応援することが、自分自身の目標や成果に直結する。やりがいがありました」
アロマ、ウクレレ、カフェ......「好き」を求めて
派遣スタッフとして働き始めたのは、社会に出て10年たった頃。「それまで仕事一筋で、とても充実していたのですが、何せ忙しすぎて。ふと、私って趣味のひとつもない、この先子どもが生まれた時に伝えられることが何もないかも、なんて考えてしまった。やってみたいこともあったので、働き方を変えようと思いました」時間の融通がきくようにと、派遣スタッフに登録し、自宅近くの大学で働くことに。