家事・育児・介護との両立「現状は難しい」職場が32.6%―ジョブズコミュニティーレポート 2024年2月号 ―
家事・育児・介護との両立について、各社の状況についてお聞きしました。(回答期間:2024年1月26日~2月1日)
調査ダイジェスト
◆家事・育児・介護との両立「現状は難しい」職場が32.6%
従業員が働きたい分だけ働ける環境を整備するためには、性別にかかわらず、家事・育児・介護と両立できる職場であることが重要な要素です。ジェンダー平等を目指す「国際女性の日」に際して、各社の状況についてお聞きしました。
全体では、「両立が可能な職場である」が約7割と、すでに多数の職場で環境整備が進んでいる一方で、「現状は難しい・計」が3割以上存在していることにも注目です。特に、「従業員から求められているが、改善の取り組みはされていない(される予定はない)」が全体では1割弱存在しています。また、「従業員からも特に求められていない」は、参考値ではあるものの、小売業、運輸業、人材サービス業で2割弱と全体より多くなっています。現状求められていないからと改善を後回しにすると、従業員の潜在ニーズを見逃して、離職に繋がる可能性もあります。また、これから採用する人には重要な職場選択の軸になるかもしれません。離職防止や採用力の向上のためにも、積極的な改善が求められます。
◆女性従業員だけでなく男性従業員も両立できる職場を
弊社が行った「女性の就業に関する1万人調査2023」では、アルバイト・パートの女性は就業時間の延長を希望している傾向が見られました(下図)。特に、未就学・小学生の子どもがいる人にその傾向が強く、もっと働きたいと思っているものの、何かしらの制約があり、働きたい分だけ働けていない可能性があります。また、育児だけでなく、高齢化が進む日本では介護と両立できる職場環境も求められています。
ジェンダー平等は、決して「女性が」家庭と両立しながら働ける状態を目指すものではなく、家事・育児・介護の割合が女性に偏ってしまっている状況を解消しなければいけません。今回、「両立可能」と回答した職場においても、男性従業員が両立できる職場か、という観点で改めて考えていただきたいと思います。