女性の活躍 iction!のイベント

女性活躍推進の本質とは? リクルートの取り組みでの成果と課題をiction!セミナーで共有

iction!の取り組みイベント

2016年12月16日

「子育てしながら働きやすい世の中を、共に創る」をキーワードに、働く意欲を持つ子育て世代を応援するiction!(イクション)プロジェクト。その一環として、2016年9月1日、リクルートホールディングスはiction!セミナー「女性活躍推進の本質とは〜女性活躍推進の陥りがちなワナとリクルートの4年間の取り組みでわかったこと〜」を開催しました。

想定を上回る申し込みがあり、大きな会場に変更

想定を上回る申し込みがあり、大きな会場に変更


東京・京橋の会場には、企業の人事担当者やダイバーシティ推進担当者などおよそ150名が来場。 2016年4月の女性活躍推進法施行を受け、各企業で女性活躍推進の機運が高まっていることがうかがえます。

セミナーの冒頭では、iciton!事務局の事務局長・二葉美智子が、iction!プロジェクトの理念について説明しました。 まず紹介したのは、「出産を機に退職した方の約4割が後悔している」 「育児と仕事を両立している女性の約8割がそれを負担に感じている」 というリクルートワークス研究所の調査結果です。iction!ではこのような課題を解決するために、 「妊娠・出産で辞めないですむ」「育児と仕事の両立によるストレスを減らす」 「無理なく始められる仕事をつくる」という3つの重点テーマを掲げています。

多くの女性が仕事と育児の両立で悩んでいる実態が浮き彫りに

多くの女性が仕事と育児の両立で悩んでいる実態が浮き彫りに


二葉は、来場された方に向けて、「リクルートグループだけではなく社外のみなさまと一緒に課題を解決していきたい」 と語りました。

第一部のセッションでは、「女性活躍推進において企業が陥りがちなワナとは?」と題して、 リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫が、女性活躍推進の取り組みに潜む12個の誤解や思い込みを紹介。

日本の会社における働き方が残業を厭わずに働く男性を前提に作られていることや、 育児時間の充実が女性の活躍につながるわけではないこと、とことん仕事をさせることだけが人材育成ではないことなど、 多くの日本企業が陥りがちな傾向を指摘しました。

「ダイバーシティ推進室が女性ばかりではおかしい」と語る大久保幸夫

「ダイバーシティ推進室が女性ばかりではおかしい」と語る大久保幸夫


最後に大久保は「この12項目は、心の底から良かれと思ってやったことの結果。 それを踏まえ、もう1歩深いレベルでどのように女性活躍に取り組めるのかを考えないと乗り越えていけない」 と話しました。

性別に関係なく誰もが働きやすい社会を目指すには、従来の考え方や手法にとらわれることなく、 これまでの取り組みの失敗や課題も振り返りながら新たな取り組みにチャレンジすることが求められています。

続く第二部「リクルートの4年間の取り組みでわかったこと」では、 リクルートホールディングスでダイバーシティ推進を担当する伊藤綾が、 2006年からダイバーシティを推進してきたリクルートグループの施策と成果、 そこから見えてきた今後の課題を紹介しました。

伊藤綾がリクルートグループの取り組みをファクトをもとに紹介

伊藤綾がリクルートグループの取り組みをファクトをもとに紹介


一例として、リクルートグループでは従業員を対象にしたダイバーシティ推進に関するアンケートを 年に一度実施しています。回答率はおよそ85%。ダイバーシティ推進に対して特に意識の高い従業員だけではなく、 さまざまな声を捉え・分析することを重視しています。

このような従業員の声は施策に活かされています。たとえば、28歳前後の女性従業員のうち84%は、 「今後、育児と仕事の両立が不安である」と答えました。この不安を解消するために、彼女たちを対象とした、 自分らしい働き方を描けるよう応援するための「Career Cafe 28」という研修を 開催するなどの取り組みを行ってきました。

「後輩に勧めたい」という回答が95%と好評だった「Career Cafe 28」

「後輩に勧めたい」という回答が95%と好評だった「Career Cafe 28」


一方で、課題も多く残されています。例えば、本人が管理職を志すための意識改革や、 管理職になるためのスキルを身につけることにおいては一定の成果が得られていますが、 管理職になった後、ライフステージの変化などを経ながらもどのように活躍していくかという部分では、 より詳細な調査を実施し、取り組む必要がありそうです。

こうした取り組みをしていく上で「ダイバーシティ推進の意義と目的は何か」をいろいろな角度から考え、 対話し続けること。「理解しあうことに手間を惜しまないこともとても大事だと思う」と伊藤は語りました。

イベント終盤の質疑応答では、長時間労働を変えるために働き方改革を進めたいと考えている企業や、 ワーキングマザーも営業職を続けてほしいと考えている企業など、さまざまなチャレンジを志す来場者と、 二葉・大久保・伊藤の間で活発な意見交換が行われました

来場者からは「ライフとワーク、男性と女性といった対立軸で考えないことが大事だと理解できた」 「リクルート自身の取り組みで明らかになった課題を率直に共有してもらい、 今後自社での取り組みを考えるうえでとても参考になった」という声も聞かれました。

iction!プロジェクトでは今後も、様々なテーマでのセミナーなどを通じ、 行政、企業、NPOなどの方々と協働しながら「子育てしながら働きやすい世の中を、共にに創る」 の実現に向けて取り組んでいきます。


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